CHIKAです。

再び伊勢路より。
まもなく、お義父さんの四七日。


まず、台風19号にて
被災された方々や、光に還られた方のご家族に
お見舞いと一日も早い復興をお祈りします。

🙏


三七日の法要にて、導師さまの法話。

故人への祭壇と供えに関して
三つの大事なお供えの話。

1.灯りのお供え(灯籠やろうそくの灯り)
   暗がりにならないように故人を照らす。

2.香りのお供え(お線香や焼香)
   故人が召し上がるお香の匂い。

3.お花のお供え
   故人が召し上がる花の香り。

おそらく、四十九日を過ぎると
お仏壇の仏さまとして「五供(ごくう)」になるのね。「香」「花」「灯明」「水」「飲食」の五つのお供え物。



この辺りは浄土宗で
「おころ」や「お霊供膳(おりょうぐぜん)を
祭壇にお供えする。

手をかけたものをお供えすることが
いいのだそう。



【おころ】
一年間かけて採れたお米を

1.粉にして

2.水を入れて練り



3.小さく丸めて



4.2つの三角錐を積み上げて作り



5.蒸して




6.扇いで冷やて艶を出し




7.馬蘭の葉を敷いて



8.塗りの高月2つに置いて
(前日のおころを下げて、新しいおころを供える)


9.お供えする
  



以上、レシピは無い。



注意)
*多く作ったからといって
    お供えする前に食べてはいけない。
↑アカン嫁 代表選手。



*お下がりの「おころ」は食べてもいい。
 
どれだけ食べてもいい。


新米の米粉。
食べ過ぎると後から効いてくる。

1.胃が重くなる
2.何日も繰り返すと顔が丸くなる
3.そして体もま....




私は、
「おころ」作りが好きだ。



初七日前くらいまで、時々涙が滲んだけど
毎日、無心になってくる。


右手と左手の手のひらで、コロコロと丸くする。


今日は、いつもより遅い、、と焦ると形が歪む。


ただ、何も考えずに
ひたすら70個の小さなお団子を作る。

コロコロ
クルクル
コロコロ
コロコロ

形を整えて、綺麗に積んで
そっと蒸し器に入れると安心して
手やボウルなどを洗って飛んだ粉を拭く。



毎日していると、綺麗に手際が良くなってく。



私は初心者で、
この土地の生まれでもないから
手は習慣になってなくて
ただ手が楽しんでいる。

マスタークラスになると
手のひらで2つお団子を作れるらしい。


蒸し器を見ながら
おとうさんを思い出したり
祭壇に話しかけているうちに蒸しあがる。

これも感覚。


何か集中できることがあるのは
送り出す側の心の穴にもいい。

手をかけるのを
その辺で見ているだろう故人は
その手間と時間に
乗せられる愛情に
日々、こちらの世界からの離脱を
ゆっくりしているのかも知れない。

想像でしかないけど。



「きれいやなぁ」
「美し出来たなぁ」


褒められるお嫁さまは
毎日お寝坊してきては
三歳児の泥団子のように
無心に米粉を丸めて
日々、褒めてもらっている。


今日、お参りしに来られたお客さんが

祭壇があるうちはなぁ、と言う。

四十九日を過ぎたら、

故人は位牌の足を洗われて先祖の仲間入り。

お仏壇に入るのだそう。


祭壇に話しかけている今から

また、こちらも区切りをつける。



その日まで
日々、手をかけて愛の表現は続く。

からだを使って
心が動いていく感じ。




長風呂の湯船、

窓の向こうで、鹿が鳴いている。