●先生、最近僕はとっても悩んでいます。

 

○急にどうしたのさ。

 

●何もかもうまくいきません。

 

○めちゃネイティヴやん。

 

●いや、ネガティヴですわ。ってか悩んでる生徒に何自白させてんすか。

 

○いや、もともと君はネガティヴだったでしょ?だからそういう意味ではネガティヴのネイティヴかなって思って言った。

 

●は?煽ってんすか。教育委員会に訴えますよ?

 

○ごめんごめん、それだけは勘弁。で、どうしたの?何に悩んでるの?

 

●うーん…何と言っていいのか分からないんですよね。なんていうか、漠然とした不安です。これといってはっきりした原因は自分でもよく分かりません。

 

3月や4月は避けられない悩みだよね。環境が変わることに不安を感じやすいタイプなのかもよ。

 

●自分ではあんまりそういう自覚無いんですけどね…

 

○そこなんだよね。みんな、自分が辛いことや、自分が不安に抱えていることは、自分で自覚できると思ってるんだよ。そんなことないのに。

 

●え、だって自分の悩みですよ?自分で分かって当たり前じゃないですか。

 

○それが違うの。自分の悩みでも、自分ではどうして悩んでるのか分からないことだってあるんだよ。

 

●じゃあどうしたらいいんですか?

 

○これがどうにもならないんだな。

 

●そんな。

 

○でも、どうにもならないということを知ることは大切なことだと思うよ。

 

●と、言いますと?

 

○どこまで行ってもゴールができない巨大な迷路があって、そこに君が閉じ込められていたとして、絶対にゴールが無いのに、それを知らずに泣きながらその迷路を歩き続けるのはしんどいよね?

 

●しんどいです。ってかかわいそうです。必死にもがいても意味ないなんて。

 

○でも、ゴールが無いって知っていたら?

 

●そしたら無駄なことはしないです。もがかないです。

 

○でしょ?のんびり待つしかない。

 

●いや、先生。でもそれじゃいつまで経っても迷路の中のままですよね。

 

○と、思うじゃん?

 

●違うんですか!?

 

○いつの間にか迷路に抜け道ができてることに気が付くんだ。

 

●いつの間に!?

 

○それが、いつの間にか、だよ。時間が経ってどこかの壁が朽ちたのか、誰かが道を開けてくれたのかは分からないけど、いつの間にか迷路から抜けられる瞬間がやって来るんだ。悩みなんてそんなもんだよ。

 

●そんなもんなんですか。

 

○それが、そうでもないんだな。

 

●もう、なんなんすか(笑。

 

○いやね、今のは1つの例であって、悩んで悩んで悩んだ末に解決方法が見つかることもあるんだ。迷路の中の壁に、自分で抜け道を作っちゃうんだ。

 

●そのパターンもあるんすか。

 

○あるんだよ。

 

●じゃあ、結局どうしたらいいんですか?

 

○例えば君が、悩みから体調まで崩してしまったたり、倦怠感を強く持っているなら今すぐに悩むことをやめて、のんびりと好きなことして過ごすことをオススメする。逆に、悩んでいるけど身体は元気で時間もあるなら、とことん悩んでみるべきだと思う。ま、あとは君の性格次第かな。

 

●ちなみに先生はどっち派ですか?

 

○僕は悩むと体調まで悪くなっちゃうタイプなんだけど、それでも悩み続ける派かな?

 

●つらっ(笑。

 

○いや、いいんだよ。悩むことは自分にとって成長することだし、悩み続けている自分がありのままの自分なわけだし。

 

●つまり先生は、悩み続けてしまう自分の性格を受け入れて、かつそれを自分の長所でもあると考えて向き合っている、と。

 

○そういうこと。

 

●辛くないですか?

 

○めっちゃ辛いよ。でも、それが自分だから。

 

●なるほど。なんか、悩むことってマイナスなイメージありましたけど、確かに言われてみれば、悩むってことは向上したいってことの裏返しですもんね。

 

○そうそう。ジャンプするにはしゃがむ必要があるのと同じよ。

 

●なんだか、少しだけ自分のこと受け入れられる気がしてしました。

 

○あなたは、あなたしか居ないんだから、生きているだけで素晴らしいんです。

 

●え、めっちゃ歯がゆいこと言いますね。

 

○でしょ?でもね、歯がゆいことを本気で言える大人って必要だと思うんだ。現実ばかり見ていたら、できることもできなくなっちゃうし。

 

●なるほど。先生、また相談しても良いですか?

 

○もちろんです。あなたのために、僕は居るんですから。

 

あなたのため、ですよ。