[くつ] Nike Zoom Terra Kiger
[くつした] New Balance 5本指
[下インナー] BodyWild
[下] Uniqloスパッツ
[上インナー] Ignio
[上] Adidas袖無し(緑)
[かばん] TNF Martin Wing LT,Asicsベルト
[ボトル] Camelbak 750ml(アクエリ水割り)
[時計] Garmin FR210, Timex
[ライト] ヘッド:Gentos Headwars, ハンド:Gentos 閃
[アウター] Patagonia Nine Trail Jacket, Montbel Wind Pants
[補給] Gel系x10, PowerBar
[ドロップ] アミノ酸(ZEN), Gel系x15, PoweBar, おにぎりx3


***************************************************************************************


『たった10分の大きな差』

これが今回得た教訓であり、自分の弱さだった。裏を返せばまだ上を目指せる。

7/19 @7:00AM。師匠の家に集合。今回のメンバーは師匠と走る社長。二人は8月末にモンブランを控えているので、ロング走の調整の様子。

自分はというと、エントリー時には10時間切りを目標としていたが、「単なる完走」までの下方修正を考えていた。というのも、約1ヶ月前に発症したアキレス腱炎により、3週間の完全休養を余儀なくされ、残る1週は恐る恐るのジョグをした程度。調整不足は否めないが、レースに出るつもりで出来る限りの準備をした。スタート直前に数キロ走って、痛かったらDNSにしようと、そういう気持ちだった。

王滝村、到着。。瞬く稲光、轟く雷鳴。何か走らない理由が出来たようで、複雑な気持ちになった。が、夜に向けて回復方向とのことで、レースには影響なさそう。小雨の中、テントを張って、早々に寝た。

起きる。レース前特有のアンニュイな気分。決して昂ぶらない。ごった返すスタート会場。知り合いと話をして、互いに健闘を祈る。スタート30分前、レースへの出場可否を決めるランに入る。ジョグ、OK。6.0min/km、OK。5.5min/km、OK。5.0min/km、患部が張る。微妙。。6.0~5.5min/kgあたりであれば、致命的な痛みは出ずに走れる。トレイルで5.0km/km出ることはそうそう無いので、下りで無理さえしなければ完走は出来ると判断。出場することにした。

7/20 @0:00AM。スタート。スタート後は暫く広い舗装路なので、邪魔にならないだろうと前から2列目くらいに陣取った。今回は先頭のスタートダッシュに着いていく足がない為、マイペース。一気に数十人に抜かれる。ここで飛ばす人は、直後の上りで返せるだろうから、焦りはなかった。今回のレース、患部への無理だけは絶対に避けなければならない。

舗装路も上りに入ると、案の定集団のスピードは落ちる。上り続けるとなるとなおさら顕著にバラけてくる。自分の居場所はよくわからなかったが、上りは患部への負担も少ないので、6.0min/kmくらいのつもりで上った。若干の霧は出ているものの、適度な気温と湿度で消耗が抑えられる。ちょっと頑張って上ったので、単独行になった。これが気兼ねしなくて良い。

下りは負担の無いように抑えて走ってたつもりだったが、前走集団に追いついた。4~5人のパック。自分も少しセーブしようと集団に入る。数名がお話してるようだったので、会話に入る。「原さん出てないね」「今日涼しいね」「前走何人いるの?」そんなこんなしてたが、集団走は少し苦手。前を走られると足元が見えないし、横にいるとラインの選択肢が限られる。夜だと特に顕著。その状況が嫌だったのか、知らぬ間に、集団の前に飛び出して、離してしまった模様。

Wエイドに到着して、ボトルに水をさっと入れて、次を目指す。5位の位置かな?100哩の選手は散見される。そこからまた単独行。時折100哩の選手を応援しながら抜いていく。その序盤にしてボロボロの姿を見ると、何とも自分は100kmで十分だ、と思えてくる。

その後も黙々と闇夜を掛けていくと、4位の選手が見えた。軽く声を掛けて抜く。30km地点くらいかな。まだ足は軽いし、良く回る。そして第1エイドに到着。3位の選手が出て行ったのが見えた。3~4分差かな。ベルトに溜まった使用後のジェルの殻を捨てて、パックから新しいジェルを出して、詰め込む。ボトルに水を入れる。おにぎりを受け取って、早々に走り出す。エイドでの立ち回りはOK。ただ、走りながらおにぎり食べたら、呼吸困難になって、散弾銃のように吐き出した。落ち着いて食べましょう。

ペースをさほど落とすことなく、40km地点も通過。ここで100哩トップ選手と前走の3位の選手(T海さん)をキャッチ。T海さんとしばし抜きつ抜かれつのランデブーとなり、少しお話もした。聞けば、50kmまでしか走ったことがないとのことで、ここから先は未知とのこと、。(いやぁ、すごい。というかズルいよその若さでそのポテンシャル笑)フラットで自分が前にでて、下りでT海さんが出ていく。上りはトントンだったが、こっちは精一杯だった。

