石川さんがプロデュースする「キツい」トレイルレース!全長63km。スタート標高1200mからゴールは標高100m。ダウンヒルと思う勿れ、累積標高はがっつり4000m。富士山+αも登れるのだ。無論下りは5000m越の大サービス!CBのダメージが所々に残る身体、無事にゴール出来るか!?

<装備・携行品>
シューズ : Nike Zoom Terra Kiger
クツシタ : Injinji 5本指
アタマ : Buff
インナーパンツ:Bodywild
ショーツ : Asicsスパッツ
インナーウェア: Ignio
シャツ : Adidasノースリーブ
シェル : TNF ジャケット(使用なし)
グローブ : オープンフィンガー
ライト : Gentosハンドライト(使用なし)
トケイ : Garmin FR210(GPS/HR使用なし)
パック : RAIDLIGHT OLMO5
ボトル : RAIDLIGHT 750ml x1
補給 : Gelx10、羊羹x5、アミノ酸x5包

<作戦・レース展開>
1~5km : ざっと下って、200mくらいの登り、で緩やかなトレイル下り
    ⇒スタートダッシュには乗っからず心拍に注意。下りで離され過ぎない
5~12km : 舗装路でくだり、のぼり、くだりで、AD1(1.0hr)
    ⇒時間稼ぎパート(オーバーペース注意)
12~22km : 10kmほど100~200mのトレイル上下
    ⇒省エネ。まだ前半。順位は気にしない。
22~30km : ずっと林道下り
    ⇒時間稼ぎパート
30~33km : 舗装路くだり、のぼりで、AD2(3.0hr)
    ⇒時間稼ぎパート
33~44km : 200~300mの上下激しいトレイル、500m下ってAD3(5.0hr)
    ⇒省エネ要・安全策だけど、明暗が分かれる踏ん張りどころ!
44~55km : 500m登って、走れるトレイル区間で、AD4(6.5hr)
    ⇒登りは頑張り過ぎず、走れる区間は頑張る!
55~63km : 下って、また登って、700m下ってゴール(7.5hr)
    ⇒根性
その他 : 補給は40分毎に100kcal。エイドでは出来る限り食べる。

<前日~スタート前>
睡眠調整で、いつもより早く4:00起床。だらだら準備の最終チェックをしてたら、嫁娘が起床。二人に見送られ7:30に出発。奈々さん号泣。すまぬ、、父は戦場へ行く。。8:30三ノ宮から高速バスに乗る。新名神を経て、11:30に名古屋到着。12:00に尾張一宮にてウッキーさんらと合流し、車で新城を目指す。15:00前に会場到着。受付を済ませ、本日のお宿、会場から4kmのウッキーさん知り合いの空き家。今回はKキさん、Yイさん、S森さん、A井さん、ウキタマ夫妻の7人編成。で、皆で前夜祭。「試走して完走諦めたから、もう今日は飲むって決めてたの」とワインを空け出すKキさん・Yイさん。人生二度目のトレランレースで補給を皆に相談するA井さん。皆にチュッパチャップスと茎わかめを全否定される。「ワインを開けたら空けにゃいかん」と良い感じのS森さん。結構盛り上がって、ずっと笑ってた。とはいえ、明日は2:30起床の為、20:00過ぎにお開きにして、各自就寝。おニューのモンベル寝袋。軽くてあったかくて最高。

2:30起床。レース支度をし、簡単に片づけをして、温かいスープを飲んで出発。今回ワンウェイコースなので、ゴール地点から約2時間のバス旅でスタート会場の茶臼山まで。気持ち良い揺れで小一時間ほど寝れた。いつも通り5:00くらいに覚醒。いつも通り5:30くらいに朝飯。そして、いつも通り6:00くらいに腹の波。会場到着するもトイレは見事な大渋滞。まず、どう考えても、持ち堪えないと判断し、人には言えない原始的な方法で、また迷惑が掛からないように処理。コンディションの為なら、プライド・羞恥心など安い物よ。会場到着からスタートまであまり時間が無いため、20分ほど短めにジョグ。表示は2℃だったけど、そんなに寒さは感じず、。戦闘服に着替え、スタート地点に。前列端っこ頂きました。奇しくも、S名さん・I上氏・N口くん、関西勢のライバルと固まった。さて、楽しくなってきた。緊張もしてないし、気持ちが非常に落ち着いてる。

<スタート~AD1>
ラッパでスタート。あれ、誰も飛び出さない!I上氏・N口くんと3人で前に飛び出してしまった。関西勢、調子乗りみたいになってる。。。何、この探り探りのけん制っぷり(笑)。と思ってると、やはり暫くしてH澤さんが前に出て、徐々に後続を離す。予想通り!自分含め他メンバーは様子見。舗装路を少し登ると、茶臼山へのトレイルに入る。適度な斜度で良い感じに心拍を上げ、頂上からはフカフカのトレイルで脚も気持ち良い!下りは後続に譲りながらも、上位位置に付けた。立ち上がりは上出来。舗装路に入って、前走のI藤さん・N口くんとの差を詰める。気持ち良くなってきて、二人を抜いたけど、Garminはペース3分40秒を示す。「こりゃ続かん」と4分ちょいまで落として、数名での2位集団となった。そこからは適度なペースをキープし、AD1に到着。N口くんがトイレに直行したから、エイド出た時は3位かな。

