デスマスト! | WriteBeardのブログ

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1Q8X 夏


夏休みも後半になると


2年もスキッパーの練習をさせてもらえる


3年は7人いるのだが、飯島が入院しているので


スナイプ3人、470が3人毎日スキッパーをする


※スキッパーとは、船を操る人ね


 後ろに乗って舵をとり、メインセールをコントロールし


 船を操る


 これに対し、前に乗り、ジブセールを任され、


 ヒールをコントロール、海面を観察してスキッパーに


 報告するのがクルー


 まずは、クルーから始め、その後、スキッパーをやるのだ


船は全部で8杯あるから、2年スキッパーの船が2杯


その日の風は、順風強


3年は毎日スキッパーをしているので、夏合宿も終わりかけると


船のコントロールは慣れたもの


練習をしていると、風はますます強くなる


順風強から強風になり、更に海も波立つ


館山の海は湾で囲まれているから、湘南のようなうねりは


滅多に発生しないのだが、それに近い波が立つ


そうなると、3年でもコントロールが難しくなる


ましてや、スキッパーの経験の浅い2年はもう沈だらけ


※ヨットが風に倒されて、セールが海面に着いた状態を沈という


 マストが90度傾いた状態だ


 船自体は浮力があるので、沈むことはない


 沈没はしないのだ


 この状態から反対に突き出たセンターボードにスキッパーが乗り


 テコの原理で船を起こす


 沈から起こしても、コックピットの中は水だらけなのだ


 船のそこにベーラーというベンみたいのを開け、アビームで走ると


 そこから気圧の差でコックピットの海水が抜けていく


 これが正しい沈の処理


沈を起こす、マストの先が海面から離れる


そこに空気が入る、あとはその風を入れながらセールが起き上がる


完全に上に上がる前に、スキッパーはセンターボードから


コックピットに乗り移り、セールが逆に行かないようにヒールを保つ


ところが、沈の処理も不慣れな2年


センターボードに乗って、セールが上がる


そのままセンターボードからずり落ち、セールが自分めがけて


飛んでくる


逆沈だ


これを何回か繰り返すと体力が奪われ、起こすこともままならない


すると、逆沈からのコックピットが自分の上に覆いかぶさる


マストがしたに向き完沈の状態になる


こうなると、一回海面に潜り、逆サイドのデッキに出ないといけない


で、船の底に乗り、センターボードを引き上げる


このセンターボードはジェラルミンで出来ているから重い


おまけにセーリンググローブが合皮なので、センターボードが滑る


完沈した2年は徐々に海岸に近づく


この状態では、3年も自分の船を守るのに精一杯


本部船は、近くで指示を出すが、2年のスキッパーはもう力尽きている


助けにも出れない


館山の海は、遠浅


マストの高さは凡そ4m


ガーーーーン!


ボキッ!


やっちまった


波に上下する船は浅瀬に達し、マストが海底に突き刺さり


波の勢いで下がった瞬間にボキッと折れた


これがデスマスト


こうなるともう帆走もできない


スキッパーとクルーを本部船に収容し


船の舳先にロープをもやい


本部船で曳航する


岸近くまで引っ張り上げ、船を表にする


シャックルキーでシャックルを外し


マストを本体から外す


マストは1本10万くらいしたかな?


そう毎回あるわけではないが、年に2、3回はデスマストがある


会計係の武は頭を抱える