今日は2月3日節分だが、韓国では旧暦の1月1日、韓国語でソルと呼ばれる正月で、民族の大名節である。

韓国では新正月は、1月1日だけが休日で、あまり特別な日ではない。日本にあるような年末・大晦日・正月・三箇日・・そういう特別なイベント的雰囲気は全くない。普通に日常が流れていく中で、普通の休みの日に過ぎないのだ。

日本人的には、あの日本のノリが懐かしい。皆個人的にNHKのワールドプレミアムと呼ばれる国際放送で紅白歌合戦を見たりするらしい。

私の知りうる一般的な、韓国人のソルは以下のように過ごす。

前日、前々日当たりから嫁たちが夫の実家に集まってくる。
ソルの時の茶禮と呼ばれる先祖を祭る儀式の準備、食事の準備をするためだ。
茶禮というのは、低い食卓に沢山の食べ物を並べて、その前で先祖(普通は亡くなったおじいさんおばあさんとか親とかが対象)に挨拶をして、お酒を注いで供え、それから家族の朝食が始まる。供え物と朝食のおかずはよく兼用されたりする。
だから、茶禮の準備というのは、食事の準備で、市場に買い出しに行く。
それでも手間のかかる韓国家庭的ごちそうを準備しなければならないので、お嫁さんたちは大変である。最近はどんどんと簡易化されていくのだが。

そしてソル前日の夜から家族が集まってくる。準備したおかずが早くも夕食には出てきたりする。そして食べたり飲んだり状態が始まる。花札が始まったり、若い衆は夜にカラオケに出て行ったり。

次の日は、早く起きて茶禮となる。そして朝食。そのあとはお墓参り。
その後、家族の団らんが続き、食べたり飲んだり、ごろごろ寝たりみたいな・・
そして皆が帰っていく。奥さん側の両親に挨拶に行くため早めに戦線離脱する場合もある。

茶禮なんかでは韓国の民族衣装を着たりもする。
家族がクリスチャンの場合は、先祖崇拝を否定するキリスト教式になってしまって、茶禮が祈祷会みたいになってしまう場合もあり、家族全員の同意がなかった場合、微妙な葛藤の原因になったりする場合もある。茶禮は元々儒教式なのだ。

私はずっと妻の実家の茶禮につきあってきた。
実際に儒教式がキリスト教式に変わっていく過程も見守ってきた。

この茶禮を中心とした家族的イベントは、なかなか忙しい現代社会にはそぐわないので、簡易化したり崩壊したりしているようだ。日本のように、この期間に家族で海外旅行を楽しむ人も増えてきている。

で、この日に連続ドラマを見ると必ずドラマ上のカレンダーも旧正月のソルとなり、出演者たちのそれぞれの家庭での茶禮の姿が映し出されている。宗教の問題はさすがにタブーなので、ドラマではキリスト教式の過ごし方や宗教的葛藤は描かれてはいない。ただ、茶禮を中心とした家族の変化や葛藤は描かれていたりする。

それとソルというと忘れてはならないのが、韓国お雑煮とも表現したいトッククという朝鮮餅スープが食べれることだ。マンドゥ(饅頭)と呼ばれる餃子が入っている場合もある。これは美味しい。辛くないので日本人にも食べやすい美味しさなのだ。
食堂に行けば、正月のみならず普通の日にも食べられるので、韓国旅行をする機会には一度召し上がっていただきたい。

$私の韓国レポート、Amebaバージョン

韓国のお墓は明るくてお墓参りはピクニックに来たようだ

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