2023年11月25日 土曜日

 

「腸閉塞です。このまま入院してください。」

 

寝かされたベッドの上から医師の声が降ってきた。

 

ああ、やってしまった・・・と反省

そして、正直なところ

全部済ませた後で良かったぁ、という安堵。


まだ、やらなきゃいけないことは山とある

だけど期日が近いのは無い。

今日でよかったと思った。

 

 





🌲🌲🌲 1日、時間を戻す 🌲🌲🌲

 

 

前日の11月24日は、私たち家族にとって区切り。

父か亡くなり10ヶ月の「相続税支払い期日」に間に合った。


家族みんなヨレヨレ。

3歳下の双子のような妹は高熱で寝込んでる。

 

全ての銀行とのやりとりを終え、私は真っ白に燃え尽きて動く気力が無かった。

 

安心して脱力した夜

激しい腹痛の波が寄せたり引いたり。

油汗じっとり・・・・。

 

これは、2021年の"蛙の卵を包む外側"を産む、再びではないか?

 

 

 

↑結局、放射線治療がはじまって、大量の大腸内膜だったんだけどね。

 

 

🌲🌲🌲本筋にもどるよ🌲🌲🌲


 

まいったなぁ。

スマホでタイピングも辛い。

 

とにかく一番下の妹に知らせなきゃ。

父の遺した会社で月末業務真っ只中の妹に

ボイスメッセージボタンで話し出す


胸の辺りからグワっとこみ上げてきた。


あ、吐く、、。

 

咄嗟に身体をねじって上半身を上げ

ベッドの手すりに掴まって

ドシャー🐸

付けていたマスクが吐瀉物てで下に見える。


何度か吐いた。

人参らしき色、しめじが見える。

あ・・・詰まるヤツだ。

食事指導で教わった腸閉塞注意しょくざ・・

うゲェ〜 思考停止のマーライオン。

 

ナースコールを押せたのか?

朦朧としながら妹とダーリンにメッセージを入れたのか?

うなりながら天井を眺める。

 

メッセージ音

ダーリンか?妹か?とスマホを見ると

 

友人の名前が表示されていた。

数か月前から文面を書いては消しメッセージを送れていなかった友人。


メッセージをやっと開いたら、友人本人の訃報。


故人の遺志により故人の携帯を使用してと

葬儀を終えたご家族から・・・。

 

リボーン洞戸で出逢えた大事な友人のひとり。

彼女の名前を小さく声に出して呼んだ。

 

ああ・・・・

 

身体を震わせる私をベッドのまま移動され

何か検査するとすぐ鼻から管を入れられはじめた。

 

オエッ

痛いヤメテ

いたい

痛い、いたい、いたい

 

「はい、ごくんと飲み込んで、がんばって」

医師の黒縁眼鏡の真剣な目

 

オットセイのような声は、私から出ていた

涙も出てる。


「がんばって、もう少し」

看護師さんが涙声で左腕をさすってくれている。

たぶんもらい泣きをしている。

男性看護師にチェンジして管スピードアップ。

鬼!!!!

 

「よく頑張った」

 

永遠かと思われた工程が止まり、脱力した私は

鼻からの管から吸い出され点滴がついてアウアウ。

 

息をする度に鼻と喉が痛い。

背中も腰も痛い。

 

 

同じくらい、胸の真ん中がキュウっと痛かった。

モウアエナイ、、、。

 

 

寝たまま運ばれ、エレベーターに乗り病室に入った。

ベッドから、ストレッチャー、そしてベッドへ移るのに体力を消耗した。


この時点で身体が限界だったのに気づく。


イレウス管というチューブが

1メートル50センチ小腸まで入っているって。





そのチューブから情け容赦無く

黒い液体が吸い出されていた。

脱水症状とのこと。

点滴3種類、尿道にもチューブ。

水飲んじゃダメ、ベッドから降りちゃダメ。


ひと息、ひと息

鼻も喉も呼吸をするのが痛い。

おとうさんは、あの時こんなに辛いのに

最期の最後まで家族に応えて息をしてくれた。


がんばらなくちゃ


友人が生きたかった今日を

私は生きている

痛かろうが呼吸ができてる


がんばろう


横になったまま赤ちゃんのように

吐瀉物まみれの服を着替えさせてもらい

ひと息ついた頃、ダーリンの顔が見えた。


え?東京からもう着いたの?

マスクの上の目にほっとした。


15時を過ぎているという。

時間の感覚も無かった。


「スピード違反取られたら、ちかちゃん払ってね」


笑わせて、ベッドに座って

そばにいてくれた。


ヘトヘトだけど

動けないけど

目をあけると

ダーリンが居てくれて安心した。