発酵食とは、麹菌を使って発酵させた食品のこと。
味噌や醤油や味りんなど、和食に欠かせない調味料から、
日本酒や最近人気の甘酒、漬物や納豆、
郷土石川が誇るかぶら寿司も、発酵食だ。
食文化豊かなここ金沢には、発酵食について学ぶ場がある。
その名も、発酵食大学!
食と健康に意識が向いている知人が、何人も通っている。
2年前、難しい病気にかかって生還した友人は、
入院を機に、食の大切さを改めて痛感した。
強い薬を飲んでいたが、もっと本質的なこと、つまり食の改善で健康を取り戻したいと思った。
そして目を向けたのが麹。
早速、発酵食大学で、麹についてガッツリ学び、日々の生活に取り入れた。
やがて彼女の体調はみるみる回復し、検査数値も改善。
処方薬が要らないほど元気になった。
「先生に処方された薬を飲まないのは、自己責任。」と言う彼女の冷蔵庫には、
自家製の味噌や甘酒は言うに及ばず、醤油やもろみまで入っている。
麹を食べ続けることで、20年以上前のケロイドの傷跡まで、薄くなってきたとか。
すごいな、発酵食!
今の時代、添加物など好ましくない物が体内に入るのは止められない。
だからこそ、大切なのは、入った不要物をきちんと『出す力』。
それは断捨離にも通じる。
…ということで、麹マイスターとなった彼女の味噌作り教室に参加した。
味噌なんて、シロウトには作れないと思っていたが、
要は原材料の大豆と塩と麹を混ぜるだけ。
温度のことや雑菌のこと、気を付けることはあるが、できないことではない。
そういえば、昔の日本では、みんな家庭で作っていたっけ、…味噌。
…というわけで、初めての味噌づくりにチャレンジした。
知る人ぞ知る、石黒種麹店さんの米こうじ。
これに鳴門から取り寄せたお塩を混ぜて、モミモミ。
8時間水に浸け、4時間じっくり煮込んだ自然栽培大豆を指でつぶす。
ペースト状になるまで、しつこくプチプチ。
つぶした大豆と麹&塩を混ぜる。
お団子上にして、容器に並べる。
すき間を埋めるように詰めて、表面にアルコールをスプレー。
できるだけ空気を抜いて、ラップで密閉。
あとは、熟成するのを、ただ待つだけ。
のぞき見したいのをグッと我慢して、蓋を開けないことが、うまくいくコツだとか。
バラにせよ、仔犬にせよ、子どもにせよ、
なんであっても育てるプロセスは楽しみなことだ、…もちろん味噌もね。