<AD1~AD2>
こっからはトレイルのアップダウンに入るので、順位を落とす覚悟してたけど、割と走れる感じだった為、なかなか良い位置をキープ出来た。下りで、M井さんとS田さんに颯爽と抜かれたけど、何とか食らいついて登りで追いついた。途中から舗装路の登りになったので、ここぞ、とちょっと頑張って、風力発電のある丘まで到着。ここからは走り易いトレイルで、2位をキープ。もうちょっと登りがあるかと思いきや、知らぬ間にタコウズ川沿いの林道に出てて、ここからは長い長い緩やかな下り。稼ぎドコなので、ストライド大きくして駆ける。舗装路登りも我慢して、ステップを刻んでAD2到着。約3時間で想定通り。疲労も少なく、良い感じ。故障によりDNSとなったHくんがコーラをくれた。五平餅も詰め込んで、エネルギー補給。エイドを出る瞬間に、後続のI藤さんとM井さんが入ってきた。さすがにまだ切れないか。。

<AD2~AD3>
さて、ここまではアップのようなもので、こっからが本番。上位に食らいつくか落ちていくかの“フルイ”に掛けられる。走れるか走れないかの微妙な斜度で登り続け、十三曲がりと言われるつづら折れに。やはり継続的な登りについて、ステップで楽をすると、速度が落ちる。すぐにパワーウォークのI藤さんに追いつかれた。そこからはI藤さんとほぼ同行。競り合いにはならず、何か苦しみを分かち合う同志的な感じに、。お陰様で、心身ともにキツい“フルイ”のパートを折れずに頑張れた。二人で前後しながら手も使うような難所の岩小谷・鞍掛を抜け、ざざっと下ってAD3の棚田。I藤さんとほぼ同着の2番手。5時間。驚くことにここまで事前の計画通りの出来栄え。おにぎりx2を水で流し込んで、エイドを出る。

<AD3~AD4>
エイドを出ると、コース最大の登坂、宇連山への登り。あぁあ、遂に来てしまった。膝下も疲れてきたので、パワーウォークが多くなるが、やはり下手くそで、消耗・疲労が激しく続かない。I藤さんに追いつかれ、その後も同行してたけど、自分は急登の継続がやはり弱く、後半差を付けられてしまった。宇連山まで来たときには、I藤さんとは2分差。かなり開いてしまった。ここから暫くはOSJ新城で良く知ってるトレイル。残す稼ぎドコはこの走れるフラットだけだと、自分に言い聞かせ、脚を回した。AD4はジャスト6時間30分。疲れてるけど、完璧なレース運び!

<AD4~ゴール>
あとは一回激下りして、鳳来寺山登って、んでまた激下り。神の下りを持ってる、S田さんやライバルI上氏を背負ってる身としては、後ろが気が気でならない。けど、前を走るH澤さんとI藤さんのお尻も何とか拝みたい、と後ろを向きそうな意識を無理矢理前に向けて走る。鳳来寺山に近づく。最後のおまけ的な山かと思いきや、結構キツイ山だった。上りはパワーウォークでもない、ただの歩き。フラットと下りで辛うじて走れる。鳳来寺山頂あたりで60km地点。残り3キロ。じわじわと来る膝の痛みを無視して、下って行くと、徐々に石段になって、ハイカーも増えてきた。鳳来寺に到着して、舗装路で安心した処、「こっち階段登りまーす。あと4kmでーす。」『はぁ(怒)』と言ってしまった。ごめんなさい。まさかの御約束を準備してくれているとは、7時間半ゴールの完璧な計画がここにきて崩れた。残り4km。結構立派な山道で、長めの林道も準備してくれてる!ほんと、石川さんは優しいなぁ。

「もう後ろは来ない。大丈夫だろ」と囁く悪魔を振り払い、スピードを緩めずに走る。舗装路に出る。脚は動いてる!後ろは、見えない!電車沿いの道にでる。レースと無関係の観光客も応援してくれる。3位!まさかの3位!第1回のデカい大会で3位!有名選手のいる中で3位!表彰台のある3位!3位、3位!!!宇連川を渡る赤い橋、3位って文字が頭の中を駆け巡った。マイクの音が聞こえた。ゴールまでのストレートに入った。

ゴールした。7時間44分。

何かわからんけど、ずっと冷静に押えていた気持ちが、ゴール後に昂ぶって「どうや!!見たか!!」って叫んだような叫んでないような。脇にいる人とハイタッチ。正面を見ると、あれ、ウキタマ夫妻、というか、あれKキさん、Yイさん、S森さんも、、。うわーってハイタッチしたけど、自分らリタイヤかいっ!!と一応突っ込んでおいた。H澤さん、I藤さんとも握手。いっぱい写真も撮って貰った。5位にライバルのI上氏がゴール!ミドルは自分に分があると思ってたけど、この差はうかうかしてられない、。そんなことより、この大舞台で一緒に台上に乗ることが嬉しく、ハグで迎えた。

終わった。辛かったけど、楽しかった。