夜が明けた。

新年だ。

つまりは昨日は大晦日だったわけ。

昨日は、今回の旅行で初めて宿で泊まった。

これまで、空港のベンチ泊、深夜列車泊と若くもないのにハードな旅であった。

ここ4年連続、年末年始はインドで新年を迎えているけど、どこに行けば盛り上がるかわからずインド人とともに盛り上がるようなことはしたことがない。

特に今年は、地方の町にいる。

また部屋にいた。

シャワーを浴びたり、溜まっている洗濯をしたり、並行してまた2連泊深夜列車移動となるので充電もしておかなければいけないし、案外忙しいわけ。

 

深夜0時。

宿の中で一時、新年のあいさつで盛り上がる声が聞こえたけど、裏通りにあるホテル街なので外の音は聞こえなかった。

それでもテレビではデリーなどの大都市の映像や世界のすでに新年を迎えた映像が流れて盛り上がっていた。

そんなテレビを適当に切り上げ、明日のために寝る。

明日は宿から5分くらいのツアー出発地点に8:15には着いていなければならないから、8時には宿を出たい。

それまでにチェックアウトを済ませなければならないし、ご飯を食べてもおきたい。

 

翌朝・・・

 

前朝は、ツアーの団体さんのチェックアウトがあって騒々しかったし、それを目覚ましアラーム代わりにするつもりがなんだか静か。

カーテンが引いてあるので明るくない部屋の中では寝るにはちょうどいい環境。

あれ、寝過した???

iPhoneを着けると9時台だった。

やっちまった~

落胆する私。

今日行く予定のエローラ遺跡は近場なので、自力で行くことは行ける。

でも、昨日行ったアジャンタ遺跡が今日は定休日なので、その分の観光客が来ることが考えられる。

自力で行くと往復の路線バス移動が困難になりそう。今晩の移動は夜だから、それまでには帰って来れるだろうけれど・・・う~ん。

 

そんなことをダラダラ考えていたって、なにもない街中でウダウダすることの方がもったいない。

バスツアーは参加できなくても、さあ行こう!と起きた。

 

チェックアウトのためのパッキングはほぼ終わっている。

というか、一晩しか泊まらないからバックパックの中身は全部出してはいない。

洗濯したうちの一枚を着て、他の衣類と寝間着をバックパックにしまい、洗面用具、充電器類も仕舞うくらいだ。

 

そんなことをしている時にふと気が付いた。

さっき見たiPhoneは日本時間のままにしていたことを。

改めて見ると、インド時間でまだ6時台だったか7時台であったことを。

やった~、バスツアー間に合う~

 

チェックアウトでスムーズにいかないかもしれないし、朝ごはんの時間も必要だから7:30には部屋を出た。

レセプションには前日の若い男性スタッフがいた。

「ハッピーニューイヤー」と私から声を掛けた。

同じ言葉が返ってくる。すると、レセプションの横にあるソファーのところからひょこっと顔を出しインドおじさんも同じ言葉を掛けてきた。

初めて見る顔だが、物怖じしないインド人には私もその構えでいるので、おじさんにも言葉を返す。

 

清算すると、アーリーチェックイン代で350ルピーとのこと。

タダじゃないのね。

そこはすんなり了解した。

次に宿泊代だった。

600ちょっとかかると言う。

「えっ?もう払ってるんだけど?」

「これだけしかもらっていないので、差額でこれだけ支払っていただきます」

「だって、バウチャー持ってるよ?全額払ってることになってるよ?」

もめてるのでおじさんも出てきた。

どうやら宿のおじさんだったようだ。

ケンカ腰になることはなかったが、両者ともにおかしいなと。

で、おじさん、予約した先に電話して確認した。

この時の予約先はいつも使っているbooking.comではなくてCleartrip。

国内線を予約した時に10%だったかいくらかのキャッシュバックがあり、それがクーポンとして使えるというもの。

列車のチケットを取る時にはCleartripで予約しているのでそれで使おうとしたら、列車には使えないと言う。

そんなわけで、宿代に充てるべく、Cleartripで扱っている宿を予約したってわけだ。

インドをメインにやっているサイトだけあって、おじさんもすんなり電話して話ができているようだ。

 

