エレベーターから
「もう私、52よ~」

「えー、まだ52じゃなーい」
 
という会話が聞こえてきた。
 
ええ、ええ、社交辞令でしょうし、
余計なお世話だと心から思うのだが、
 
「もう」とか「まだ」と
思っていたら、

きっと何歳まで経っても、同じ。
 
一年、誕生日が
メルクマールにならないくらい、
何かに没頭していたい。
 
つもる歳月よりおもく、
寄せる年波よりも濃く。