もう20年前くらいだろうか? 渓流釣りに凝ったことがあった。毎週末、かなり遠くまで友人と出かけた。雑誌に良く釣れる渓谷がが出ていた。早速二人で行ってみた。かなり山奥の渓谷である。途中、上半身裸になって体に何か塗っていた。真夏のことだ。日焼け止めかと思った。釣れそうな場所を見つけ谷底まで山道を歩いて降りた。かなり深く30分程はかかっただろう。下に降りて二人で釣りの準備を始めた。少ししてお互いの顔に黒いものが所々に付いている事に気付いた。よく見ると山ビルだった。山の日の当たらないじめっとした木に住んでいて上から落ちてくるらしい。お互いに顔のヒルを取り合った。シャツの下を見ると体にも付いている。驚いた二人は走る様にして谷を抜け出し近くの露天風呂に入った。まだ体にいくつかのヒルが残っていた。途中で見かけた人は石鹸水を塗っていたようだ。あとで聞いた話だが石鹸水を塗るとヒルが吸いつかないらしい。その後今日までそこには行っていない。