宇宙に神様というものが
存在するだろうと
僕が信じていた理由の一つ
エントロピーがある。


エントロピーとは、
無秩序さ、乱雑さのこと。

例えば氷を部屋に置いておくと
溶ける。
これは、温度に差があったものが
均等にバラけたという風に
見ることができる。

エントロピーというのは
高くなる方向に向かっていて、
そのことを熱力学の第二法則という。
(ちなみに第一法則は質量保存の法則です)


さて、生命というのは宇宙において
とても複雑な存在である。

60兆個の細胞が有機的に集合して
動いている。
DNAがそれを支配しており、
そこに含まれる情報量も膨大だ。
(情報に関してもエントロピーは増大する)


どうして何もない無から人間や生命のように
超複雑なものが自然に起こり得るだろうか。

それは、神のような超存在が
存在しなければ起こり得ないであろう
というのが、そこの教えだった。

僕もそれに、説得力を感じていた。


それが覆ったことは、
信仰を覆す一因になった。


では、なぜこんなに複雑な生命が
宇宙に存在できるのか?


まず、熱力学第二法則は宇宙全体では
成り立つのだが、
一部の場所では崩れることがあり得る。

例えば地球は、太陽の熱エネルギーを
強く受けている。
そういう限定的な環境の中では
熱力学の第二法則が覆るようなことが
起こり得るのだ。


そして、それも全体の中では
エントロピー増大を増すような働きを
している可能性がある。

例えば鍋でお湯を沸かすとき、
熱せられた真ん中に渦が出来る事がある。

これは秩序だっているように見えて実は、
水の攪拌を早めて全体の温度が均一化する
結果をもたらしているのだそう。

自然界の秩序だった形とか、
蜂の六角形の巣とか、
エントロピー増大するからこその形である
ということが考えられるのだ。


さて。
ちょっと難しいお話しでした。

宗教は荒唐無稽なこと、そんなこと
起こりっこないということを教えたり
信じさせたりします。

だけど、その裏にとても科学的だったり
論理的なロジックがあることを分かって頂けた
だろうか。

つまり、そこから抜け出すためには、
幅広い知識が必要となるということなのです。