「レギュレーション」

 トレイルランとかのレースに出る際の条件・規則の事をいうんだけど、その中でも、持ち物、つまり大会側で決められてる必携品について。

 今回のUTMF・STY、この必携品が足らずに失格となった人が少なくないらしい。ひとえに、大会側の思いと、選手側の思いの差から、失格者が出てしまったんだろう。

 参加者やボランティア、関係者全員を必ず安全に“生きたままで”大会を終わらせなければならない義務を持つ大会側に対し、選手側は、レースという比較的安全が確保された環境で、なるべく軽量の装備で時間を短縮したい人もいて、こと鍛錬されたランナーなら装備も含めての実力・競い合いだ、と考える人もいるだろう。全員が、自分の実力と必要な装備を履き違えないランナーであれば、大会側もそこまで厳しくする必要もないだろうけど、それは理想のまた理想。

 話変わって、今年の志賀エクストリームトライアングルでは、雨のために、上位陣以外は、A2にゴールを短縮する判断がされた。大会側の勇気ある判断だし、コース上のボランティアの身も案じると、総じて最良のチョイスだったと思う。けど、もし、自分の実力を履き違えず、荒天・泥濘でも完璧に進むことが出来る装備と経験を持ち、重たい荷物を背負って、ゆっくりだけども確実に、ゴールまで戻る堅実な守りの作戦をとっていたランナーがそこにいたとすれば、この判断は非常に悔やまれたと思う。

 何が言いたいか、全員に共通のレギュレーションを設定するのではなく、個々人にて、実力と装備のバランスが取れるレギュレーションってのがあっても良いんじゃない?って思った。つまり、持ち物によって、関門時間を変えれば良い。例を見てもらうと早いと思う。



 携帯品リストの内、全項目を満たしていれば、関門時間は最大限使える。関門時間そんなに要らんよ、という中上級ランナーは、レベルに合わせて装備を絞る事が可能。でも、装備を絞った上で、設定時間に間に合わなければ、己が実力を見誤ったとして失格。

 何も考えずに言われたものだけを準備する現ルールに対し、このルールでは、参加者は事前の準備の際に、自分であれこれ考えると思う。自分の走力について、山での安全について、レースプランについて、。自分で考えた結果だ、失格を言い渡すチェッカーも今ほど辛くないだろうし、これなら本人もまだ納得出来ると思う。

 大会側は管理面で面倒になるんだろうけど、、。多様化してきた参加者は、また楽しみ方も人それぞれ。少なくはない参加費を払ってる参加者、折角なら存分に楽しんで欲しい。まだルール設定が柔軟に変更出来るトレランレース、1人でも多くの参加者がHappyになれる色んなアプローチがあっても良いんじゃないか、と考える今日この頃。