彼の街へ、会いに行く私。電車に揺られながら、 何度もスマホを開いては閉じる。彼の最寄り駅まで、あと数駅。 もうすぐ会える。 そう思うだけで、胸の奥がざわめいて落ち着かない。今日は、お食事だけのデート。 それでも十分だ。 ほんの短い時間でも、 会って笑い合えることが、 今の私には何より大事だから。駅に降り立つと、 彼の働く街の空気が、ふっと胸に入ってくる。歩きながら、思わず笑ってしまう。 「会える」って、 それだけで、どうしてこんなに嬉しいんだろう。