最終日。
すっかり明るくなった時間から少し仮眠をとり、10時頃に起床した。
帰りの飛行機は14:40発。
新島を離れるまで、まだ数時間だけ残っている。
とはいえ、自分が悪いのだが、この2日間ほとんどまともに寝ていない。
本当なら飛行機の時間まで宿でゆっくりしていたい。
だが、せっかく新島まで来たのに、最後に残された時間を睡眠に費やすのはあまりにもったいない。
ということで...
最終日、冷水シャワーで強制起動
冷水シャワーを浴び、眠気を強引に吹き飛ばす。
そしてまた50ccの原付を借りに行った。
我ながら元気である。
いや、元気ではない。
気合いだけで動いている。
まず向かったのは「コーガ石恐竜」。
新島とパリでしか産出されないというコーガ石で作られた恐竜の像である。
こういうの、子供は好きそうだ。
33歳のおっさんも普通に見に行っているが。
写真は残念ながら撮り忘れた。
「シークレット」は秘密の秘境ではなかった
続いて向かったのは、今回の旅でどうしても見ておきたかった「シークレットビーチ」。
ちなみに、ここでいう「シークレット」とは、秘境のような秘密のビーチという意味ではない。
もともとは、観光客で混雑していた羽伏浦海岸などを避け、
地元サーファーがひっそりと波を楽しんでいたサーフポイント。
観光客にはあまり知られていない、地元サーファーたちの秘密の場所だったことから
「シークレット」
と呼ばれるようになったらしい。
ちなみにGoogleマップなどに表示される「シークレット入口」は、
正確にはシークレットポイントそのものではなく、
そこへ続く「堀切階段」のことだそうだ。
その入口がこちら。
草木に覆われた、まるでトンネルのような道になっている。
ここを5分ほど歩いていく。
すると……
一気に景色が開けた。
両側には反り立つ崖。
その先には、どこまでも続く青い海。
思わず、
「すげえ」
としか言葉が出なかった。
俺の語彙力、仕事せい。
シークレット、帰りの階段がエグい
そして、ここから海へと下っていく堀切階段がまたすごい。
かなり急である。
行きはまだいい。
問題は帰りだ。
日頃の運動不足がここで一気に牙をむき、私の太ももは登り始めて早々に悲鳴を上げていた。
ただ、この絶景を見ることができた満足感と達成感を考えれば、太ももの悲鳴なんてかわいいものである。
腕くらい差し出したっていい。
それくらい来てよかったと思える景色だった。
最後にもう一度、若郷へ
その後は、最後にもう一度若郷地区を目に焼き付けようと、原付で平成新島トンネルへ。
相変わらずトンネルの中は寒い。
そして若郷地区に入り、漁村や漁港を巡る。
昨日も来た場所なのに、もう「これを見るのも最後か」と思うと、少し寂しくなる。
そのまま本村へ戻り、最後にお土産としてくさやを購入。
ここでタイムアップとなった。
原付に給油をして返却し、宿へ戻る。
シャワーを浴び、荷物をパッキング。
あとは宿の方の送迎を待つだけだ。
2泊3日だったのに、思い出が多すぎる
送迎を待っている間、この2泊3日の出来事が頭の中を駆け巡っていた。
初めてのシュノーケリング。
50ccの原付で走り回った新島。
式根島。
島寿司。
くさや。
そして、島で出会った人たち。
たった2泊3日なのに、妙に思い出が多い。
空港までの送迎は、宿のオーナーさんがしてくださった。
同じバイク好きということもあり、滞在中から本当にいろいろな話をさせてもらった。
優しくて、暖かい人柄。
宿そのものもアットホームで、まるで何日も前からここにいたような感覚になっていた。
だからこそ、空港でお別れの挨拶をするときには、少し泣きそうになってしまった。
2泊3日しかいなかったのに。
本当に、本土に帰りたくない。
無情にも、飛行機は飛ぶ
搭乗手続きを済ませ、いざ搭乗。
本当に帰りたくない。
しかし無情にも、飛行機は新島を離陸した。
窓の外に広がる新島を眺めながら、今回の旅の思い出にふける。
「また来たいな」
なんてことを考えていたら……
いつの間にか眠りに落ちていた。
目が覚めたときには、すでに調布飛行場付近。
窓の外を見る。
空から見ても、東京はごみごみとした街並みだった。
この飛行機が着陸したら、いつもと変わらない喧騒、いつもと変わらない風景。
また現実に引き戻されるんだろうな。
そんなことを考えてしまい、もう少し現実逃避していたくなった。
いわゆる「新島ロス」というやつだ。
などと、眠気まなこの私はそんなことを考えながら、調布の地へと降り立ったのである。
新島ロスは、帰ってからも続いている
こうして私の2泊3日の新島一人旅は終わった。
正直、ここまで新島を好きになるとは思っていなかった。
海が綺麗だった。
景色も良かった。
50ccの原付で島を走り回るのも最高だった。
シュノーケリングも初めて体験した。
式根島にも行った。
島寿司も食べた。
くさやも食べた。
そして何より、島で出会った人たちが本当に良かった。
一人旅なので、最初は「3日間も一人で何するんだ」と思っていたのだが、
終わってみれば3日では全然足りなかった。
帰宅してからも新島のことを思い出してしまい、挙げ句の果てには、
島で飲んですっかり気に入ってしまった焼酎「羽伏浦」を通販でお取り寄せしてしまった。
もう完全に新島ロスである。
そして旅を終えてから、さらに新島を気にする出来事があった。
昨日、新島では大雨による土砂災害の危険が高まり、警戒レベル5の情報が出ていた。
テレビのニュースを見ていると、なんと今回お世話になった宿が映っている。
一発で分かった。
「あ、オーナーさんの宿だ」
旅の最中に毎日見ていた場所が、今度はテレビのニュースに出ている。
正直、かなり心配になった。
オーナーさんをはじめ、宿の皆さんがどうかご無事でいてくれればと思う。
2泊3日という短い滞在だったが、私にとってはそれ以上に濃い時間だった。
だからこそ、またあの宿に帰りたい。
またオーナーさんとバイクの話をしたい。
また島の海を見たい。
また50ccで島を走りたい。
また島寿司を食べたい。
そして、また羽伏浦を飲みたい。
来年もまた、新島に行こうと思う。
そのときも、どうか変わらない笑顔で迎えて頂けたら嬉しい。
新島、本当にありがとうございました。
また来ます。
















































