2023年11月30日(木)午後


リハビリの時間

東の山々が西陽を浴びていた。

珍しく長い紅葉が青空に映えて美しい。


点滴を外してもらっていたから

心も軽く景色を眺めた。


数日だけどベッドに寝たきりで

身体は強張り、筋力が落ちている。

ゆっくりと目覚めさせてゆく感覚になり

リハビリできて良かったと担当の方に話す。


急に明日退院が決まって

予定されたリハビリをキャンセルするの

もったいないくらいだけど

お家のお風呂に浸かりたい。

家族に会えるのが嬉しい。


ゆっくり荷造りを進める。


夕ごはん


食べられるって有り難い

噛めて飲み込めるって凄い

消化して身体の糧にして

不用なものを残さぬよう排出して

私の身体は淡々と働いてくれている


身体が機能できないほど酷使して

またしても

ブラック企業のトップ経営者になっていた。


感謝も、労りも、愛も足りて無かった。


私のプラムちゃん(人口肛門)は

身体の外に存在する臓器の代表選手。

こうして身体が機能してくれてるから

私はこの世界に生きていられるのに。


もう、こんなふうに

危ない橋を渡り終えた後に

すっかり忘れて

また同じことをする悪癖を

私、キッパリやめる。


というか、そもそも

危ない橋より

遠回りして安全な橋を選ぶ!

安全第一!!!


ごめんね、私の細胞さんたち

ありがとうね

これからもよろしくね。



ベッドサイドの棚に

ミニタオ「タオ子」ダーリン作



何年も前「今、産まれた」と

産声ビデオを受信して開いた時

私は乗鞍岳の剣ヶ峰頂上に居た。

ミニタオの響きは、山の頂きの記憶。



主治医が来た。

「お手紙書いといたからね」と

別病院へ情報共有書類の準備が整ったらしい。

今日も手術をいくつしたか知らないけど

相変わらず朝から1日の業務量が凄そう。

今日、私と話すのは3回目。



私の手元のライアーに目を止めて

「へぇ、そういうのもあるんだね」と言う。

差し出すと、受け取り、ひっくり返し眺め

ヨーロッパにも桜があるのかと感心してた。


まず素材に興味を示すタイプは一定数いる。


前回(2021年10月)の入院では

21弦キンダーハープをお供にしてた。

穴と弦で視覚的に弦楽器と分かりやすい。



弦にすら触れない主治医が面白い。


主治医は外科手術を担当する患者の

職業に興味があると以前言ってた。


私の勝手な推測だけど

執刀が患者の人生にどう関わるかとか

考えたりするのかも知れない。


ライアーに興味があるというより

私が奏でたり作るモノとしての興味かも。



🌈



夜勤の担当看護師さんが検温に来た。

一番きっつい状態の頃に担当だった方。

「退院、よかったですね」

その声と笑顔の感じが嬉しくて

胸熱くなりながらお礼を言った。



荷造り途中で疲れて横になった。

ずいぶん体力が落ちている。


目を閉じるとCT画像が浮かぶ。



伸びてパンパンになった小腸

ショッキングな画素・・・


消灯を知らず眠りに落ちた。