何の話かというち、別府大分毎日マラソンに出る為に大分に行った話なのだが、メインのマラソンは元より、全体的に良い旅になった気がするので、ちと長くなるけど、全3日間を振り返ってみる。

2/5(金)

早朝、明石の自宅で準備をする。マラソンに出るだけであれば、荷物は最小限に、スウェット&ダウンにボストンバックで行く気もしたけど、何か、こう、男の独り旅って哀愁のある雰囲気を出したくて、トレンチコートでいく事にした。銭形警部をイメージ。んでから、朝はいつも通り出社。フレ退予定だったけど、嫁さんの調子が悪いとのことで、急遽PM半休を頂いて、嫁娘を三木に預ける。DNSも考えたが、送り出してくれた。Thanks。

三木から神鉄に乗る。連絡バス乗り場の住吉駅に着いたが、えらい早く着いた。晩飯を食う時間があったので、久々に天下一品を食ってみた。まぁ、いつも通りだった。見かけ倒しで量が少ねえ。そっから連絡バスで、六甲アイランドの“さんふらわあ”乗船口まで。久々のさんふらわあ、熊本の爺さんの葬式の帰りで乗って以来。いつぶりだろう。ワクワクしながら定刻乗船。寝床にも行かずに、風呂に直行。我ながらナイス判断。貸切状態。展望風呂とか言って、出航しても全然展望ないから、出航前で何ら問題ない。

ツーリスト部屋(昔の2等客室)、つまり雑魚寝部屋に、。そんなに人も多くなくて、3スペースくらい使える。良かった。ごろ寝したり、ストレッチしたり、本読んでる間に、出航時刻。動き出した。子供のころの感動はないな。儀式を一通り済ませたので、無沙汰となって、フロアに出てフラフラ、。それでも無沙汰となって、レース前の飲酒はどうかと思ったけど、精神的な解放も必要だと思って、缶チューハイを頂く。そうこうしている内に、なんかキャンペーン中らしく、ピアノジャズの演奏が始まった。気持ち良くなって、何だかんだで3缶飲んで、ジャズも終わり、本も読み終わって、適度に眠たくなったので、寝た。船内は異常に乾燥してて、濡れタオルを口に置いて寝た。


2/6(土)

5:30に起床。乾燥と温度(暑い)と隣のイビキとエンジン音で、あまり寝れんかった。はい、神経質ですが何か、。儀式を済ませて、朝飯を頂く。予定通り7:20に大分港到着。西大分駅に向かう途中で、急に腹痛で便意をもよおす。危うく、大分上陸10分で鶴田ピンチを迎えるとこだったが、耐えに耐えて、駅で発射。

本日は唯一の観光時間がある。ゆふいんに行くか、地獄に行くか、悩んだが、地獄に決定。とりあえず別府駅に向かう。別府駅で観光案内で行程を聞こうと思ったが、時間が早すぎてやっていない。とりあえずバスの本数も限られているので、地獄の入り口“鉄輪”に向かう。

8:30、地獄の入口に到着。小雨が振っていてじっとり寒い。タクシーの運転手から、『“血の池地獄”から見た方が良い、安くするから乗ってけ』、というが、距離を聞いたら3kmっていうから、「そんくらいなら全然歩くわ」、って返した。

ここからダイジェスト。

【白池地獄】
牛乳を混ぜたような、白色の湯。綺麗だけど、規模が小さい。温泉だけではモタないのか、熱帯魚館があった。けど、何かアロワナとかガーとか、“最近入れました”って幼魚ばっかで、飼育失敗したんだなぁ、て感じが満載だった。

【鬼山地獄】
湯気、とにかく湯気しか見えん。それとワニだらけ、。“温泉で育ててます”って、書いてたけど、手足が腐って、無くなってるワニがいっぱいで、なんか温泉が逆に悪いんじゃないかと、人間のエゴを見た気がした。

