- ママだって、人間/河出書房新社
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可愛い絵柄の出産マンガ、てなものを想像すると、ビックリします。
可愛げゼロ、どこまでもリアルな妊娠と出産ドキュメント。
私がこのマンガが好きなのは、妊娠出産をお花畑のような、
無条件でハッピーな出来事として書いていないから。
私が妊活中の方の鍼灸治療で、ゴールに設定していることは、
「妊娠」ではなく、「育児」です。
だから、「身体づくり」という言葉を多用しています。
妊娠率UPのための鍼灸、という表現では足りないから。
妊娠がゴールではなく、育児を見据えた、身体づくりがいるんです。
妊活中の方は、どうしても思考が「妊娠」で止まってしまいがち。
その後のことって、未知の領域で、想像しにくいですからね。
だから、妊娠した途端に養生をやめてしまう人もいらっしゃいます。
妊娠すればOK、あとはベルトコンベヤに乗るみたいにいくだろう、と。
いやいや、妊娠すると、2人分の身体になって燃費が変わるから、
妊娠前より疲れやすくなるし、出産後は体力の消耗が酷いから、
より養生が必要なんですよ!
だから、うちでもマタニティと産後のメニューを設けています。
「こんなに待ち望んでいた赤ちゃんのためなら、育児頑張れちゃう♪」
そんな気持ちでいることは、不安でいるよりはいいとは思います。
でも、危ういのは、女性自身が「母性」を頼りにしていないか、ということ。
「産めば、可愛い赤ちゃんのために、
どこからかパワーがむくむく湧き出てくるはず!」
と期待しすぎていないか、ということ。
疲れている時に、母性なんて湧いてきませんよ
母性、というか、人への優しさは、元気あってこそのもの。
だから、今から疲れを溜めてるような身体なのに、
子供が出来たら、元気モリモリに大変身、なんて事あるかな?
「どんな時でも、子供を最優先にして、無限の愛で包むのが母性」
そんな、世間の母性信仰を、自分自身が内在化していると、
しんどい時に、人に頼れず出来ない自分を責めて、ママも赤ちゃんも辛くなっちゃうよ。
妊娠しても、出産しても、あなたはあなた。
大きな出来事ではあるけど、心も身体も根っこの部分は、変わらない。
母としての未来も、今のあなたと地続きでしかないから。
その根っこの部分、すなわちリアルな自分自身に向き合って、労わる。
そんな身体づくりが、妊活でも、産後でも、子供がいなくても、
女性の人生には絶対に必要だと思っています。
久々に、お勧めの本をご紹介します。