今日は前回に引き続き、サルでも解る東洋医学です。
第一回はこちら→サルでも解るカンタン東洋医学～虚実その１～
さて、前回のおさらいとしては、
正気（抵抗力・味方の兵士）が少ない＝虚の病と
邪気（発病因子・敵軍）が強い＝実の病
ということについてお話ししましたね。
今回は、虚・実の治療・養生法についてです。
「虚」の治療・養生法
虚に対する治療とは、正気を高めること。
すなわち味方の兵士を元気にすること。
エネルギーを与える治療で、基本はソフトなものになります。
十分な栄養、休養、体力の温存が基本方針です。
治療や養生の効果の現れ方は、どちらかと言えばゆるやか。
一回の治療で劇的に良くなったり、○○を試したとたん、
今までの苦痛が嘘のように良くなる、という変化はしにくく、
徐々に楽になっていく事が多いです。
スケジュールを減らす、睡眠時間を十分に取る、疲れたら横になる、
動き過ぎない、食事をしっかり取る、人に合わせて頑張らない…
これらが、虚の方にとっての立派な養生法です。
虚の人が断食しちゃったり、激しいエクササイズなんかをすると、
ただでさえ少ない味方の兵士を痛めつけてしまい、余計しんどくなります。
長風呂やサウナ、岩盤浴で疲れるのも主に虚の人。
虚の人は、運動するならヨガや散歩程度で十分だし、
長風呂よりは足湯の方が心地よさを感じるはずです。
「人が楽しそうに運動していて、勧められたものだから、
自分もやってみたけど、辛くて…」という人。
あなたに根性がないのではなく、体質の問題かもしれませんよ。
虚は「不足の病」で消耗しているので、「補い与える」ことが大切なんです。
「実」の治療法
対して実に対する治療は、邪を取り去ること。敵への攻撃です。
治療もややハードなものでもOK。
食べ物を節制したり、体外に悪いものを流し去るようにします。
「実」の人は、治療や養生の効果が、劇的なこともしばしば。
一回で嘘のように楽になったり、憑き物が落ちるような変化も起きやすい。
「スッキリ」や「軽くなった」という体感が多いです。
マラソン始めて人生変わった、とか、
断食道場で身体が軽くなった、とかいうのは、
大体が「実」体質の方に見られることですね。
長時間、温泉やサウナに入るのが好きな人も、実の場合が多い。
実の人は、食事や水を節制したり、運動して汗をかいたりすると
余計なもの（敵軍）が減るのでスッキリしちゃうんです。
逆に、何もしないで寝ていても、疲れが取れず楽になってくれません。
休日ゴロゴロ暴飲暴食で過ごしたら、月曜日余計にしんどい…なんて事になるので、
実の人は、動いたり、お腹を空かせたり、汗をかいた方が
身体が軽くなって楽になります。
実は「過剰の病」ですから、「流し、取り去る」ことが大切です。
さて、虚か実かというのは、一見とても大雑把なくくりに思えます。
ですが、とても大切な視点なんですよ
なぜなら、心掛けなければいけない事が、「真反対」だから。
巷の健康法というのは、この虚実がごちゃごちゃなので、
真反対の事を実践して、余計に身体が悪くなるという事が起こるのです。
特に虚の人が、実向けの健康法をすると、
本当に具合が悪くなるので気を付けなければいけませんよ
次回に続きま～す
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