彼と付き合って8ヶ月目位のこと。


あの出来事は、私が体調を崩して、  
心まで弱っていた時期のことだった。




その頃の私は、毎日のように彼に気持ちを聞いてもらっていた。  
彼はとても優しくて、親身に寄り添ってくれて、  
私はそんな彼に救われる思いで、弱音を打ち明けていた。




実は、私は前から彼に話していたことがある。




──「私は、昔から自分の気持ちをうまく言えないことがある」  
──「我慢してしまって、後から辛くなってしまうことがある」




そんな性格の自分を少しずつ伝えていて、  
彼もそれを理解してくれていたと思っていた。




「俺がちゃんと心の扉開いてあげるよ」  
「言いたいことが言える関係になっていこう」──  
そんなふうに言ってくれたこともあったから。




だから私は、体調がいちばん不安定だったある日、  
彼にメールで、こういう話をした。




「今回、体調を崩したのも、  
 やっぱり自分の性格のせいかなぁって。  
 言えなかったり、我慢しちゃったり、  
 そういうのが積もって限界が来たのかもって思ってる」




それは、“自分を責めるような言葉”だった。  
誰のせいでもなく、自分を振り返っただけの話だった。




でも彼から返ってきた言葉は、
まったく予想外のものだった。




それってさ、俺が原因ってこと?」  
「俺のせいで、体調悪くなったってこと?」  
「俺に原因があるって言ってるように聞こえるけど」




──違うよ。全然違う。  
そんなつもり、一言もなかった。
   


「違うよ、そうじゃないよ」  
「自分の話をしただけだよ」  
「あなたを責めたいわけじゃないの」




必死で否定しても、彼の誤解はどんどん膨らんでいった。




そして最後に、彼はこう言った。




「仕事が終わったら電話するから。  
 そのときにちゃんと話、つけよう」


続く、、、