こんにちは!今回も当ブログをご覧になって頂きありがとうございます。今回は、本当にこれで85㎜ですか?と聞きたくなる大きさのHD PENTAX DFA☆85㎜ F1.4 ED SDM AWをご紹介させていただきます。リコーによると、高性能なスーパーEDガラス、非球面レンズを採用して極限まで諸収差を低減しており、歪曲収差は距離4mでほぼ0%を実現、パープルフリンジの発生も抑制しているのがウリです。また、AF時には高速で滑らかな専用の超音波モーターを搭載、MF時のホールドを高めるデザインを採用したとのことで、これだけ聞くとすごい!と思いますが、重さがフードなしで1255gもあり、同クラスの85㎜の中で一番重いレンズとなっています。また、定価も28万円!と驚きのレベルです。そうそう、一番前のレンズが凹ですが、お分かりになりますか?

85㎜というのは、私はあまり使わない画角で、このレンズに対してもあまり興味がなかったのですが、海外に生活しているとつい物欲と、史上最大級のこのレンズに対する好奇心が湧いてきて、割安で程度が良いものを見つけてしまったので、つい購入してしまいました。

改めてみると相当大きいです。A☆85㎜ F1.4と比較すると、大きさ、重さは倍以上(1255g vs 555g)違いますし、定価も3倍くらい違います。これは根性を入れて持ち出さないといけません。写りはそんなに違うのか、興味があるところです。あまりちゃんとした比較にならないと思いますが、いつものようにテストしてみました。

上段は遠景からテストしました。f1.4 1/8000、2.8 1/1600、5.6 1/400、11 1/100となっています。(PENTAX K-1Ⅱ、ISO100、AWB、人物)

f1.4では、中央の木場の柵あたりを見てみると解像感はありますが、さらに拡大すると輪郭の線に滲みが感じられます。また、ごくわずかの光量低下も感じられました。撮影した日は4月上旬で晴れでしたが、遠くは霞んで見え、春らしい一日でした。この気候の影響もあるかもしれません。一絞り絞るだけで、ふんわりした感じはなくなります。テストでは、次はf2.8まで二絞り絞っていますので、画像はピシッと引き締まっています。F5.6以上では、画質の改善はほとんど確認できません。

一方でA☆85/1.4の方は、f1.4ではわずかな光量低下が感じられますが、画面の中央の線の細さはA☆85/1.4の方が上かも、と思わせる解像感があります。f2より絞っていくと、さすがにシャープさではDFA☆85/1.4の方が上と感じます。30年前の名玉の実力は素晴らしいと思います。

次に近景を撮ってみました。いつもの、手すりの柱にモデルになってもらいます。f1.4 1/8000、2.8 1/1600、5.6 1/400、11 1/100となっています。(PENTAX K-1Ⅱ、ISO100、AWB、人物)

被写界深度はf1.4では激浅なので、LVで拡大して慎重にピントを合わせます。f1.4から、ハイライトにパープルフリンジも発生しておらず、前後のアウトフォーカス部分のボケも実に大きく自然できれいな描写です。発色もニュートラルで、絞っても変わりはありません。合焦部分のピシッとした感じはf1.4から十分あり、f2.8、5.6、11と絞ると自然にボケが固くなっていきますが、変な癖はありません。

一方でA☆85/1.4の方は、f1.4ではわずかな光量低下と画面が少し青みかかり、ハイライト部分にパープルフリンジがかなり感じられます。f2に絞ると、相当改善され、f2.8では見られなくなります。ボケは大きくきれいですね。絞りを開けた状態で、近景での撮影にはかなり描写力に差があると思いました。

素人の感覚ですが、DFA☆85/1.4は近距離では絞り開放からばっちりの描写力であることが分かりました。古いレンズですと、ちょっと絞って使いたくなるものですが、ピントの浅さに注意すれば、開放から完璧な写りです。これにはびっくりしました。機会があれば、皆さん、このすごいレンズをぜひ一度お試しください!