さてさて、どこまで話したかな。
タイミングを逃し、夏合宿も終わってもうた。
武の秋合宿じゃ。
幹部となった武。
合宿所は、大浜。
鎌倉というより逗子やな。
海岸べりの一戸建ての二階を合宿所として借りることになる。
大家さんは神経質なおばさんだ。
湘南の秋の風は南からの強い風と、強いうねり。
うねりは波とは違う。
波は表面的なことであり、うねりは海面が持ち上がる作用。
この波とうねりが同じ周期ならいいのだが、
場合によっては逆になることがある。
うねりは沖から、波は浜からとかね。
なので、セーリングをするのに、テクニックが必要。
大学3年で幹部になった我々は、レースに望むことになる。
インカレ、インターハイは高校ね、インカレはインターカレッジ
大学の体育会系のレースだ。
ヨットのメッカと言われる葉山近辺にそれぞれの大学が合宿を貼る。
それぞれ、一戸建ての家のどこかを仮住まいとして、
合宿を張るのだ。
決して豪華で優美なものではない。
ジャージ姿に、砂にまみれた頭。
浜乞食といっても過言ではない姿。
でも、心は海に向かう。
インカレでトップ取ったんねん。的な。
スタート方式が前のとしから変更された。
従来は、海に一定のラインを引き、
そこを秒読みと同時に、スタートを切る方式、
これは風の高さによって不公平が生まれるのだが、
それも戦略。
で、新しい方式は、パスファインダーという一艇のヨットが道を引き
その後ろをスタートラインとする方式だ。
で、秋のインカレ。
強豪は、日関明中だ。
日大、関東学院、明治、中央。
彼らは文系で、セレクションでヨット部出身を集めいている。
高校からヨットをやっている連中だ。
海の上で生活してきたようなやつら、
オヤジは漁師、みたいな。
そんなやつらに勝てるわけがない。
やつらは裸足だ。
手だけではなく、足でもシートを操る。
波や、風の見方も群を抜いている。
天然少年やな。
あ~!あっちからブロー来てるとかね。
丘に上がれば、普通の子やのに、
海に出れば、天然の才能を発揮する。
当然のことながら、日関明中の予想通りの結果。