ツーリングの楽しみは、景色でもあり飯でもありワインディングでもある。

だが今回は、それらにもうひとつ要素を加えてみた。

 

「行き先を誰にも教えない。」

 

先日、友人と会社の後輩を連れ、完全ミステリーツアー形式のツーリングを決行した。

参加者に伝えたのは集合場所と時間だけ。

「どこへ行くんですか?」

その質問にも、

「着けば分かる。」

それだけである。

 

まずは熊谷でひと休み

 

 

埼玉を出発し、まずは熊谷あたりで休憩。

目的地を知らない2人は、「北に向かってるから...?」などと予想を始める。

もちろん答えは教えない。

 

前橋赤城鮮魚センターで昼飯調達

 
 

最初の目的地は道の駅まえばし赤城

 

ここには前橋赤城鮮魚センターが併設されており、新鮮な海鮮や寿司、惣菜などが並んでいる。

ここで昼飯を調達。

 

 

 

ネタがこれでもかと詰め込まれた海鮮丼とお寿司数巻をチョイス

同行者も同じように海鮮丼や寿司を購入し、そのまま道の駅のフードコートでいただいた。

 

これがかなり当たりだった。

ボリュームがあるのに価格は手頃で、味も大満足。

ツーリング中の昼飯としては文句なしで、「またここで食べたい」と思ったほど。

 

榛名山へ。そして頭文字Dの世界

 

昼食を終え、さらにバイクを走らせる。

目的地は榛名山

 

ワインディングを気持ちよく走り、そのまま榛名湖へ向かう。

この辺りは『頭文字D』の舞台として有名な場所。

作品を知っている人なら、一度は走ってみたいと思う場所ではないだろうか。

 

榛名湖に到着すると、山に囲まれた景色が広がり、思わずバイクを停めてしばらく眺めてしまった。

 

 

伊香保温泉へ引き返す

 

実は榛名湖へ向かう途中、伊香保温泉の石段街前を通過していた。

榛名湖を後にして再び伊香保へ。

まず向かったのは、有名な伊香保露天風呂。

 

 

ここで一汗流すとする。

 

湯に浸かった瞬間、何よりも先に気になったのは、その匂いだった。

 

「10円玉みたいな匂いがする。」

 

鉄分なのか温泉成分なのかは分からないが、今まで入った温泉では嗅いだことのない独特な香り。

不快というわけではない。

 

印象に残る温泉だった。

 

石段街は思った以上にハード

 

温泉を満喫したあとは、伊香保の石段街を散策。

 

 

 

 

レトロな建物や土産物店が並び、歩いているだけでも楽しい。

 

 

 

 

……とはいえ、その前に待ち構えているのが石段である。

 

登っても登っても終わらない。

 

途中から景色を楽しむ余裕はなく、「あと何段あるんだ」と考えながらひたすら登る。

 

それでも頂上まで登り切ると達成感はなかなかのものだった。

 

 

歩き回って暑くなったところで、あずき氷を注文。

 

 

 

 

冷たい氷と甘いあずきが疲れた体によく効く。

 

あのタイミングで食べたからこそ、よりおいしく感じたのかもしれない。

 

 

意外と近かった群馬

 

今回は行きも帰りも高速道路は使わず、すべて下道。

 

それでも、「伊香保って意外と近いな」というのが率直な感想だった。

 

榛名山のワインディングを楽しみ、榛名湖を眺め、温泉に入って石段街を歩き、美味しい昼飯を食べる。

一日でこれだけ楽しめるなら、満足度はかなり高い。

 

 

もし誰かに「群馬ツーリングのおすすめコースは?」と聞かれたら、私は迷わず今回のルートを勧める。

 

榛名山を走って、榛名湖へ寄って、伊香保温泉でひと風呂浴びて、石段街を歩く。

 

それだけでも十分満足できるコースだ。

 

 

ただし、一つだけ条件がある。

 

一緒に走る人には、行き先を最後まで教えないこと。

 

意外と、そのほうが面白い。

 

 

 

 

先日、友人から「軽く走らない?」と連絡が来た。

 

