シャワーを終え、バスローブを羽織って部屋に戻る。



彼はソファに座り、スマホをいじるふりをしながら、  
私が出てきた瞬間、ふっと視線を上げて微笑んだ。
 


「おかえり。」



胸が、また熱くなる。  
頬がほんのり火照っているのが、自分でもわかる。



歩み寄ろうとしたそのとき、  
彼がゆっくりと手を伸ばしてきた。



「……こっち、来て。」



その声に、足が自然と彼の元へ向かう。



そっと腰を抱き寄せられ、  
柔らかくバスローブの上から腕が回される。  
耳元にかかる吐息に、思わず小さな息が漏れる。



「……今度は、俺の番。」



優しくそう囁くと、  
彼は立ち上がり、私の頬にキスを落とした。



「待ってて。」



そう言い残し、バスルームへと歩いていく後ろ姿を、  
胸の奥がきゅっと締めつけられる思いで見送った。