こんにちは、今回も当ブログをご覧になっていただきありがとうございます。今日ご紹介するのは、1981年に発売された世界初のTTL(Through The Lens)オートフォーカスレンズの大口径レンズsmc PENTAX AF Zoom 35-70㎜ F2.8です。先日、ジャンク扱いの、外見は非常に程度の良い、ME-FとAF35-70/2.8をオークションで見つけてしまい、二束三文でゲットしたものです。赤~ピンクのコーティングきれいですよね。

二束三文でゲットしたまでは良かったのですが、届いてみたら、レンズ、カメラのファインダーにはカビが生い茂っていました。。。それでも、文化財の保護だし、使ってみたら楽しいのでは、と思い直し(?)、レンズは写真レンズ工房さん、カメラはヒガサカメラさんに整備をお願いしました。幸い、ほとんど跡は残らずきれいになりました。いつもありがとうございます!

このAFレンズは、ME-Fに装着した時しかオートフォーカスは機能しません。従い、K-1Ⅱではマニュアルでピント合わせしますが、胴体のゴムローレット部分は、ズームの焦点距離を変えるためのもので、回すことさえできません。先端のギザギザ部分をひねる感じでなかなか使いにくいです。でも、40年前のレンズが普通に使えるだけすごい、ということですね。

それでは、画像をチェックしたいと思います。まず35㎜で遠景を撮りました。上から、f2.8、f8です。(K-1Ⅱ、ISO100、AWB、鮮やか、シャッタースピードは、上:1/1600、下:1/125)

f2.8では、フードでケラれたような周辺光量低下がありますが、フードはつけていません。線がかなり太く柔らかくなっており、ハイライト部分の色の滲みと合わせて、画面全体がのっぺりと立体感がない描写になっています。色調の偏りは感じません。f8に絞ると線は細くなりますが、ハイライトのフレアは残っており、フラットな描写は残っています。光量低下は目立たなくなりますが、35㎜側ではできるだけ絞って使いたいところです。

次に70㎜の絵を見ていただきます。上から、f2.8、f8です。(K-1Ⅱ、ISO100、AWB、鮮やか、シャッタースピードは、上:1/2000、下:1/250)

35㎜よりも70㎜の方が画像はかなりまとまっている感じです。f2.8では、若干線の太さは感じますが、解像感はあり、ゲートブリッジの橋脚、クレーンの立体感を感じます。一方で画面全体に半絞りくらい露出が不足しています。色調は青が濃く発色していることが特徴ですね。f8に絞ると、線は締まり、解像感も十分で、実用になるレベルになります。光量の不足感もなくなります。青が濃いのは同じ傾向です。

次に近景を70㎜側でf2.8とf8で比較してみました。(K-1Ⅱ、ISO100、AWB、鮮やか、上:1/200、下:1/30)

f2.8では、合焦部分はシャープで、背景のボケは癖もなく十分きれいと思います。色調は、若干冷たい感じになりました。また、ハイライト部分にフリンジと色の滲みがあります。ボケ味も悪くなく、十分使えるレベルと思います。最短撮影距離が1.2mと寄れないので、もどかしいところです。f8に絞ると被写界深度が深くなり、色の滲みもなくなりすっきりします。色調はf2.8と同じく、寒調で変化ありません。ボケは固くなりますが、クセはありません。70㎜側は、思いの外実用できるレベルです。

40年前の世界初の大口径TTLオートフォーカスレンズとしては、当時はすごいレンズだったのだろうと思います。70㎜側では現代でも十分使える実力があると思います。さすがペンタックスの全盛期のレンズです。全盛期のAシリーズレンズでも同じ焦点距離のズームレンズがありましたので、次回はこれをチェックしてみたいと思います。