右手でハンドルを握り、左手でアクセルを吹かす。
ブレーキはない。
バウが持ち上がる。
スクリュウが全開になると、海の水をまきこみ、スタン側が沈む。
なので、バウが持ち上がり、前が見えないくらい。
安定したスピードになると、バウが下がり、前方が見える。
ハンドル操作は右手のみ。
右舷、落水~!
右にハンドルを切る。
落水者を右に回り込み、風下から救助する。
右に面舵いっぱいを切ると、スピードの惰性で廻り込む。
秋合宿も終わり、学業に専念する傍ら、4級取っとけよの指示。
4級船舶操縦士の資格を取れということなのだ。
今では、資格のジャンルも変わったけど、昔は、4級は、
排水量5t、沿岸から5マイルまでのエンジン付き小型船舶の資格
なのだ。
ヨットに伴走するエンジン付きの和船でも資格がいる。
資格を持ってなくて、和船が海上保安庁に捕まったケースもある。
そうなると、大会の出場資格がはく奪された、ということも過去にあり、
何名かは資格を取っておかないといけない。
当時、資格を取るのに、10万はしたかな。
だけど、先輩のコネで、格安の指導員を紹介してもらい、更にクラブから
半額の補助が出るから、1/4くらいのお値段で資格が取れる。
鬼頭、増森と横浜に。
横浜港は、山下公園にほど近い。
坂の上には外人墓地、海の見える丘公園。
ユーミンの歌が聞こえてきそう。
記憶は定かではないのだが、半日の実技講習を受けて、
後はペーパー試験を受ければ即日公布。
海の原付と呼ばれていたから、そう難しくはない。
横浜港の海の色は茶色。
数々の工場からの排水で、海の色ではなくなっている。
工業用水。
4t未満のモーターボートが実技練習の船だ。
桟橋に着けてあるモーターボートを指導員の指導のもとに操作する。
後方離岸。
桟橋に真横に付けてあるモータボート。
ハンドルをちょっと左に切り、エンジンを軽くふかす。
お尻の方から、45度に離岸していく。
前方離岸。
それとは逆に、右にハンドルを切り、前方から離岸。
湾内は基本、徐行。
誰が泳いでいるかもわからないからね。
ちょっと沖に出て、練習となる。
さー代わって。
3人が練習することになる。
止まっている状態から、左手のアクセルを吹かす。
バウ(船首)が思いっきり持ち上がる。前は見えない。
30度くらいの角度だ。
回転が安定してくると、バウが下がり、最高のマリンスポーツ。
ヒャッホーっ!
海の上を飛ぶといった表現が正しいかもしれない。
海に着いているのはエンジン部分のみ。
きもちえ~!
右舷落水!
右にハンドルを切ると共にアクセルレバーを戻す。
スクリュウの回転が止まり、落水を想定した浮わを遠巻きに。
水上での救助は、風下からが基本。
風上から救助すると、船が遭難者に勢いよくぶつかるからね。
講習というなのモーターボートの試し乗り。
最後は、着岸。
これも、前方着岸。後方着岸を習う。
基本は、45度のアプローチとスピード加減。
着く直前にアクセルを戻す。
車でも同じかな。
止まる寸前にブレーキを離すと、心地よい止まりになる。
マイナスの加速度。
で、後は筆記試験。
漁師の人も取るような問題だから、そんなに難しくはない。
灯台の光り方とか、船に着いているランプ。
緑と赤。赤がredなので、rightの右と覚える。rが同じだからね。
暗闇で、緑と赤の光が近づく。
赤い方が右の船だ、だからこっち来てる、とかね。
当時、一回取れば一生ものだった免許が、私の取る数年前から
5年期限になり、今では失効。
今あれば、モーターバイク乗れたのにね。残念。