今回も当ブログをご覧になっていただきありがとうございます。今日ご紹介するのは、コシナ製のコンパクトなLマウントレンズ、Voigtlander Apo-Lanthar 90mm F3.5です。このレンズは、鏡筒がシルバー仕上げのものと、ブラックペイントのものが販売されていましたが、シルバーの方が一足早く終売になりました。コシナのレンジファインダー用レンズでは一番焦点距離が長いレンズになります。
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アポクロマートレンズを名乗るだけあり、青緑赤の鉢巻きがきりっと凛々しく、恰好がいいレンズです。金属鏡筒は質感があり、ずっしり来る触感は十分に所有欲を満たしてくれます。レンズはフィルター径が39mm、長さ90mm、重さは260gしかなく、非常にコンパクトに仕上がっています。
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後ろから見ると、こんな感じで、最近のオートフォーカスレンズと大分景色が違い、連動ピンなどがないので、ちょっとお尻が寂しく見えますよね。望遠系のレンジファインダー用レンズは人気がなく、私もほとんど競合なくオークションで安値で落札しました。もったいない限りですが、落札者にはうれしいところです。コシナは、このアポランター90/3.5は一眼レフ用のSL、SLⅡシリーズでも販売しており、5群6枚の同じレンズ構成から、同じレンズ光学系を採用しているのではないかと思います。以前、KAマウントのSLレンズをテストした時には、開放から非常にシャープな写りでしたので、今回のLマウントレンズではどうなるのか、ちょっと興味がるところでした。
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私が持っている唯一のLマウントカメラのキャノン7に装着したところです。大柄なキャノン7との対比で、ことのほかレンズが細く見えます。コシナのレンズらしく、金属製ねじ込みフードが付属しており、フードの先端にははめ込み式のキャップが装着できるようになっています。このあたりは、非常に丁寧に作り込んである印象です。いつものあまりご参考にならないテストです。まずは遠景から、上段がf3.5、下段がf8です。(共通:Ricoh GXR A12、ISO200、上段:1/3200、下段:1/800)
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f3.5では、画面全体に薄く白い靄がかかっているような画像になります。線の一本一本はしっかり解像しており、色調も画面全体で偏りは感じられません。f8に絞ると、靄はなくなり、コントラストがはっきりします。素晴らしいと思います。一眼用のレンズでは、このふわっとというか、靄は感じられませんでしたので、Lマウントレンズの特徴でしょうか。次に近接撮影です。上段がf3.5、下段がf8です。(共通:Ricoh GXR A12、ISO200、上段:1/400、下段:1/100)
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f3.5から、合焦部分のシャープさ、ボケの美しさが際立っています。優しいボケ味なので、画面から受ける印象もふわっとした優しい画像になります。さすが、ここまでしっかり写るレンズの実力を再確認しました。f8では、少しオレンジ色がかかる印象になりますが、シャープネス、ボケ味とも素晴らしいです。f3.5でも近接撮影では十分な実力です。f3.5、f8とも、若干コントラストが低くなる印象ですので、このあたりがカリカリしていない、柔らかいイメージにしているんでしょうね。一眼用のレンズよりもLマウントレンズは、特にf3.5ではコントラストが低くなる傾向が強いことを感じました。とはいえ、悪い印象ではなく、優しい絵が撮れるレンズだというのが今回のテストの感想です。今回もご覧になっていただきありがとうございました!次回もよろしくお願いします。