彼の“無意識の言葉”に、
ちょっとだけ心がざわついた朝」 



「そんなふうに思ってないよ」



彼はそう言ったけれど、
“じゃあなんであの言葉が出たの?”って、 
私は少しだけ引っかかっていた。

  


ケンカをしたわけじゃない。
責めたわけでもない。

でも、ちょっとだけ距離を感じた瞬間だった。

 


恋って、言葉に敏感になる。
  


好きだからこそ、
彼が放った“何気ない一言”に、
私は勝手にいろんな意味を重ねてしまう。

 


たぶん、彼はもう忘れてる。
きっと、なんの悪気もなかった。
 



それでも私は、
その一言をずっと心の中で転がしてる。

 


……めんどくさいよね、恋してる自分。




でも、
そうやって心が揺れるのは、
ちゃんと好きでいる証拠だと思いたい。

 


それでもやっぱり、
「大丈夫」って笑って言えた私は、
少しだけ、大人になった気がした朝だった。