11月ですが、ここまでは10月鑑賞分です。
キーパー ある兵士の奇跡:☆☆☆
とても素晴らしいお話なのです。グッとくるシーンやセリフもありました。本来ならもっと感動できるはずなんですけど、以下の点が残念で、☆2つ下がって平凡な☆付けになりました。実在の人物の話ですが、設定がフィクションになっている。サッカーシーンがしょぼい。大けがをしてから、復帰までの道のりではなく、家族の不幸に焦点が当たってしまってグダグダなラストになってしまった。
博士と狂人:☆☆☆☆
辞書の作成といえば邦画でいうと「舟を編む」がすぐ思い浮かびましたが、
初版の発行まで70年の歳月を要した「英オックスフォード英語大辞典」の誕生秘話。
とにかく、メル・ギブソン演じる博士の熱意と信念、殺人犯とその罪にさいなまれ、言葉を紡ぐことで、かろうじてバランスを保っていた精神を病む狂人のショーン・ペンの演技合戦。そして、博士を支える内助の功の妻、印象に残ったのは看守役の「おみおくりの作法」の主演をつとめた、エディ・マーサンが素晴らしかった。見ごたえある作品だった。最後にご本人の写真が出てきますが、良く似せてました。
ストレイ・ドッグ:☆☆
ストレイ・ドッグの意味が分からず、調べちゃいました。野良犬とか、迷子犬などの意味のほかにはみ出し者と道を踏み外したものという意味があるということですが、タイトル通りの内容でした。17年の歳月を感じる老けメイクと荒んだ汚れ役、アクションでイメージを覆す力作。ノワールというのか正義か倫理か欲望か・・・で人生の選択を誤った刑事の成れの果て。オープニングがラストに直結するのですが、中がグダグダで少々退屈でした。
望み:☆☆☆
堤幸彦監督の安定した演出力。行方不明の息子は被害者か加害者か。どちらにしても最悪の結末。観ている側も母親の気持ちになったり、父親の気持ちになったり、妹の気持ちになったり、揺れ動く中で、周囲やマスコミ、SNSの扱い針の上のむしろに居る不安にこちらまで押しつぶされそうでした。
みをつくし料理帖:☆☆☆
殺陣のない時代劇として、まあ、まあ、楽しめました。TVドラマとしてま何度か映像化されているようですが、どれも未視聴だったので新鮮でした。藤井隆の演技だけ浮きまくっていて作品壊しちゃったかな、角川スター大集合ですが、もったいないかな☆マイナス。松任谷由実&松任谷正隆の音楽も角川らしくて良かったです。
スパイの妻:☆☆
静止画を観ているというか、舞台劇を見ているというか、動きに乏しい単調な台詞回しの会話劇が淡泊すぎて退屈してしましました。第二次大戦の日本軍の恐ろしい計画を題材にしているのにサイコな部分異に焦点が当たり過ぎて、パンチに欠けました。実在の人物がモデルということですが、クライマックスは盛り上がったのですが、ラストが尻すぼみで未消化でした。
総評:「キーパーある兵士の奇跡」はよりドラマチックにするために設定が少しフィクションに変更されていますが、サッカー好き、マンチェスターユナイテッド好きには歴史的出来事なのでお勧めしたい。ただ、お勧めするにも肝心のサッカーシーンがイマイチなのでうーんといった感じなのですが。「博士と狂人」は濃いですね。情熱と信念をもって仕事に取り組むということに感服しました。「望み」はずっと重たい空気が立ち込めていて、気分も沈んでしまいました。エネルギーを吸い取られるので、落ち込んでいるときには観ない方がよいです。
金魚なネタバレ:「みをつくし料理帖」金魚が江戸時代に庶民の間で流行っていたこともあり、重要な場面の手前で金魚売のシーンがあり、重要な場面で金魚売の声は響き渡りました。