世に名言とか格言とかは山ほどあるけど、意味を良く考えずに、鵜呑みにしてはいけないじゃないか、ってお話。

「後悔はしない、反省はする」みたいな“啓発的なええ言葉”を巷でよく見る。後悔は悪者で、反省は正義。本当にそうだろうか。僕は後悔しまくり、あんときこうすりゃなぁ、なんて幼稚園くらいのことまで覚えてて、挙げていくと数えきれない。『あれ、後悔しまっくてる自分ってダメなのかな?』と冷静にこの言葉を考えた時、そもそも、反省と後悔の関係性おかしくないか、と思ったので書いておく。

一応、辞書で調べてみた。

  反省 :振り返って考えること。過去の自分の言動やありかたに間違いがなかったかどうかよく考えること。
  後悔 :自分のしてしまったことを、あとになって失敗であったとくやむこと。

過去を振り返るとこまでは共通。
前者は振り返った上で、“よく考える”。考える対象は失敗だけじゃない。
後者は振り返った上で、“悔やむ”。


  振り返る ⇒ 良く考える ・・・冷静でポジティブな感じを受ける
  振り返る ⇒ 悔やむ   ・・・感情的でネガティブな感じを受ける


って短絡的に考えるとそうなりそうだけど、、ん、ちょっと待てよ。後悔と反省は同時に起きてしかるべき。反省することにより、自分の失敗が浮き彫りになり、後悔に繋がる。また、失敗に対する深い後悔があってこそ、次に繋がる反省もまた活きてくるんじゃないのか。

  振り返る ⇒ (よく考える ⇔ 悔やむ)  *()繰り返す

失敗に対する悔しさや情けなさといった気持ちだって、それまた人間が成長していく糧として大事だと思う、、。「俺は、反省はするけど、後悔はしない。」って本気でそんな人がいたら、きっと自動プログラム修正するようなコンピュータみたいで深みも優しさも面白みもない人だろうな。「後悔もする、反省もする。」、良いじゃない。どっちも良いもの、悪者がいなくなった。

後悔すれば良い、いっぱいすれば良い。取り返しのつかない事やって、「やっちゃたよ、、。」って、悔やめばいい、泣けばいい、自暴自棄になれば良い、1日でも、1時間でも、1週間・1ヶ月・1年、いや一生悔やめば良い。思い出しただけで、吐きそうになるような経験もしたくないけど、すれば良い。死んじゃったら終わりだけど、生きてる内は、後悔と反省をしようがしよまいが、時間は進むからね。

後悔と反省は、相対するものじゃない。後悔と反省は、がっちり肩組んで並んでんだよ。というお話。