パパ、ちょっと空のお仕事だから
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

荒野のコトブキ飛行隊

飛行機もののアニメが発表されました。来年始めには公開されるみたいです。第二次大戦時のレシプロ戦闘機を愛して止まない私ですが、主人公?が飛ばしてるの一式戦(隼)じゃないですか!!

隼といえば、ユーチューブにある
この動画が好きなんですが、
この動画の2’12”からのロール、めっちゃスパッと回ってますが、これ、スナップロールなのです。そのまま動画を観てると、ハーフスナップからの半宙返り、つまりスナップしてのスプリットSもやってます。これは隼の搭乗員はある程度の練度になるとスナップロールを常用してたって事なのかしら。

先行機にスナップロールからの機動をされると、追従してる機体が通常のロールで追おうとしてもロールレイトが違い過ぎて追従出来ません。隼、格闘戦は強かったんだろうなぁ…

ということで、私は絶対にこのアニメを観ます。

2016に向けて



2016年のUnlimited競技の規定演技課目が決まりました。

2016年からは規定演技は全選手共通のシークエンスではなく、5つの必須課目を含むシークエンスを自分で構成することになりました。自由演技と統合される形です。

10課目で構成し、難度スコア(K)の合計は450。規定課目5つがK=200なので残りの5課目は平均K=50という高難度で構成しなければなりません。

しかも、自由演技のルールがそのまま適応されますから、「スピンを1つ含まなければいけない」などのルールはそのままです。普通にスピンをいれてもK=15くらいにしかならないので、スピンの後にロール入れたりして色々デコるのですが、それでもK=30とかになる。すると他の4課目はK=55平均で組まないといけない・・・と、色々悩ましいのです。

と、いうことで、

実際に飛んで、このくらい高度を失うとか、そのくらい速度があればこれだけロール出来るとか、色々実験しました。ヘルメット動画なので私の視線でご覧ください。

この経験を基にして、またシークエンスを組み、飛んでみて・・・と準備していきます。

来年も競技出来るのか分かりませんが、準備だけは怠りなくしたいと思います。

熱中症

熱中症

熱中症、日射病と聞くと、「炎天下に運動してて倒れるやつね」と思う人が多いかもしれません。しかし熱中症は、スポーツにおける死亡原因では、頭部・脊椎の外傷に次いで多い、きわめて深刻な内科的急性障害です。

熱中症は簡単に言えば、体内に溜まった熱を排出出来ないために起こる不具合です。

人間の身体は一定の正常体温を維持するように出来ており、体温が過剰に上昇すると放熱しようとします。放熱機構としては伝導、対流、輻射、蒸散があり、伝導・対流・輻射は気温により、蒸散は湿度により、その機能が影響されています。

気温が体温以上になれば、伝導・対流・輻射による放熱機構は作用しなくなり、むしろ逆経路で身体に蓄熱されます。また湿度が高くなれば、蒸散の放熱高率は著しく低下します。

高温多湿の夏を持つ日本では、蒸散の効率が悪いため熱中症になりやすく、運動中の死亡事故も多いのが現状です。狭いコクピット内で激しく身体を使う曲技飛行は、当然のように熱中症のリスクが高いスポーツです。

飛行中、最大10Gの荷重が掛かるとき、50kgの体重の人なら500kgになった自重を支えながら、30kg近い重さの自分の腕を動かして、精密な操作を行うことになります。全身の筋肉に掛かる負荷は非常に大きく、15分程度の競技飛行で1kgほど体重が減ることもあるほどです。

さて、この15分程度の飛行で減った1kgは、痩せたのでしょうか?いいえ、水分として失ったのです。曲技飛行によって酷使された全身の筋肉は熱を産生します。この過剰な産生された熱は、発汗や不感蒸泄の増加によって放熱しますが、その際に水分が失われます。

多くの水分が失われた身体はどうなるか?当然のように循環血漿量が減ることになります。つまりポンプとしての心臓が頑張って動いても送られる血液が足らず、血圧が上がらない、血液が十分に供給できない、という状態になります。この状態では通常では考えられない程低いGで意識を失い、他の要素もあって、自覚症状として認識できないまま判断力や認知機能が低下します。

