クライアントのほとんどが外資系企業なので、事務所で使っている会計ソフトも、日本のものに加えアメリカのものも常用しています。
今日はそのアメリカの会計ソフトについて、一つご紹介してみたいと思います。


日本と同じく米国でも、会計ソフトはメジャーなものから、高額でカスタマイズ用のものなどたくさんの種類がありますが、日本と比べ既に小数に絞られて来ているようです。

その中でも一番ポピュラーで知られているものが、Intuit(インテュイット)社のQuickBooks(クイックブックス)です。

HP[ http://www.quickbooks.com ]
今私のいる事務所も、米国本社のリクエスト等でこのソフトで仕訳を切り財務諸表を作成しているところが一番多いです。


以前からこの業界にいらっしゃる方々はご存知かと思いますが、このソフト、日本でも「クイックブックス」とカタカナそのままの名前で、日本語版が販売されていました。
実はあの「弥生会計」を販売している現弥生株式会社が、その昔、まだ全然違う社名だった頃、米国のIntuit社と提携し、社名も「インテュイット株式会社」として「弥生会計」と「日本語版クイックブックス」を販売していたのでした。


その後2003年、米国インテュイット社から分離独立し、社名も自らの扱う弥生会計に合わせ弥生株式会社とし、その翌年、ライブドアに買収されたのは当時のニュースの通りです。


英語と日本語という言語の障壁を除くと、この米国のQuickBooksというソフトは、会社の経理・財務諸表作成だけでなく、日本だと別途高額なソフトを別に購入するか独自にシステム作成しなければならないような色々な事務処理機能や個別設定が可能であり、会計ソフトにおける日米格差を見せ付けられます。


ERPソフトも欧米のものがグローバルスタンダードとなっている現在、国内の会計ソフトくらいは海外に負けない独自性で頑張ってほしいと思います。

私のいる事務所では、現在約9割くらいのクライアントが外資系企業という形で、現在の私の担当は全て、100%外資の日本法人の企業となっています。


なので、一般的に目にする国内の会計事務所、街中の税理士事務所さんなどと多少業務のかかわり方も違っているのかも知れませんが、初めて業務をはじめてみて驚いたのが、お客さんとのコミニケーションが少ないことです。


契約の紹介や毎月の財務諸表の報告等は、ほとんど、海外本社の財務担当者とメールや電話でやり取りする形となっていることもあり、国内にある本来相談相手となるべき子会社とは、経費関係資料等のやり取りがメインで、直接お会いして経営について語り合う、といったことがあまりありません。


申告書の作成なんて、お客さんへの説明やアドバイスなども無く、作るだけ作って高額な料金を戴いてしまっています。(実際の作業時間ベースでいくと、簡単な申告書だと一時間あたり5万以上といった感じです)

海外の親会社は、それが普通と思っているのか、税金や申告書代筆する所へ払うお金はそれ自体税金のような必要経費と思ってしまっているのか、料金やサービスに関して何も文句もリクエストもありません。

(海外なので、物理的にも精神的にも離れすぎているからでしょうか。)


会計事務所自体としては、それでお金をたくさんもらえるのならこのままでいいのでしょうけれど、そこで働く側としては、「お客さん可哀相。。」と思えてなりません。。


巷では“顧客満足度の向上”やCRM構築等にやっきになり、何でもお客さんの課題解決を目指す世の中、会計事務所は「別世界」で生きているかのようです。

けれど世界も日本も業界も、今はボーダレス。単に税金の申告書作成を代行するだけの「代書屋」では、いずれ業界内外からの競争変化が入り、「別世界」だけで安穏と生きてはいけなくなるはず。料金に見合ったサービスを提供せねば・・。


チャレンジングな業界になっていきそうで、業界新参者にとっては面白くなりそうです(笑)

大企業のエリート部長から、日本では名も知られていない外資系ベンチャー企業の経営者へと破格の報酬で迎え入れられた社長との初顔合わせ終了後、一緒に同席していた私の上司がこう私に言いました。


「うーん、彼はちょっと給料高すぎるから、あまり社長って感じもしないし一年以内ですぐクビになっちゃうだろうねえ(笑)。」


意外な言葉に、自分はちょっとびっくりしてしまいました。
確かに彼の契約年俸は、3千数百万と普通のサラリーマンが手にできないような高報酬です。
私も素直に「うわー、すごい」と驚き、うらやましいと思います。けれどもまた、同じように、「新しい挑戦に本当に頑張って欲しい。」と自分が応援できることに、素直にワクワクしていました。


長年会計事務所で何人もの経営者にお会いし、常に第三者的に見る目が育ってしまっていると、そういう様な、新任社長の夢とか期待とか関係なく、感想をもててしまえるようになるのでしょうか。。。


自分が新任社長だったら、「すぐダメになるよ(笑)」なんて会計事務所に陰で言われていると知ったら、仕方なく付き合う(金を出してくれる)ベンチャーキャピタルならいざ知らず、即刻付き合い止めちゃうんじゃないかと思います。


社内ではそんな寂しい発見もありますが、やっぱりベンチャー企業の「これから設立!頑張るぞっ。」って感じの方に会うと、こっちも元気をもらえます。
お客さんに喜びを感じながら、仕事していきたいですね。

私が初めて担当となった、昨年新設されたばかりの外資系ベンチャー企業の社長に就任したクライアントさんが挨拶に来て下さった時のことです。


「色々初めてのことばかりで、会社を替わるって大変ですね(苦笑)」


日本を代表する電機メーカーのサラリーマン部長から、心機一転50代で外資系企業の経営者に転進した彼が言う。何でも整った上場企業から、これから全てを創り上げなければならないベンチャー企業に臨む心中を察し、素直に共感しぜひ成功してほしいと思います。


「続けていればそのまま部長から役員っていう道もまだあったかと思うと、今回の転職はリスクがあってどうかと思ったんだけれど。。(笑)」


まだ未練が不安を飛ばしきれていない感があるのかも知れないけれど、彼も数ヶ月経てば、会社経営の重責の渦中でそんな杞憂は忘れ去っていることでしょう。

けれど、彼の社長就任の契約年俸は年収約3,000万円。とっても「リスク」を感じて思いとどまるのを翻すに十分な報酬金額でした。

思うに「ベンチャー」って、金銭の多寡に関係なく、自分の感じるミッションなどといったもののために身を投入するものと思います。

普通の大多数の脱サラ社長さんは、自己資金でお金をかき集め会社を設立し、収益の見込みもしばらくは自分が食べていくだけも得られず我慢の時を過ごすすごいリスクを背負っているものです。

それを、設立費用は外国親会社負担、年収は会社の利益にかかわらず3,000万円もらえる、これって他の裸一貫ベンチャー企業の社長に言わせたら、「リスク」でも何でも無いって言われそうです。

自分も以前、ベンチャー企業を倒産させ、出資金額も戻らず給与も返上といった体験をしているだけに、一般サラリーマンが考える「リスク」と、志だけでリスクをカバーする非リーマンとの考え方の違いにビビッドしたものでした。


けど年収数千万、ちょっとうらやましいかも。。

街中に「冷し中華始めました!」の看板が多くなるにつられたのか、ブログ始めたしだいです。


どっぷりとこれから夏の暑さにつかってしまい、これまで培ってきた「常識」が溶けちゃったりしないよう、初めて体感するいち会計事務所での新鮮な出来事を綴って行きたいと思います。