狭い路地を走ってたわけですよ。

道幅狭いから当然、スピード出さないですよね、安全のために。なのにですよ、飛び込んできちゃったものだから、もう、それは、どうしようもないと言うか、なんというか。

で、そのこは首輪をしてました。どこかのお宅の飼い猫なのでしょう。ノラ猫だったらいいっつうわけでもないけど、…やっぱりこの子を可愛がっている飼い主のコト思うと何ともいえない気持ちになりました。

当然そのままおいていくことは出来ないのでとりあえず車内に。

それほど壮絶に跳ね飛ばしたワケでもないので外傷はあまりひどくは見えなかったのだけれど、気の毒なことにもう息絶えてしまっていました。事故の衝撃のせいでか、猫は脱糞していました。

近くに動物病院を見つけて必要な処置をしてもらい、多分この近所のお宅の飼い猫だろうと言うことで私の住所と連絡先を書いて、獣医さんに渡して預かってもらうことにしました。

その5日後。

飼い主の方から連絡があったとの知らせをきき、そのお宅に伺いました。

猫を死なせた張本人なわけですから、どんな顔していけばいいのかわかりません。事故当時車に一緒に乗っていた夫にもつ付いて来てもらい、緊張しながら玄関の前へ。

玄関に出てきたのは年配の女性の方。上品なご婦人、といった感じでしょうか。穏やかな方です。

「なかなか帰ってこないから、おかしいと思ってたのよ。」

「病院にまでやってくれて、ありがとう。」

…などとおっしゃるものだから、こちらはかえって恐縮してしまいました。

事故当時の話などいろいろと話していると、ご婦人の後ろからトトトトっと猫の姿が。どうやら何匹か飼っておられるらしい。私は驚いてしまったんですが、その猫が外に出て行っても、ご婦人、何もしないのです。たった数日前に猫が外で車に轢かれたというのにそれでも猫を出すなんて…!轢いた張本人がこんなこと言うのはおかしいかも分からないけれど、飼い主として、それはどうかと。

夫もそのことにひどく腹を立てている様子。

まぁ一応お詫びに伺っている訳だからその場では何も言わず帰宅したのですが、謝りに行ってなぜか二人して憤慨して帰るという、おかしな展開になってしまいました。