トンデモ・シネマの開祖

トンデモ・シネマの開祖

トンデモ・シネマな日々を綴る

大木ミノル
MINORU OHKI

そんな少し奇妙な映画世界がここにあります。




AI動画のクオリティを極めるには、やはり多くの試行錯誤が必要だ。

とはいえ、日本では映像美術のクオリティに対する明確な基準があまり存在しない。解像度が高ければクオリティが高いと考える人もいれば、賞を取った作品や話題になっているものを「良い作品」と見なす人も多い。中には、自分好みのキャラクターを生み出せるAIを「クオリティが高い」と評価する声もある。

僕が映像美術のクオリティに対して、論理的に突き詰める必要があるのは、やはり職業柄のせいだろう。日本には写真やデザインの分野で優れたクリエイターが多い一方で、映像制作に関しては「日本は遅れている」と指摘されることがある。特に韓国や中国は映像美術の分野で急成長しており、その差は年々広がっているように感じる。

例えば、韓国のVFX企業は世界的に評価されており、『パラサイト 半地下の家族』やNetflixの『イカゲーム』では、緻密な美術設計とリアルな視覚効果が高く評価された。さらに、K-POPのMVやバーチャルアイドルの制作では、AI技術と最新のCGを駆使して世界市場に訴求している。中国も同様で、映画『流転の地球』はハリウッドにも匹敵するVFXを活用し、AIによる大規模な映像処理で注目を集めた。

一方、日本の映像業界は依然としてテレビ中心の文化が根強く、予算や技術の革新よりも、既存の手法に頼る傾向が強い。大学でも映像理論を体系的に教える教授が少なくなり、Netflixなどのグローバル企業の幹部からは、「日本の技術力は高いが、応用力に欠ける」と評価されることもある。さらに、美術系の映像に関しては「日本は先進国の中で最もレベルが低い」とまで言われることがあるのは、映像に関わる者として悔しい限りだ。
(とはいえ、そんなことを不思議の国の白雪姫に言われる筋合いはないけれど)

こうした背景には、日本が長年、テレビ中心の映像文化を築いてきたことも関係しているのかもしれない。このあたりの話は、また機会があれば触れてみたい。

それにしても、この半年間はAI動画の研究に没頭してきた。お金も時間も想像以上にかかったけれど、その分、多くのことを学べた実感がある。AI技術は今も日々進化しており、これからはさらに簡単で高機能なツールが登場するだろう。

AIと共に、僕自身も進化を続けながら、映像美術の未来に向けて挑戦を続けたい。
人生最後の20年も、やはり映像に捧げることになるのかもしれない。

★★★ホラー怪談イベント開催のお知らせ★★★

『本当にあったのか? 呪いのビデオ』

出演:那智真吾a.k.a.ラスク(MC)/映像作家 大木ミノル(GEST)
今明かされる心霊動画の真実。
アナタは本当の暴露に耐えられるか?
恐怖と旋律が入り混じる衝撃の2時間!!

日時:2024年12月15日(日)15:00~17:00
参加費:2000円+ドリンク別途
場所:味園ビル 白鯨
      〒542-007 大阪府 大阪市 中央区 千日前 2-3-9 レジャービル味園2F
Google Map:https://maps.app.goo.gl/nsR4bh9g2iWvpExA8

「機動戦士ガンダム劇場版」上映当時の思い出



金持ちの時計屋の息子に「一緒に着いてきて欲しい。君なら理解できると思う」というので、行ったら「機動戦士ガンダム劇場版」の一作目だった。
後で思うと、彼は僕の事を生粋のオタクだと考えたらしい。
まあ、遠からず近からずというところだが、その予想通り、僕には興味深い映画だった。

映画は2日目だったのに三分の一も入っておらずバブル期では異例のガラ空きと言っても良い状態だった。

劇場版の出口ではやしきたかじんのマネジャーさんが直接レコードを売っていました。
今でも覚えています。
「やしきたかじんが歌います。ガンダムのテーマ、レコード販売しています」と僕ら中学生にまで声を掛けてくださいました。
勿論、僕はお金はなくパンフしか買いませんでしたが、時計屋の息子はレコードも買ってました。

