正剛千夜語り
「細川ガラシャ夫人 1013夜」を聞く。
 
松岡正剛の未詳クラブで
楽氏に誰かが聞いた。
 
「楽さん、どうして今の時代に
利休はいないんでしょうか?」
 
楽さんはうーん、と唸ってこう答えた。
 
「生と死を抱えないものには
何もできないでしょう。
利休さんが出るわけない」
 
江戸の文化の復活は、
桃山が持っていたギリギリの表現力を
家康が延命させることによって
孵化したのだと見ないと分からない。
 
 
「へうげもの」なんかを読んでいても、
明日死ぬと思って何かを作るのは、
それを見せたい、渡したい何かや誰かが
いるのじゃないかと感じる。
 
死を明日か明後日かに抱えたら
人は何か出来るのだろうか。
 
出来ないのだろうけれど、
何故だろう。
 
人は必ず
生と死を抱えているはずなのに。