「もうすぐ飛行機に乗るよ」
「行ってくるね。大好き」



彼が海外出張に旅立つ直前まで、
LINEでやりとりをしていた。
私も子どもの習い事で外に出ていたけど、
どんなに離れていても、
心はすぐそばにあるって感じられた。




搭乗ギリギリまで、何度も気持ちを送り合った。
「大好きだよ」って。
言葉にして届け合える関係が、ただただ愛おしかった。




最初の国に着いたら、
次の便まで11時間の待ち時間があるらしくて、
「その間、ゆーがいてくれたら
美術館とアウトレットに連れて行くのに」なんて、
冗談まじりの優しさが、嬉しかった。




送ってくれたカフェラテの写真。
ふと鏡に反射して写っていた彼の姿を見たとき、
どうしようもなく、ぎゅっと
抱きしめたくなってしまった。



「写真に写ってる姿見たら
今すぐだきつきたくなっちゃった〜」



「今すぐ膝の上に乗ってきてよ」



彼から返ってきたその言葉が、あたたかくて、
たまらなく好きだなぁと思った。




毎回、彼が遠い国へ旅立つたびに思う。
どうか、無事でいて。
そしてまた、元気な笑顔で日本に帰ってきて。




私たちは、どんなに距離があっても、
ずっと繋がってる。




──たとえ地球の裏側にいたって、
私は、ちゃんと感じてるから。