第2エイドに到着。ここで2位のI嵐さんも一緒になる。勝負の相手ではあるが、同じ境遇の同志でもある。色々お話をしながら、エイドを出て、しばらく3人でランデブー。でも、ここらへんで自分の弱さが出てきた。「足が痛い。もしかして、アキレス腱をかばった走りをしたから?股関節も痛い、前から柔軟性を指摘されてたから?水が飲みにくい。取り出しにくいボトルで来てしまったから?完璧な状態じゃないのに4位?完走目的だったの4位で十分じゃない。足も完璧でない、あまり無理するんじゃない。」

事あらば足を止める理由を探す。T海さんもI嵐さんも徐々に前を離れていく。自分は前を見ずに、後ろを気にしてばかり、。「後続来るな。後続くるな。」「つづら道で後続は見えなかった。貯金は十分。」もう後ろしか見ていない。T海さんもI嵐さんも既に見えなくなっていた。第三エイドも後ろを気にし過ぎ、うまく立ち回ることが出来ない。中途半端に飛び出してしまった。

断続的に足を止めながら上る。下りも頑張るが、痛みに足を止めてしまう。頭の中では、頑張る理由を探し、挫折する。逆に足を止める理由はいくらでも出てくる。そして、そんな弱気に運も味方することもなく、軽快な足音が後ろから近づく。「総合4位、頑張って。」と抜かれ様に声を掛ける。「後続いました?」と聞くほど、。今思うと、何と、何と情けない事か。

その後も急激にペースを落として足を進めるが、ついに後ろから近づく姿が見える。「総合5位、頑張って。」「後続いました?」さっきも言ったような気がした。そして最後の長い長い下りに入った。辛うじて走ることが出来るが、苦手な下りで、後続に怯えながら走る。何度振り返ったことか、。後ろしか見ていない。長い長いガレ場の下り、ただなすがままに下る。考えていることは後続来るなという事ばかり、。

最後のWエイドに到着。あと6キロほどだがお腹が鳴いた。第三エイドできちんと準備出来なかったので、ジェルのある場所が分からなかった。パック内をまさぐり何でも良いから出した。梅おにぎりだった。何も考えずに第二エイドで入れていた様子。とにかく、口に突っ込んで、水で流し込んだ。その最中、ほぼ歩いていた処、不意に後ろから抜かれた。これで総合7位。まぁまぁ、よくやった方か。(年齢わからないけど)年代別2位!?ちょっと、目の前にして、みすみす逃してしまうのかい!?一矢報いなくて良いのか。最後の悪あがき。意識が前を向いた。

気持ちとは裏腹、足は進まず、前走との差は開く。残り4キロほど。舗装路に入った。自分が毎日練習している道は舗装路だという自信が出てきた。徐々に距離が縮む。前走は厚底HOKAで、ロード走にはこっちに分がある。足が千切れそうだが、フォームは保っている。

「松原スポーツ公園300m」と書かれた看板が見えた、次のカーブを曲がると、スタート地点の建屋が見えた。ようやく終わる。。橋を渡り、最後の上りを終え、後続を確認。結構離れているがラストダッシュを仕掛けてくるかもしれないので、足は緩めず。息が上がる。最後の角を曲がり残り50m。さすがに安心してジョグった。そして、総合6位でゴールした。9時間33分51秒。

上出来と思いたかった。達成感はあった。満足感も申し分ない。故障明けで、10時間切り達成。9時半という朝の時間帯のもうゴールしている。暑くないし、清々しい。上位陣とのセッションも楽しいひと時。総合優勝のT坂さんは何と9時間切。I嵐さんとT海さんは、9時間23分の同時ゴールでそれぞれ2位・3位。その後、自分がゴールするまでの10分に4位と5位。

ただ時間が経つ毎に思う。たった10分。たったの10分。たった10分走れた人と、その10分を走れなかった人。その差は大きかった。まだここは通過点でしかないが、それでもその10分は越えねばならない断崖。

ちなみに、T坂さんは健康の為に走り始めて約1年、I嵐さんも最近トレイルを始めたばかり、T海さんも前述の通り。(何そのポテンシャル!?ズルいんですけど笑!?)そう簡単には行きませんね。挑み甲斐があるってもんですか。

まずは疲れを癒し、故障部位もしっかり直して、また1から頑張りましょう。次は志賀高原のEx-Triangle。おんたけの走れるコースとは違い、かなり上下のあるテクニカルコースの模様。距離は70kmなれど、行程時間は14時間くらいかしら。ひと月で出来る準備は心拍対応と上り脚くらいかな。暑いけど、頑張ろ。