花澤香菜「25」 | Rotten Apple

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[Japan,JPop]

-DISC1-
01.バースデイ
02.25 Hours a Day
03.Brand New Days
04.恋する惑星
05.マラソン
06.YESTERDAY BOYFRIEND
07.無邪気なキミと真夏のメロディ
08.Make a Difference
09.旅立つ彼女と古い背表紙
10.Summer Sunset
11.同心円上のディスタンス
12.flattery?
13.Waltz for Praha

-DISC2-
01.片思いが世界を救う
02.ダエンケイ
03.パパ、アイ・ラブ・ユー!!
04.Eeny, meeny, miny, moe
05.粉雪
06.Young Oh! Oh!
07.曖昧な世界
08.真夜中の秘密会議
09.Merry Go Round
10.last contrast
11.花びら
12.Good Conversation


90年代リバイバルの流れが止まらないですね。特に渋谷系やシティ・ポップと呼ばれるジャンルはそれが際立っていると思います。個人的にはtofubeatsの水星やTomato n'Pine辺りがきっかけだったのかなくらいしかわからないんですが、花澤香菜の前作「claire」も声優×渋谷系ということで印象的なリリースだったようです。

そのアルバムに続く本作は引き続き渋谷系ユニットROUND TABLEの北川勝利がトータルプロデュース。そしてクラムボン、Base Ball Bear、カジヒデキ、NONA REEVES、Cymbals、古川本舗といった製作陣の顔ぶれを見れば、いくらアニメや声優に興味がないとしても彼女の名前を耳にするのは時間の問題だったと思います。
彼女の25歳の誕生日に合わせて25曲入りの2枚組アルバムを製作というコンセプトですが、このボリュームでこれだけのクオリティを保つのかと思わされるほど珠玉のポップソングが詰め込まれています。


歳を重ねていくことへの想いを短く綴るバースデイ~サビのコーラスがたまらない25 Hours a Dayという序盤の2曲だけでもこれは良いアルバムだと確信出来ますね。
Kawaiiラップとボイスパーカッションが特徴的なBrand New Daysはあざといと思いつつもおれ氏の心鷲掴み。先行シングルの恋する惑星や、クラムボンmitoによるNEW WAVEテイストなMake a Differenceに、終始ドリーミーなポップさが弾ける旅立つ彼女と古い背表紙、ヨーロッパの昼下がり的な空気が漂うWaltz for PrahaなどなどDISC1は隙がありませんでしたね。

DISC2に入るとこのボリュームなのでやや重たく感じるところもありましたがそれでも佳曲が並びます。ふわりと包み込むようなコーラスが心地よいダエンケイにガールズロックなYoung Oh! Oh!、Base Ball Bear小出祐介によるlast contrastも他と毛色が異なり良かったです。
卒業シーズンにピッタリな花びらでは終盤で西加奈子「さくら」の朗読を入れてきています。歌と声を落とし込む構成は声優だからこそ出来る、というか声めっちゃかわいいですね。いや声めっちゃかわいいですね。


とても素晴らしいアルバムなんですが何故か聞いた後に残るのは序章っぽさなんです。これからもっと声優やJ-POPアーティストの中から素晴らしい音源が出てくることを予感させます。90年代リバイバル、J-POP再評価の流れをしばらく楽しみましょう。




せーのっ♪