黙秘すると言われたこと、

不倫されていたこと、

信じられない気持ちと悲しみ、

怒りが入り混じり

発狂しそうだった。

あなたが話をしないなら、

相手の女性から話を聞くから

電話してって通話ボタンを押させた。

冷静じゃない。

普通じゃない。

その人と話したからって何になるのか

わからないけど、

許せない気持ちが強くて

電話をかけさせた。

観念したようだった。

何がこれからはじまるのか…

震える手で携帯を持ち、

相手が出るまで鳴らし続ける。

時刻は夜中3時過ぎ。

鳴らし続けていた電話にようやく、

「もしもし?」
 
眠そうな声だけど、

甘い声で女性が出た。

冷静に、冷静に…

こちらも震える手を抑えて、

冷静を装い「もしもし」と交わす。

そうしたら相手の空気がピンと

張りつめた感じが伝わった。

そしてもう一度私は「もしもし」と言うと

夫は相手の女性に聞こえるように

「もうやめてくれ!」と私に言った。

その言葉で全てを察したかのように

相手は無言のまま電話を切った。