時々、治療中に
「年を取るのが怖い」
という話題が出ることがあります。
もっぱら、若くて可愛い女性からなのですが…。
20代後半~30代後半くらいで、「30てやばくね??」みたいな。
あと、妊活を始めて、年齢をものすごく意識するようになった、とか。
私ね、男性が「若い女性が好き」というのは別にいいんですよ。
だってどうにもならないし(笑)
でも女性自身が「若い女性の方がいい」と思ってるのって、悲しいなぁ。
自分が放つ言葉はブーメラン。若い時に、
年上の女性を「ババア」と思って過ごしてきた女性は、
自分がその年齢になった時、かつて自分が向けた刃を受ける事になります。(-。-;)
不妊治療や、更年期障害において、
こういった女性自身の女性観が精神的に及ぼす影響は、
少なくないと私は思っています。
身体の辛さに加えて、更に
「役割のない、若さを無くした女性になる恐怖」が、
のしかかってきて、一層女性を苦しめている。
妻でもなく、母でもなく、祖母でもない、
「ただの年を重ねた女性」を素晴らしいと思える女性観が、日本ではあまりない気がしますしね。
特に、更年期障害においては、日本は欧米に比べて
精神症状(イライラ、抑うつ)のウエイトがとても大きいそうです。
その辺りもこういった女性観が関係しているかもしれません。
でもね、もし30歳で女終わったと感じるとしたら、
残り50年「終わった人生」を生きるってことなんですよね…。
女として終わっても、うまく母にスライド出来たとしましょう。
でも子育てが終わったら、「何でもないただの自分」が待っている。
頑張って生きてきて、築き上げたその自分を、
「もう価値がない」と思ってしまうとしたら…。
それってどれだけ辛い事でしょうか?
そりゃあ鬱にもなりますよ…。
年を重ねた女性を、若い頃に
「素晴らしい、カッコいい、美しい」と心底敬っていたなら、
自分が年を重ねるのもそこまでの恐怖ではないはずです。
だから、女性が、女性をバカにするのはやめましょ?
女性が若さと、子供産むしか価値のない存在だなんて、
女性自身が思ってどうするの。
それは女性は人間じゃないって言ってるのと同じなんですよ。
私がラッキーだったのは、めちゃくちゃ素敵な年上の女性に
沢山出会ってこれたこと。
90代で、「あの綺麗な人はだれ?」と振り返られる人とか。
還暦過ぎても、パワフルに新しい事に挑戦していくカッコ良い人とか。
そうした出会いは、私の「美しさ」の概念を変えてくれました。
この仕事においては「若さ=未熟さ」でしたし、
10代・20代にそんなにいい思いをしなかったので、
私はわりと年齢に固執がない方です。
若いうちから、素敵な年上の女性を、もっと見ましょ。
カッコ良く、生き抜いてきた先輩達を敬いましょう。
それって、素敵な王子様との出会いと同じくらい、
もしかしたら女性を輝かせてくれるかもしれません(^^)