昔はいつもよりちょっと華やかな着物で出勤したりしてましたが、最近は特に意識せずいつも通り。
この歳で母親に雛人形を買ってもらいました。
子供の頃、ウチはどちらかというとあまりお金の無い家でした。狭い家に飾る場所なんかないし、何より高価なので、雛人形は無かった。
お金持ちのお友達の家には豪華な7段飾りがあって、それを見に行くのが楽しみでした。
特に羨ましいとか、自分も欲しいとか思いませんでした。きっと子供ながらに、ウチには縁のないものだと気づいてたんでしょう。
でも、すごく綺麗だなぁとうっとり眺めていた記憶があります。
数年前からお内裏さまとお雛さまのコンパクトなのでいいから欲しいね〜と母と話していて、シーズンにたまたまデパートに行った時に雛人形を眺めて綺麗だね〜でも高いね〜とムダにカタログ持って帰ってくるだけだったのですが、去年実家に帰った時に、浅草橋にお雛さま見に行こう。いいのがあったら買おう。軍資金はあるよ。と母に言われて。すごく嬉しかったです。
浅草橋でたくさんのお店のお人形を見たエピソードは、書き出したらすごく長くなるのでまたどこかの機会で。
1番最後に入った秀月さんで運命のお雛さまを見つけました。
一目惚れで絶対にコレだ!って思ったんです。
お顔も綺麗だし、屏風は蒔絵で小物もシックでわたし好みでした!
この着物は麹塵染(きくじんぞめ)の生地を使っています。
わたしはずっと黄櫨染(こうろぜん)だと勘違いしてたのですが、麹塵染でした。ブログ書いてて気づきましたw
黄櫨染色は天皇陛下しかまとうことが許されない禁色です。(ネットで検索していただければ、天皇陛下がお召しになっているお写真出てきます)
櫨(はぜ)の木と蘇芳を混ぜて作る黄土色のような色なのですが、太陽の光が当たると赤みを帯びた色に変わるというとても不思議な色。平安時代からですからもちろん科学的な物は一切使われていません。
どうして色が変わるのか解明されず、色を再現することができなかった幻の色だったのですが、熱心な染色家さん達の研究で、近年はこれに限りなく近いものを再現できるようになったといいます。
現在はこの技術で染めらたものを一般的に黄櫨染と言うらしいです。
数年前仕事で黄櫨染を扱ったことがあったので、浅はかな知識ですが。
ちなみに麹塵色も同じく禁色で緑系の色です。
こちらは刈谷と紫草の草木染めでできる色らしく、同じように太陽の光で色が変化するので、黄櫨染色と並んでとても難しい染色となっています。
お雛さま届いたよと1月に実家から写メもらった時に、あれ、着物の色こんなだったっけか?って思ったのですが、それ、日中に撮ったヤツだったんですよ。
その時の写真。
最初の写真に比べて着物が赤みがかっているのがわかりますでしょうか?
まさに太陽の光で色が変化していたんですね〜。
飾ってから以降は実家に帰る機会が作れず、片付けるまでにも無理そうなので、残念ながら今年はこの色を実際に見ることが出来なそう。
来年のお楽しみです。