ライダーの言う「軽く」は信用してはいけない。

 

軽くと言いながら、平気で100km、200kmと走るからだ。

今回も例に漏れず、昼過ぎに集合したにもかかわらず、気が付けば高速に乗って神奈川方面へ向かっていた。

 

ライダーの定番スポット「オギノパン」へ

 

 

最初の目的地はオギノパン。

ライダーなら一度は訪れたことがある人も多いんじゃないだろうか。

ここに来たら、やっぱりあげぱんである。

 

売り場には、あげぱんがずらりと並んでいる。

その光景を見ただけで、なんだか懐かしい気持ちになった。

学校給食でよく出てきた、あのあげぱんそのものだからだ。

 

「あ、今日あげぱんの日じゃん!」

 

子どもの頃は、そんなことでテンションが上がった記憶がある。

そして三十路を過ぎた今も、やっぱりテンションが上がる。

人間の根っこの部分は、案外変わらないらしい。

 

そして一緒に買った大阿蘇牛乳。

これがまた合う。

「あげぱんと牛乳って最強だよな」

そんな話をしながら、あっという間に完食。

 

 

あげぱんだけでは満たされないお腹

 

そのまま宮ヶ瀬ダムへ向かう。

この辺りの道は適度にクネクネしていて、気持ちがいい。

そして到着。

 

 

ダムがデカい。とにかくデカい。

しばらく景色を眺めていたら、さっきあげぱんを食べたばかりなのに腹が減ってきた。

 

ということで、施設内のレストランでカレーを注文した。

 

 

これはカレーなのか、それとも修行なのか

 

一口目

「お、ちょっとスパイシー」

 

二口目

「あれ?」

 

三口目

「辛っ!」

 

 

 

 

いやいやいや。

思っていた辛さじゃない。

 

 

汗が噴き出す。

 

額から。

 

首から。

 

背中から。

 

止まらない。

 

 

隣を見ると、友人も黙って水を飲んでいる。

会話が消えた。店内に響くのはスプーンの音と、水を飲む音だけ。

 

周りから見たら、

「あの汗びっしょりの2人、何かの罰ゲームでもやってるのかな」

と思われても不思議ではなかったであろう。

 

 

汗だくの体を救ったのは、ダムの地下

 

激辛カレーを食べ終えたあとはダムの地下通路へ。

 

すると……

寒い。

いや、涼しいじゃない。

寒い。

地下へ降りた瞬間、空気がガラッと変わる。

 

さっきまで汗だくだった体が、一気に冷えていく。

 

「あぁ、生き返る……。」

 

自然とそんな言葉が出た。

激辛カレーのあとに地下通路。

この組み合わせは、案外おすすめかもしれない。

 

 

『DAM』の文字を見た瞬間、頭の中でカラオケが始まる

 

地下通路を歩いたあと、資料館へ。

 

そこで目に飛び込んできたのが、大きく書かれた『DAM』の文字。

 

……。

カラオケやん。

 

完全にあのDAMである。

「第一興商、こんなところにも手を広げたのか」

と、一瞬だけ本気で思ってしまった。

もちろん違う。

ダムの「DAM」である。

分かっている。

でも、友人と2人でしばらく笑ってしまった。

 

帰りは高速じゃなく、のんびり下道

 

帰りは高速には乗らず、下道を選んだ。

急ぐ理由もない。

今日あった出来事を思い出しながら、のんびり走る。

「あのカレー、ヤバかったな。」

「地下、めちゃくちゃ涼しかったな。」

そんな他愛もない話をしている道中も楽しい。

もちろん目的地へ向かっている時間も楽しい。

でも、帰り道のゆるい空気も、それ以上に好きだ。

気が付けばブルーシールの前に立っていた

 

そういえば、帰りの道中にブルーシールがあったな。

福生のイケてるアイス食おうぜ!

