どの歯医者が診ても一緒よ~!なんて思っている単純な虫歯こそが重要!!⑧ | シンガポールで歯医者さん Dr.Yumiko's Journal 

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まだ続いていますョ・・・ウインク

このシリーズ!

 

今日は基本の虫歯治療についてのご紹介を

パパパッと図解で分かり易く説明しますね。

 

 

単純な虫歯~!

↑穴が開いてしまっているのが一目瞭然ですね。

 

凍みたり・・・といった痛みは全くありませんでした。

 

素人さんからすると、

まだ穴が小さいし痛みもないので、

大したことない小さな虫歯だと勘違いしやすいですよね。

 

けれど、

歯医者からしてみれば、

こういう一見小さく見える虫歯こそが、

意外にも大きく進行した虫歯でもある!

というのは、

経験上の周知の事実。

 

だから患者の皆様、

小さいからまだ治療しなくても大丈夫だと勝手に自分で決めつけないで!!

 

 

ほら⇊

分かるかな?

右から2番目の歯の黒くなっている部分、

それが正真正銘の虫歯です。

 

やはり内部では、

こんなにも大きく進行しているんですね。

 

更にね、

このように写ってくる虫歯は、

実際に削ってみると、

レントゲンが示すよりも、内部で遥かに大きく広がっていることが多いんですよ。

 

 

だからこの時点で歯医者は治療開始前に患者さんに、

今痛みが全くなくても、

虫歯を削る治療行為によって、

逆に痛みが惹起されることが稀にありますよ

ということを、患者さんに説明しておく必要があります。

 

何故なら、

大きい虫歯=神経に近い虫歯は、

実際にそうなってしまう事が本当にあるから。

 

で、上矢印を説明しておかないと、

もし治療後に痛くなった時に、

患者さんは、「歯医者が下手だから、治療後痛みが出たむかっむかっ

と歯医者が悪者になってしまいますから。

その誤解を防ぐためにも、きちんと患者さんも理解しておきましょう。

 

 

さてさて、

そう患者さんにきちんと説明した上で、

実際に虫歯治療の開始です。

 

↓あれよあれよとばかりに、虫歯でボソボソになった象牙質部分が沢山溢れ出てきます。

こうした虫歯(軟象i.e.”軟化象牙質”と呼ぶ)は実際には、

キ~ンと嫌な音の鳴る、タービン(切削専用回転機械)の必要は全くありません。

 

余りにもボソボソになっている為、

歯専用の小さなスプーンみたいなもの(Spoon Excavator)↓でコリコリ掻きむしるだけで充分!

 

時には、キーンじゃなくてゴリゴリと音のする回転切削器具を使う場合もありますが、

虫歯で侵食された部分のみ、健康な歯部分を間違えて削らない様、慎重に慎重にね!!

 

グイっと力御込めて一気に削ろうとしたりすると

このような神経に近い虫歯の場合には、不意に神経を傷つけてしまう場合があるので要注意です。

 

だからこうした大きな虫歯治療の場合には、

歯医者の慎重さ加減と、丁寧さ加減と、忍耐力を

無茶苦茶要求するんですね~!!

 

だから、単純な虫歯の治療といえども、

時間も意外とかかってしまうから、歯医者も治療でクタクタになってしまう・・・。

 

あ、忍耐力を要求するのは患者さんもだね!

長い治療に耐えなきゃならないのは当の患者さん本人なんだし。

 

 

 

というわけで、

長いチェアータイムを要する慎重な軟象除去の末、

↓軟象が完全に取れました~!!

この時の重要なポイントは以下二つ!

 

1つは、

損傷を受けていない、硬いエナメル質の殻はなるべく温存すること!

 

2つは、

神経に近い大きな虫歯の場合には、

神経を傷つけないことに最大限の注意を払うが故、

まだその神経すれすれの歯の部分には虫歯菌が存在すると仮定して、

その部分を除菌殺菌するための特殊処置!を念のために必ず行います。

 

 

 

↓大きく空いた穴の中には、コンポジットレジンをダイレクトに詰めて、外形を修復します。

上のポイント1のとおり、

侵食を受けていない硬いエナメル質の殻を残しておくと、

それがScaffoldの役割を果たしてくれ、

見た目もキレイに、元あった歯の形を再現しやすいです。

 

 

そして、詰め物の詰め方にも繊細さを要求するわ!

詰めたものと歯の間に段差や隙間がちょっとでもあったら、

またそこに虫歯が出来てしまうので、

絶対にそうしたものはあってはなりません。

 

 

では、ラバーダムを外して、

↓噛み合わせのチェックして問題がなければ終了です!!

 

 

そして一応治療後にレントゲン撮影も行っておきます。

何故なら、入れた詰め物が実際どのくらい神経すれすれまで位置しているかを確認する為ね。

 

↓ほら、治療前の写真よりも、更に神経に近い深い部分まで詰め物が入っているから、

レントゲンが示すよりも、実際には虫歯は遥かに大きい事が分かりますね。

 

 

上のポイント2で書いたように、

虫歯菌が残存すると仮定した上での、神経を守るための出来る限りの特殊処置は行っているけれど、

レントゲンで見ても、ここまで神経に近いとろに詰め物が入っている場合は、

悲しいけれど、予後不良となってしまうケースもたまにあるわけで。。。

 

 

だから、そうした可能性についても、

患者さんは歯医者から、誤解を防ぐために、

きちんと説明されておくべき!ということですね。

 

 

そしてだからこそ、

その後定期的(6か月ごと)に同じ歯医者に通って、

レントゲンを撮るなどして経過観察を行ってもらっておくことが必要というわけです。

 

 

 

まとめ

 

虫歯治療と言っても

そう単純ではありませんよ。

 

特に、大きな進行した虫歯の場合には、

その歯医者の虫歯治療の質が

余計に術後の不出来にダイレクトに反映しやすいですからね。

 

1本1本の歯を大切に大切に、

治療を我々歯医者は行い続けなければなりませんね。

 

だから結局結論は、

虫歯を作らない事!

これに限るね!!

 

 

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