【かまど地獄】
色んな種類の寄せ集めって感じかな。寄せ集めは良いとして、看板とか、飾りとか、何か安っぽいエンタメパーク化してて、。子供は喜びそうだけど、。何故か、ここは中国の観光客が多かった。

【山地獄】
サボテンからの動物園。温泉で育てているらしい。『世界で唯一温泉で動物を育てています。』それ要る?虚ろな目をして、温泉に使ってるカバを見て、「君にとって、ここは地獄なのかい?天国なのかい?」と訊ねる。あ、あと、湯気の出る岩があった。

【鬼石坊主地獄】
モノトーンの世界。白泥からポコポコと湧き出る湯が、湯面に幾重の円を描いていく。これは良い。タクの運ちゃんはオススメせなんだが、これはとても気に入った。

【海地獄】
タクシードライバー一押し。入ってすぐに広いのが見えて、「おおぉこいつあデカい」、と思ったけど、ただの池だった。その所為で、海地獄みたら、比較してしまって、「小っさ」って。見せ方考えてよ。ここも湯気で青色もあんまり見えないし、。イマイチだった。

【熱の湯】
血の池までの3kmを歩く。おばちゃん曰く、きちんとした歩道もないし、歩く人はおらんらしい。霧雨で身体がじーんと冷えていたので、途中にあった公衆浴場にピットイン。何と無料。地元のおっちゃんらが大勢いた。『(熱!?)』名前通り湯が激熱だった。我慢して肩まで入ったけど、指先とか痛くなるくらいで、1分くらいが限界。一瞬で温まった。

【血の池地獄】
3km歩いて到着。結構期待してたけど、「有馬(金泉)?」って思ってしまった。赤いというか、茶色というか。そんでもって、湯気で手前しか見えないし、。決してヒネクれてるワケではないけど、国指定文化財に、期待し過ぎたかな、、。

【竜巻地獄】
『いま、上がったとこなので、30分くらい待ちます。』とのこと。いわゆる間欠泉らしい。待つ。待つ。暇なので、売店のおばちゃんと話す。「“ばんぺいゆ”って今が時期なんですか?」なんつって、待つ。人が増える。湧き出てきた。「まるで地球の潮**だ!」


そこからは、また歩いて亀川駅まで、。電車に乗って、別府駅に戻ってきました。さて、お昼ご飯のお時間です。かねてから楽しみにしていた、“別府冷麺”を食しに、駅近の焼肉屋“元祖アリラン”へ。店内一杯かと思いきや、意外と空いてございました。

カウンター席で待つこと10分ほど。来ました、別府冷麺。敢えて、いきなり麺からガッつきます。「酸っぱくない?な、、ん、、、、だと。」和風なダシが効いている。和風だ、かろうじてキムチによって蕎麦化を回避しているか、、。しかし、麺が、麺もどうして蕎麦っぽい。「蕎麦、、、粉、、、だと」、混じってるらしい。ほぼ蕎麦じゃねーか!!キムチ蕎麦、キムチ蕎麦やーい。いえ、普通に、美味しかったですよ。

腹を満たしてからは散策。餃子も気になったけど、雀荘みたいな店構えでちと入り難かった。小さな(メイン?)商店街では、行列の寿司屋?魚介系のお店が、。今度来たときは行ってみよ。フラフラしてたら、“竹瓦温泉”という、何とも渋い佇まいに出会う。「こ、これは、入らにゃならん、、。」思うが先か、入口の戸を空けていた。内装も渋い。道後温泉で感じったような、ノスタルジー。古い≠汚い。『大事に使われてきたんだ』と、飴色に輝く柱や床が物語っている。いやぁ、良かった。良い湯であった。もう、これで良いわ。マラソン?なにそれ美味しいの?ビール飲みてえ。

