彼と別れて、家に帰ってきて。  
もう何時間も経ってるのに、まだ心がふわふわしてる。


たった1時間半しか会えなかったはずなのに、  
あの時間の感触だけが、ずっと身体の中に残ってる。


あのとき、  
唇には触れずに、そっと胸に手を差し入れて  
「癒される」って言った声。


スカートの中に、何気なく滑り込んできた手。


何も起きなかったのに、  
むしろ何もしなかったからこそ、  
あの夜が、余計に忘れられなくなってる。



あのまま、  
ほんの少しでも長くいられたらって──  
帰ってきてから、何度も思ってしまう。


今、ベッドの中で目を閉じても  
浮かんでくるのは、彼の声と体温ばかりで。


寂しいのか、幸せなのか、よくわからないまま  
ただ、また触れてほしいって思ってる。


来週は、もっとちゃんと会える。  
そう思いながら眠ろうとしても、  
昨晩の“物足りなさ”が、なかなか抜けない。


もう少し、彼の中にいたかったなって──  
そんな気持ちだけが、  
夜の静けさに溶けていきます。