花神 中1 | WriteBeardのブログ

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花神 中1

ある時、蔵六が桜田藩邸を出ようとすると、高杉晋作が入って来た
双方無愛想で会釈もせずにすれ違った

あの火吹達磨のような先生はどなただ?

あれは麻布の屋敷にいる村田蔵六先生です
それっきりだった

攘夷の火は燃えるだけ広がるが良いのです、国を一旦焼き払ってしまわなければ日本は救われません

蔵六とイネはプラトニックラブだったのでしょうか

長州藩は下関で外国船を砲撃した
この報はすぐに江戸に伝わった
洪庵の死と同時期だったと、福沢諭吉の自伝にある

桂が麻布藩邸の蔵六を訪ねたのは灯ともし頃である

今から申し上げることは十年秘密にして頂きたい

この攘夷のさなかに英国に青年を留学させると言う企画

私に行けというなら

断ります

私以外なら大賛成です

大黒屋がよろしいでしょう
長州藩の古くからの御用商人である

大黒屋貞次郎が案内されたのは、祇園花見小路の一力である

上へ上がると、周布政之助様がおられた

貞次郎、この一件洩らしてくれるな、洩れれば、長州に二心ありと言われる

翌日、三本木の料亭に招き、錚々たる連中が接待した

桂小五郎、久坂玄瑞らである

さて、秘密留学生は、野村、山尾の他に井上聞多、伊藤俊輔が加わった

この時代、今生との袂別という習慣があり、前夜に妓楼にあがる

五人は品川妓楼土蔵相模に登楼した
さて、勘定、というとき
英国行き一人三百両をはたいてしまった

聞多は、蔵六に頼んでみようと頭を下げた

なんとかしましょう

蔵六は横浜へ行った
大黒屋貞次郎にカラクリを打ち明ける

みなさま、お若うござりますからなぁ
一笑して引き受けた

貞次郎は江戸へ行き、主人の大黒屋六兵衛に、長州様に不時のご入り用ができましたと、五千両たてかえ方を承知させようとした
いずれ藩が返済してくれましょう
証人はここにおられる村田蔵六様です

結局うまくいった

村田さん、策が当たりましたな
その金を当てにして、佐野茂に座敷を用意してあります
村田先生、大黒屋貞次郎、我々渡海五人、密かに宴を張りたいのですが

貞次郎は五千両をすぐさま洋銀に替え船の手当もした

乗船は五月五日、送別会である

五人の攘夷家にとって、文明世界は地獄であり、鬼どもや牛頭馬頭がひしめく世界であった

伊藤俊輔は即興の歌を朗詠した

ますらをの恥を忍びてゆく旅も、すめらみくにのためとこそ知れ

この後、弁天町の大黒屋へゆき、雨戸を下ろし錠をかけた

断髪し洋服を着た

ご免こうむります
貞次郎は遠藤のモットイをざくりと切った、遠藤はざんばら髪になり、ポロポロ涙をこぼした

五人の小柄な西洋人が出来上がった

夜十一時、英一番館へ行った
ところが、引き受けたガールという男が嫌だと言い出した

蔵六は珍しく怒り出し
この五人は既に野蛮人になったのだ、英語でしゃべった
barbarianという言葉しか知らない

バーバリアンとは何事か!ガールはわめいた
約束を破る者はバーバリアンである

結局、沖にいる船に案内することになった

ボートにはカンテラひとつ闇の海面を照らして行った

軽舸、白灯を点じて、世界へ去る

五人を世界へ送ってから、蔵六は大黒屋に戻った

しかし、井上聞多と言う男、ああいうのは、武士のクラスにいない

しかし、高杉さんもなかなかいいお人、飛車に桂馬を乗せたようなお人ですな

高杉、井上、伊藤が横浜に商館を出せばどの外国商人もしっぽを巻くだろう
ただ、いくら儲けても高杉が酒と女に使ってしまうだろう