Arμ-2「Backward Decision for Kid Fresino」 | Rotten Apple

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[Japan,HipHop]

01.…1…2…1…Enter
02.Radio Frequency On ISSUGI
03.The BlueMan
04.one's lessons
05.Kuwait Bridge
06.PERPETUAL
07.What's goin on
08.Brother
09.Keep Rollin'
10.Leave It To Me
11.You don't care about me at all


OIL WORKSからアルバムをリリースするなど高い評価を得ている東京のトラックメイカーArμ-2(アルツー)と、Fla$hBackSとしてもソロとしても昨年の年間ベストアルバムレースに名を連ねたKid Fresinoのジョイントアルバム。このアルバムも恐らくSIMI LAB「Page2:Mind Over Matter」と並び、今年を代表する一枚として残されていくと思います。

ジャジーヒップホップやフューチャー系ビーツの流れを汲んだ多彩なトラックに、華のある感覚的なかっこよさを乗せるラップ。Kid Fresinoはどんなトラックでも合わすことが出来るけれど、その分色が薄く冗長的に感じてしまうように思えますが、Arμ-2の多彩なトラックによってその冗長さが解消され、まさに現行シーン最先端の才能のぶつかり合いという構図が存分に発揮されています。

レイドバックしたトラックが並ぶ序盤から、それまでの空気を一変させる民族音楽的なKuwait Bridge、ドリーミーなPERPETUAL、個人的にベストトラックのChampion然としたBrotherでクライマックスを迎えます。さらにMVになっているメロウなKeep Rollin'と続き、90年代を彷彿とさせるような余韻に浸らせるアウトロYou don't care about me at allでアルバムを締めます。
短い曲を挟みどの曲を聞いているかを意識させずにアルバムというパッケージを楽しませる構成に加え、30分というコンパクトなサイズにArμ-2とKid Fresino両者の魅力が存分に詰め込まれた素晴らしい一枚でした。

このシーンの最前線はここ数年AKLOとSALUだったはずがいつの間にかその位置はFla$hBackSのものになっていました。D.Lに"ここ10年でナンバーワンの日本語ヒップホップアルバム"だと言わせたFebbに続き本作、そして6月にはjjjのリリースも控えるなど今年も彼らがシーンを掻き回すのを楽しみたいと思います。