ポカポカの心と身体で、ようやく受付会場に行く気になる。駅前のバス乗り場。大行列。。既に地獄巡りと別府散策でかなりの距離を歩いてるけど、ここまで来たらもう一緒やな、と会場まで歩く。綺麗に手入れされた孟宗竹。美しい。竹の緑はとても癒される。

受付会場到着。ささっと手続きを済ませる。バナナの無料配布で、絶妙な甘さ加減で4本くらい食うた。ちょっとフラフラしたけど、知った顔はいなそうなので、地獄プリンと赤飯おにぎりを入手して、スパッと会場を去る。大分までは無料の連絡バス。さすがに昨晩の睡眠不足が効いて、爆睡で知らぬ間に大分着。

晩飯にはちょっと早いので、駅中でお土産を調達。フラッとユニクロに言ったら、明石あたりでは早々に売り切れてたシャツが、まだ置いてあった。しかも、ディスカウント。大分まで来てユニQ、と思ったが、レジに直行。そこから大分周辺を散策しながら、晩飯予定の“こつこつ庵”へ、。ちょっと早く着いたので、外で待つ。もう一人待ってた。17:00になった瞬間に入った。ほぼ予約一杯で、残すはカウンター2席のみ。待ってた我ら2人は無事に入れた。

青魚が好物の身としては、一度関サバ関アジというものを食べてみたい。店内に掲げられたボードを見てみると、

関サバ寿司 1000円
関サバ琉球 1500円
関サバ刺身 2000円
関アジ寿司 1000円
関アジ琉球 1500円
関アジ刺身 2000円


無理だ、無理だー。もうカンパチの琉球が食えればいいわ、と。カンパチ琉球とだんご汁のセット。琉球、美味しい。ご飯に乗っけて丼にしたけど、これ、超うまい。このタレ、自宅用に買って帰る事決定。だんご汁は、半分食べたら、かぼすを絞る。これも旨い。かぼす入れた方が好きだわ。量は少なかったけど、満満足。

帰りに如何わしい公衆トイレもチェックしつつ、本日のお宿、ビジネスホテル清風に向かう。といっても、大分から3駅の鶴崎まで乗って、そっからまた2kmくらい歩いて、。いやぁ、今日は、かんなり歩いた。大満足じゃー。


2/7(日)

昨日はよう歩いて疲れてたで、良く寝れた!グッモーって感じ。ニンニンジャー最終回も見れたし、さて行こうか。

(中略)

スタート地点の“うみたまご”に到着。地味に寒いので、着替えもせずに建屋控え場所に座ってるけど、何か、こう、アウェーを感じる。少なくとも、トレンチコート来てる人はいない。警備員にも、『あ、この先、選手の方だけです。』と言われる始末。すみません、あの陸上部のジャージみたいなやつ、どうも着たくないんです。。どうにもこうにもいたたまれなくなって、またしてもフラフラしだす。何人か知り合いにも出会えて、ようやくアップに時間になって、装束を変える。

(中略)

アキオさんとも出会い、ラインアップ。間もなくスタートです。

ここからダイジェスト。

【Start~】
広い道なのに、我先に、我先に、のカオス状態。後ろから蹴られたり、押されたり、退けられたり。、こちらも目安とする速いペース集団に乗れるように、負けじと走る。3分45秒くらいの立ち上がりなので上々かな。

【~10km】
気がつけば、3分40秒の集団に入っている。若干息も上がっているのでオーバーペースかな、と不安になるが、意外に身体はついていってるので、ここで下がるワケにも行かず、「ええい、ままよ、行けるトコまで行こう」、と覚悟。

【~20km】
アキオさんも同じ集団。15km地点に直子さんがいるらしいので、写真に入る為に、ちょっと頑張る。その5kmくらいだけは、集団の前で引かせて貰った。(何を隠そう、そこ以外は、ずっと金魚のフンでございます。)ちょっと辛くなってきたけど、身体はまだ綺麗な動きなので、35kmまで着いて行けるかな、と妄想。

