【セックスレスという現実】  
『子どもを作るのか、離婚するのか』──私が最後に選んだ選択肢



──6年。我慢していたのではなく、“我慢するしかなかった”。



結婚して以来、夫との関係は、何度話し合っても何も変わらなかった。  
曖昧な言葉でかわされる日々。  
「なんでかわからない」  
「自分でも説明できない」



それでも私は、そのままにしていた。  
いや、していたのではなく──“そうするしかなかった”のだと思う。



きっかけは、友人の話だった。  
その子は、病気の影響で子どもを産めない体になってしまった。  
「本当は、欲しかった。でも間に合わなかった」



──その言葉を、私は忘れられなかった。



それから私は思うようになった。  
「35歳までは、待とう」と。  
それが自分なりの限界点。  
それまでは、まだ夫を信じたかった。



でも──いよいよその年齢が迫った。



「子どもを作るのか、離婚するのか、はっきりしてほしい」



ようやくそう言えた時、夫はこう答えた。  
「……わかった。ちゃんとする」



でも、6年間“何もなかった”人が、「わかった」と言ったところで、  
また“何もない”日々に戻ってしまう気がした。  
だから私は婦人科に通い、タイミングを見てもらうことにした。



排卵日が決まっていれば、その日に行為をすればいい。  
そうしないと、また曖昧な返事だけで流されてしまう。  
私はもう、時間を無駄にしたくなかった。



──実際に行為をしたのは、そのタイミングの日。  
愛はなかった。  
キスすらなかった。  
ただ、「この日にすれば妊娠する可能性がある」という医師の言葉だけが、  
私たち夫婦の“理由”だった。



それを“行為”と呼べるのか、いまでもわからない。



でも──それでも、私はその時、前に進みたかった。



今、同じように悩んでいる人がいるなら、こう伝えたい。



「あなたがどうしたいのかが、いちばん大事です」



誰かの言葉や正しさではなく、  
“自分がどう生きたいか”を、見失わないでほしい。



私は、自分の未来を守るために、行動を選びました。



──そしてその結果、娘が生まれました。



この先の話は、また次に綴ります。