「話し合えば、わかってもらえる」
──そう信じていた時期が、私にもありました。
けれど現実は、思っていたよりもずっと静かで、
あまりにも残酷でした。
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「どうして、しないの?」
「何か、理由があるの?」
勇気を出して、何度もそう尋ねたことがあります。
でも返ってくるのは、曖昧な反応ばかりでした。
「なんでかわからない」
「自分でも説明できない」
そういった言葉で、向き合うこと自体を避けられているようでした。
私が泣いても、怒っても、必死で訴えても、
事態が変わることはなかったんです。
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“拒否される理由がわからない”という状態は、
ただ「受け入れられていない」という事実だけが、
心に突き刺さるものでした。
・自分に魅力がないのか
・何かを間違ってしまったのか
・女性として終わっているのか
そんな風に自分を責めてしまうのが、
セックスレスの一番の苦しみだと思います。
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そしてもう一つ、
この問題が厄介なのは──誰にも相談できないこと。
恥ずかしい、情けない、そんな風に思ってしまって、
職場の同僚や友人、ましてや家族になんて、
とても話せませんでした。
相談できたら楽になったかもしれないけれど、
「結婚してるのに、関係がない」
「しかも、初めから一度もない」なんて、
どんな顔をして話せばいいのか、わからなかった。
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だから私は、
誰にも言えないまま、ひとりで
悩み続けることにしたんです。
でも、それが一番よくなかった。
一人で抱え込んでいるうちに、
「私さえ我慢すればいい」と
思うようになっていきました。
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──“我慢”は、いつの間にか“諦め”になり、
気づけば、心の奥で
何かが壊れていくのがわかりました。
私たちは、夫婦として一緒にいたけれど、
その実態は、ひとつ屋根の下にいる「他人」でした。
そして私は、
6年間の結婚生活で、一度も
満たされることのない孤独を、
ただ、黙って受け入れるしかなかったのです。
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次回、ようやく私が“ある決断”を
下すきっかけになった話を綴ります。
──それは、
「このままじゃ子どもも産めない」と気づいた、
ある瞬間でした。