結果

 

私の言い分が正しかった。

更なる支払いは求められずに済んだ。

それにしても、利用者(私)が支払っている金額から、3~4割Cleartripが間引いて、宿には6~7割しか支払われないことにビックリ。

これじゃ、こういったホテル予約サイトに加盟しない小さい宿がたくさんあることに納得だわ。

最低紹介料+何割の計算になっているのかもしれない。安い宿だと割に合わないもんね。

 

さて、この件は一件落着し、おじさんとお話しすることになった。

このおじさん、この宿に泊まったことのある人が言っていた、親切なおじさんのようだ。

「今日はエローラに行く。昨日はツアーバスでアジャンタに行った。今日もそのバスでエローラに行こうと思う。」

と言う話をしたところ、ツアーバスは良くないよと言う。

昨日乗ったけど、ACも付いてるし、良かったけどね?って言ってみたところ、

アジャンタは遠いし、往復だけのバスだからあれはいいと思う。でも、エローラは近い。買い物に連れて行かれたり、あそことココとどこどこにも行くんだよ。買い物好き?(好きじゃない)それなら、自分で行ってエローラをゆっくり見てきたほうが良いよ?ということを言ってくれたんだと思う。

おじさんプランを聞き取りメモしたが、路線バスを途中で停めて乗ったり、オートに乗ったりと、路線バスのヒンドゥ文字は読めないし、料金交渉のハードルも高く、街中の観光地にも連れてってくれるバスツアーの方が楽なんじゃないかと思い、やっぱりバスで行くよという結論に。

おじさんは激しく止めることはしなかった。

紹介料をせしめようとする人ではなかったようだ。

 

ところで、どこか食べるところないかな?

なに食べたいの?

なんでもいいんだけど。

それならうちで作ってあげるよ。

 

おじさんが作るわけではなく、裏方の人が作ってくれた。

時間がないからテイクアウェイ出来るようにしてって言ったのに、皿で出されちゃって、おじさんに早く食えばいいと急かされる。

アツアツの美味しいチャーハンだった。

 

結局タダではなかった。てへぺろ

水はどうする?じゃ、ちょうだい、冷えてるのね。

これで90ルピー。

う~ん。水は20として、ちょっと高いかな?

 

時間は8:05過ぎ。

宿を後にし、急いでバスの発車地点に向かった。

 

昨日、ここだよと言われたところにはバスはなかった。

すぐ近くの門から奥はその地域の観光公社の敷地。

建物の前に大型バスが停まっていた。

昨日の運転手は向こうを指して言っていたようだ。

もしバスが走り出したら立ちあだかるくらいの気持ちでバスの正面に向かって掛けて行った。

 

運転手はいなかった。

敷地内にはこのバス以外はなかった。

キョロキョロしながら近くの看板とかを見たりしていると、建物の中から男性が出てきた。

「このバス、エローラに行くバスですか?」

言い終わるか終わらないかの食い気味に、その男性はバスを指さしながら歩みを止めず私の乗車を促し、自分も乗った。

 

すぐに発車。

男性は運転手だった。

車内には、最前列に西洋女性が一人しか乗っていなかった。

 

バスはバスターミナルと逆方向に向かった。

と言っても、バスが停まっている路線はその方向しか出れないからであることはのちのち分かった。

途中、大きなホテル前では、ホテルスタッフから客がいるぞ、いないという合図で客を拾っていった。

その一つは、私が気になっていたホテルであった。

というのも、当初、オウランガバードの2日目に夕方のバスに乗って町を出ようとしていた。

ここオーランガバードの私営長距離バスの乗車地点というのが、バスターミナルからではなく、市内の路上だったりするんだけど、それがどこだかわかりにくいものだった。希望時間帯、場所が判明していたのが、ちょうどここから出発するバスだけだった。

「ああ、ここなんだぁ~」

とは思ったけど、しかしいまさら知ったところで意味はない。だって、バス移動をやめて列車移動に切り替えたから。その分、毎晩揺れる乗り物の中で寝る羽目になったけどなにかと引き換えでそうなるんだから仕方がない。

 

そんな思いと、地図アプリと見ながら向かった先はバスターミナル。

このバスは公営だからバスターミナルを使うわけです。