先月、平昌オリンピックが閉会しましたね。
今回のオリンピックは、時間に余裕があったので、多くの競技をリアルタイムで観戦することができました。
その中でも、よく見たのがカーリング女子。
録画も含めて、全試合の七割くらいは見たんじゃないかと思います。
彼女らは日本カーリング史上初の銅メダル獲得という快挙を成し遂げて話題となりましたが、非常に楽しそうに試合に臨む姿や、おやつタイム、
独特の掛け声も注目を浴びました。
そんな中、わたしが注目してみていたのは、しんどい試合展開のときの藤澤選手です。
カーリングというのは波のあるスポーツで、どんなに実力があっても、悪い流れの時はミスをたくさんしてしまいます。
オリンピックというハイレベルの舞台では、どのチームが実力が伯仲しているわけですから、一つのミスが命取り…なんてこともあるわけです。
そんなことは重々承知で選手達も試合に臨むわけですが、
大事な試合のときこそ、厳しい状況下では、一投一投にものすごいプレッシャーがかかるわけです。
そしてプレッシャーに押されてミスをしてしまう。
準決勝の韓国戦の鈴木選手や藤澤選手は、ミスショットを出しては泣きそうな顔をしていて、正直、見ているのがとても辛かったです。
そんな厳しい状況の中、カーリングでも一番重要な「スキップ」という役回りを担う藤澤選手はというと…
淡々としているんです。
状況を悲しむでもない、無理に笑顔を作るでもない、気落ちする仲間に気休めをいうでもない、
試合を決める一番大事なスキップのショットを
淡々と、練習通り、いつも通りこなそうとしているようにわたしには見えました。
ご存知の通り、準決勝で日本は韓国に負けてしまいましたが、
非常に不利な状況の中、試合終盤に日本が韓国に追いつくシーンがあり、チームの雰囲気はは一挙に好転し、このことが
イギリスとの3位決定戦のいい流れにつながったように思います。
辛い中。耐えて耐えて耐えた結果、流れをつかむことができたのだと思います。
藤沢選手もミスをしないではないですが、
彼女の厳しい状況の中でもいつも通りを保とうとする姿勢は、
我々も学ぶべきものがあると思います。
ふだんの仕事でも、思い通りにならないこと、どんなにやってもうまくいかないことがあります。
そしてそんな時、状況を悲観したり、無理に雰囲気を変えようとしたり、気休めを言ったりしてしまうわけですが、
それらはチームメイトの精神状態をさらに揺り動かし、状況を好転させるどころか悪化させることになってしまいかねません。
悪い流れの時は、嵐が来ているようなもの。
やるべきことをやり、悪いものが過ぎ去るまでじっと待つ。
自分たちの力を信じてやれば、
いつか必ず嵐が過ぎ去り、光が差すと信じて。
「厳しい時こそ、淡々と」
なかなか簡単にできることではないですが、藤澤選手に一つ大事な仕事の心がまえを教わったような気がしています。