水を飲んだから、塩分を摂ったからと言って、失われた水分や電解質がすぐに元に戻る訳ではありません。2回目、3回目の飛行を行う際はリスクが高い事を覚えておいてください。

また、発汗する際にはNa(ナトリウム)などの電解質も消費するため、大量の発汗によって電解質のバランスが失われることになります。この電解質の異常は、筋肉が攣る、だるいなどの症状を出しますが、よほど症状が顕著になるまでは筋肉痛や疲労と区別出来ないでしょう。

1kgも体重が減るほど水分を失ったからと言って、過剰な熱が排出されるとは限りません。運動中は筋肉の熱産生が亢進するので、38度くらいまでの体温上昇は生理的なものとされていますが、高温多湿の環境では放熱機構が十分に働くことが不可能となり、生体内に熱が鬱積し、40度以上になる異常な体温上昇をきたすことがあります。

40度を超える異常高体温となると全身の臓器は徐々に機能を損ない破壊されていきます。また、この異常高体温が視床下部の体温調節中枢の機能を障害するため、体温を下げる身体の仕組みが機能しなくなり、全身の臓器損傷は進行し続けることになり、ただちに救命処置をしない限り死亡します。

残念なことに分かり易い症状は無く、暑くてぼぉーっとするけど、(自分では普通に感じる程度には)考えられ、怠いけど身体も動くので「まだ大丈夫」「俺は大丈夫」と言っていた人が、その直後に倒れそのまま死亡することもあります。

国内での真夏の曲技飛行を考えると、まず地上でコクピット内の気温が体温以下になることはありません。キャノピーを閉じたコクピット内の気温は50度を超えることもあります。機体に乗り込んで、エンジンを始動しランナップを行い、滑走路までタキシングするのに15分程度は掛かると思いますが、この間パイロットはサウナのようなコクピット内で暖められ続けます。離陸するまでは機内には風もほとんど吹きません。放熱機構としての伝導・対流・輻射はむしろ逆に体内に蓄熱する方向に働いており、唯一の放熱機構「蒸散」も湿度によっては風が無ければほぼ機能せず、離陸するまではただ熱を蓄えることになります。

ひとたび離陸すれば、風が吹き抜け、上昇するに従い気温も下がり、一気に快適になります。ですが、快適になったからといって過剰な熱が排出された訳ではありません。湯上りに涼風みたいな状況は、未だ潜熱が体内にあるからこそ快感なのです。そして過剰な熱を排出し切らないまま、曲技飛行を始めれば酷使された全身の筋肉が盛大に熱を産生し始めることで、熱中症を急激に進行する恐れがあります。なにしろ離陸するまでに酷い暑さの中で既に大量に水分を失っていますから、身体が十分冷えていても軽い脱水状態で曲技飛行を始める事になるのです。運動による熱中症は環境温度が18度以下でも発生することが知られており、ましてや脱水、高体温状態で運動を始めれば発症リスクは跳ね上がります。また、飛行機は着陸しなければならないので、曲技飛行後の着陸から地上での高温環境も考慮する必要があります。

仲間達へ

・水分、塩分の補給は十分で体調は万全ですか?
一度失った水分や電解質のバランスは、水を飲み、塩を摂っただけでは数時間は整いません。

・最後に水分補給してから30分以上経っていますね?
喉の渇きが癒えても、飲んだ水が吸収され循環血漿量に反映されるまで時間が必要です。

・離陸までのサウナ地獄の対策は大丈夫ですか?
冷却ジェルの首巻でも氷水で冷やした下着でもなんでもいいです。
水を掛ける服を湿らせるは、機内湿度を上げ逆効果になることがあります。

・離陸後に効率良く放熱出来ますか?
安全のために必要な条件は満たし、風の通る蒸散効率の良い服装が好ましいです。

・曲技を始める前に頬を触って火照ってませんか?
誰にせかされても、火照りが取れるまで、待って下さい。
風を気持ちいいと感じなくなるまで絶対待ちましょう。

・曲技飛行を終えても着陸、タキシングがあるのを忘れてませんか?
降りたらサウナ地獄が待ってます。誘導路で意識消失衝突事故とか嫌ですよね。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>