 

そんな一言で寄ることになった。

 

 

 

ツーリングの締めに食べるアイスって、なんでこんなにうまいんだろう。

激辛カレーに苦しめられたことなんて一瞬で吹き飛んだ。

 

 

あげぱんを食べて

ダムへ行って

激辛カレーで汗だくになって

地下通路で生き返って

『DAM』で笑って

最後はブルーシール

 

「軽く走ろう」の一言から始まった休日だったが、終わってみれば十分すぎるほど満喫した一日だった。

 

 

結局この日の思い出を一言でまとめるなら、

 

「宮ヶ瀬ダムのカレー、辛かった」

 

 

これに尽きる。

 

ツーリングに出た。

理由は特にない。

強いて言うならバイクに乗りたかったからだ。

ライダーの動機なんて大体そんなものである。

とりあえず目的地を黒山三滝に設定し、家を出た。


滝、意外と飽きない


黒山三滝に到着。

滝を見る。

しばらく見る。

さらに見る。

気付けば何分も見ている。

子供の頃なら3秒で飽きていたと思う。

年齢を重ねると滝で時間を潰せるようになるらしい。

人間とは不思議な生き物である。



 


イワナを見つけた人類は偉い


滝に向かう道中、売店の前を通った。

見るからにうまそうなイワナが焼かれていた。

「滝を見に行ってる間に焼き上げとくよ」と

ご年配のあばあちゃんに声をかけられた。


言うまでもなく、買うだろう。

焼かれているイワナを見て素通りできる人間がいるなら会ってみたい。

食べた。

うまかった。





奥武蔵グリーンラインを抜けて秩父方面へ


その後は毛呂山町の鎌北湖から秩父市の定峰峠付近まで続く奥武蔵グリーンラインを流しながら秩父へ。

事前に調べたときは「大型泣かせ」「路面注意」など不穏なワードが並んでいた。

「俺のバイクで本当に行けるのか?」

そんな不安を抱えながら突入したのだが、結論から言う。

全然いけた。

確かに路面の起伏が大きかったり路肩には落ち葉が溜まっており、気を遣う場所が多め。

しかし想像していたような修行コースではない。

ネットの評判にビビっていた数日前の自分に「大丈夫だから行け」と伝えてやりたいレベルだった。

 


道の駅あしがくぼ、今日もバイクだらけ


秩父方面へ来たので道の駅あしがくぼへ。

相変わらずバイクが多い。

平日だろうが休日だろうが、たくさんのライダーが集っている。

もしかすると夜中に種でも蒔いているのかもしれない。

そう思うレベルでバイクが集まっている。

しばらく休憩してから再出発。


東大門でわらじカツ


そして昼飯。

東大門へ。


注文したのはわらじカツ定食。

秩父へ来てわらじカツを食べるのは、もはや儀式みたいなものである。

運ばれてきたわらじカツはしっかりと大きい。

名前負けしていない。

さらに蕎麦まで付いてくる。

ありがたい。

そして普通にうまい。

食べ終わった頃には満足感がかなり高まっていた。


山伏峠から有馬ダムへ


腹ごなしも兼ねて山伏峠へ。

山伏峠へ入る。

景色がいい。

ワインディングも楽しい。

だが私の脳内に金谷という男が勝手にログインしてくる。

今年ここで刺さったからだ。

コーナーを見る。

金谷。

ガードレールを見る。

金谷。

路肩のひん曲がったフェンスを見る。

金谷。

そのせいで山伏峠を走っているのか、金谷の事故現場見学をしているのか分からなくなる。


非常に迷惑である。


有馬ダムにはバイクもちらほら。

 


 


しばらく休憩してから帰路についた。


本日の成果

・滝に癒された
・イワナを食った
・奥武蔵グリーンライン実績解除
・あしがくぼに寄った
・わらじカツを食った
・有馬ダムに行った

文字にすると小学生の絵日記みたいだが、ツーリングなんて大体そんなものである。

だが不思議なことに、満足度が高い。

黒山三滝から秩父方面へ抜けるルートは、景色も良く走り甲斐もある。

埼玉県民ライダーなら、一度は走っておいて損はないコースだと思う。

少なくとも私は、イワナを食った時点で来た価値があった🐟🏍️