その後、すぐにプラモで人気になり、時計屋の息子は何故か僕にプラモを自慢してましたが、僕はあまり羨ましいとは思いませんでした。

第二作「哀・戦士」は前作と違い、大幅な書き直しシーンが加えられて上映され、プラモで儲かったのがよく分かりました。
映画館では、前作の映画とは違い『昔からファンだった」と名乗る人達がカメラのフラッシュを焚くので観れたものではなかったです。
そうです。当時は映画館で写真撮影はOKだったのです。

特にランバラルのシーンは真っ白でした。

ただ、感度の高いフィルムでフラッシュを焚かずに撮影しないとスクリーン真っ白で映らなかったはずです。
当時はデジタルではないので、その場でフィルムをチェック出来なかったのですが、家に帰って真っ白なスクリーンの写真を見て愕然としたでしょう。
今も昔も迷惑な人は多かったという事です。

『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』

スター・ウォーズ・ファンって目が節穴だと思うんだよね。

 

だって、誰がどう見たって一番面白いのは「EP6 ジェダイの復讐(のちに帰還に変更)」なんだよ。

実際、後のシリーズは本作の構成と手法のアレンジ版にしかすぎない。

 

「EP4 新しい希望」では、偶発的に作ったシリアル・シリーズだった為、ストーリーがくだらない上に、自主映画の様にダラダラと長い。
展開も遅く、みんなで劇場で寝たのにも関わらず大ヒット。

ジョージ・ルーカスも「続編も前作もあるんだ」とは言ったものの、こんな映画がヒットするわけがないと思い、ハワイに逃亡。
後に「インディアナ・ジョーンズ」でコンビを組むスピルバーグに出会って、スター・ウォーズの事を忘れようとしていた。

そんな中、ヒットしたので続編を作らされるが、アイデアが全く浮かばない。


おかげで「EP5 帝国の逆襲」面白そうになりそうで、全然、意味不明の変な映画。

映像に催眠効果があるらしく、未だにこれが名作という人が多い。

しかし、ヒロインが浮気するという前代未聞の展開に、ラストでは悪役が「実は俺が親父」と言われて、主人公は何の役に立たないという、どうでもいい身内ネタまで超退屈。

そもそも途中から始まって途中で終わる映画が面白いわけがなく、面白いという者も論理的に説明できない有様。

 

 

上の2作に比べ「EP6 ジェダイの復讐」はテンポアップしており、前編と後編は全くの別物。

 

しかも前編ではヒロインのビキニのような衣装で化物に奴隷にされて、日常的にベロベロ舐め回されるなど、完全に性的暴行を受けた後の様なシーンまで含まれており、これまでになく大人。

 

さらに後半では白かった柔道着が真っ黒のスリム作務衣になり、スタイリッシュな主人公ルーク・スカイウォーカー。

前作の浮気は浮気でなく、主人公とヒロインは兄妹だったという強引な展開はあるものの、変なちっこいクマみたいな民族と共に世界平和を取り戻す。

 

特にラストでは、ルーク・スカイウォーカーの描き方は見事だ!

 

宗教や政治、倫理観も持たず、恋人もおらず、仲間さえ無視して、ただひたすら意味なくロンリー。

【アイツ嫌い】という『フォース』という名の『カン』を感じたという理由だけで、敵国の皇帝と闘う!

こんな意固地なヒーロー像は後にも先にも全く存在しない。

まさに、これぞ、オタクの希望の星。

 

こんな意固地なヒーロー像は後にも先にも全く存在しない。

まさに、これぞ、オタクの希望の星。

なのに、評判が悪いなんて考えられない!

『善き人に非ざれば良き書を作ること能はず 』
善人でなければ、良い本を書く才能は身につかない。



先日、田中貢太郎「奇談哀話」の冒頭に、中央公論の編集者で滝田樗陰(瀧田哲太郎)のこの金言が載っていた。

昔の人の心掛けというモノは実に説得力がある。というのも瀧田は当時大作家だった夏目漱石、森鴎外を引き入れ芥川龍之介を見出した。その彼の言葉だ。

映画監督も漫画家もアーティスト、その他、全ての人に当てはまる。



反対に言えば、悪しき人の書いたモノは一時的に人気を得たとしても、良きモノとは言われなくなり、この世に残らないだろうという事になる。

欲に狂いし者は人生という時間を無駄に過ごす事になる。
そう読み取れない事もない。