【~30km】ハーフを過ぎたあたりで、集団がペースを上げたのか、25kmくらいで3分40秒には着いて行けなくなった。根性で行けなくもないけど、無理に着いて行こうとすると、フォームが乱れるのが分かったので、ペースを落としてフォームキープを優先した。ここまで出来過ぎなくらい良い感じで作ってきた、大幅なペースダウンだけは、絶対に避けなければならない、と判断した。

ありがたいことに、前の集団は見えなくなったけど、後ろからちょうど良いペースの人や集団が次々と現れてくれるので、かなり引っ張って貰った。30kmからは、頭の中で残りの距離と時間を計算し始めた。このまま行けばイケる。でも最後まで何があるかわからない。気を抜かない。

【~Goal】
辛くなってきたけど、フォームだけは崩さないことを意識。気を抜くと、顎が上がって、身体がブレる。辛いけど、フォームさえ気を付けていれば、3分50秒はキープしている。計算上、4分30秒でも40分切りは出来るけど、ここまで来たら、最後までしっかりと走り切りたい。

のこり5km。フォームのことしか考えてなかった。腰の確度はどうだ、脚は上がってるか、胸は張ってるか、腕ふりはコンパクトか、着地は長くないか、顎は上がってないか、無駄に力んでないか、。ふと、ポーラ・ラドクリフがレース中に『自分の身体のことに常に気を張り巡らしている』と発言していたのを、「あぁ、こういうことか」と認識した。

競技場に入った。電光掲示版には2時間35分30秒。狙うは36分台。「ラストスパート!!」と行きたいとこだけど、ここまで42km、フォームを固めて走ってきたからか、そう簡単に短距離の走りに変えれない。しかし、しっかりとフォームを崩さずに競技場を周りゴール。(テープもゲートもなかったので、あれ、ここゴールでいいの?といった感じ。)

2時間36分49秒

信じられない。直前の練習やインターバルのタイム、どう考えても、40分切りも出来るかどうかの状態。ワープしたんじゃないか、と思う程の、出来過ぎの結果。荷物受取も、シャワーも、混雑する事なく済ませ。まだ好タイムの実感が持てないまま、さっさと会場を後にした。

大分駅についた、娘のお土産に、ご当地キャラとかのオモチャとかを歩き回って探すが、全然売ってない。『ちっち、オギヤゲかってくるの?』と楽しみにしているので、裏切れない。父の責務として、レース後の身体に鞭打って、全ての荷物を抱えたまま、大分の街を結構歩いたけど、売ってない。さすがに疲れてきたので、鶏天と缶ビールを買って、駅前の芝生で寝転ぶ。

じわじわさっきの好タイムの実感がわいてきて、「よかったぁ」、安堵の息が漏れる。「やったー!」とかいう両手離しの歓喜ではないけど、色んな物を犠牲にして、時間を掛けてやってきたことが、合ってるのか間違っているのか、意味があるのか無駄なのか、答え探しに若干悩んでるとこがあったけど、こうして数字として出てきてくれた。「よかったぁ、間違いではなかったぁ。」「よかったぁ、家族や皆に御礼が出来る」「よかったぁ、」「よかったぁ」安堵の思いしか出てこなかった。

そっからは、緊張の糸が切れたのか、良い感じで酔っぱらってきた。それにしても、鶏天ってめっちゃうまいがな!からし酢醤油、、かな?最高のシーズニング!鶏肉をこよなく愛する身としては、もう、辛抱たまらん。酒が進む!

温泉!青魚!鶏肉!大分最高!船のりばの売店で、無事、娘のみやげもGET。船内では、同じく別大を走られた方とお話も出来た。(酔っ払いの絡みですみません。)そんなこんなで、大分の旅は終了!良い感じでロード走り込みを終えたので、気持ち良くトレイルシーズンに突入。まずはトレイルの走り方から思い出さないと、。トレイルランってどうやるんだったっけ?