つい数日前まで、彼と同じ時間を過ごしていた。  
一緒にいたあの二日間は、あまりにも濃くて、  
時間の感覚さえ曖昧になるほどだった。  




何気ない会話や、ふとした笑顔。  
その一つひとつが、今も胸の中で温かく灯っている。  




けれど──  
日常に戻って数日が経つと、  
その灯りが少しずつ遠ざかっていくような感覚になる。 


 

彼は彼の生活に戻り、  
私は私の生活を続けている。  
それは当たり前のことだとわかっていても、  
心のどこかで、やっぱり少し空白ができてしまう。  




まるで、あの時間が  
手のひらからこぼれ落ちていく砂のように、  
指の間をすり抜けてしまうような──  
そんな儚さを感じてしまうのだ。  




もし私にも家族との予定やお出かけがあって、  
その時間を心から楽しめていたら──  
きっとこんなふうには思わなかったのかもしれない。