2023年12月1日(金)

 

お日様が昇る前に目が覚めた。

そーっとベッドから降りてトイレに行く。

 

トイレの鏡に映る自分の姿

太い管も細い管も、どこにもついていない。 

杖のように傍に居た点滴カートも無い。

口角は上がってる。


 

ゆっくり共有スペース足を進めると

美しい光景が目の前にあった。


スマートフォンを取りに病室に引き返す。

 



 

朝の光景が好きだ

 

お日様の光で世界が色づいてゆく美しさ

雪を抱いた山々が淡い桜色に染まる様子

山々に沿って横に長く広がる龍雲の僅かな動き

頂きの先にいらっしゃる山の神々様が

夜に山里を回られ夜明け頂きに昇られるような

静かでゆっくりとした美しい世界

 

深く息を整え、窓の外に広がる光景を味わった。

 

丁寧に洗面台に向かった後、荷造りの続き。

 

 



 

朝ごはん後に着替えて

ベッドを整えていると主治医が来た。

朝の挨拶をかえす私に

主治医は「お、いいね」とにこやか。

 

雲一つない青空に美しい山々

朝焼けの光景が見れて嬉しいと話した。


主治医の目は幾度モルゲンロートを捉えただろう

尾根のどこかや、出勤の早朝に。




 荷造りを終え、ゆっくり過ごした。



ダーリンがお迎えに来てくれると

入院中に担当して頂いた看護師さんたちが

私を見かけ声をかけたり、見送ってくださった。

 

 

会計を済ませ、病院の外に出る。

冬のお日様、外の空気

足の裏に感じるアスファルトの硬さ。


駐車場に艶やかな赤い色を見つけて

喜びが胸から全身に広がる。

ダーリンが私の愛車で来てくれた。

運転席の横顔に何度もありがとうを言う。


助手席の窓から遠くに北アルプスの山々

幸せな退院ドライブ、お家行き。


ただいま。