●先生!十字軍が西ヨーロッパ世界に与えた影響について、もう少し詳しく教えてください!
○ヒトとモノの交流から、東方貿易が活発になり、商業や都市が発展したんだ。これを商業の復活(=商業ルネサンス)と呼ぶよ。
●復活!?ということは、それまでは停滞していたんですか!?
○そうだね!ゲルマン人やノルマン人の侵入が激しかった頃は、農村を基盤とした自給自足の生活が中心だったからね。それが十字軍によって、例えば大量の武器や食糧、それに鎧なんかを作ったり運んだりする過程で商業が復活していったんだ。しかも貨幣を使ったんだよね。今日は、その中でも特に遠隔地貿易にスポットを当ててみていくことにしよう!
●お願いします!
○まず、中世後期に成立した3つの商業圏について知っておこう。一番大事なのは北イタリアの地中海商業圏。これは、海港都市のジェノヴァ、ヴェネツィア、ピサ、ナポリ、それに内陸都市のミラノ、フィレンツェを中心とした商業圏のことで、主にアジアとの東方貿易(=レヴァント貿易)で繁栄したよ。北イタリアからは銀や毛織物を輸出し、東方から香辛料や宝石類を輸入しています。香辛料は本当に大事。
●ちなみに、レヴァントってどういう意味ですか?
○フランス語で「太陽が昇る」という意味です。まぁオリエントと似てるね!さて、北イタリアの都市はミラノを盟主に、ロンバルディア同盟を結成しました。これはイタリア政策のもと、イタリアへ侵攻を繰り返してくる神聖ローマ皇帝に対抗する意図もありました。フリードリヒ1世や、フリードリヒ2世がその代表格です。
●なるほど。ただの商業同盟ではなく、軍事同盟でもあったんですね。
○そういうこと!さぁ、続いては北海・バルト海商業圏です。文字通り北海やバルト海沿岸での貿易を指します。ロシアやスカンディナヴィア半島から木材や毛皮、海産物などが北ドイツのリューベック、ハンブルク、ブレーメンへと運ばれてくる。また、イギリスの羊毛を輸入して、フランドル地方(ブリュージュ、ガン、アントワープなど)で毛織物にして、こちらも北ドイツに運ばれてきます。で、北ドイツにはリューベックを盟主とするハンザ同盟が結成されて、北欧の国々と商業圏を巡って争っていました。ちなみにハンザは、ドイツ語で「仲間」という意味。現在ポーランドの港町として知られるダンツィヒなんかも、このハンザ同盟の加盟都市として繁栄していたんですよー!
●プリントにはハンザ同盟の4大在外商館と書いてありますが、これはいったい?
○海外支社だと思ってくれればいい。イギリスのロンドン、ベルギーのブリュージュ、ロシアのノヴゴロド、ノルウェーのベルゲンだ。
●最後の商業圏はどこですか?
○地中海商業圏と北方商業圏の間に位置する内陸商業圏です。ここは南北二大商業圏を結ぶ物資の集散地として大規模な定期市が開催され、繁栄しました!それがフランスの…
●シャンパーニュ!
○その通り!また、南ドイツでは、ニュルンベルクやアウクスブルクが銀の産出で繁栄しました。以上!
●今日出てきた都市って、やっぱり地図で確認しておいた方がいいんですか?
○もちろん地図は確認しようね。特に「アドリア海の女王」と呼ばれるヴェネツィアは、よくジェノヴァと場所を間違えるから注意しよう!マルコ゠ポーロはこのヴェネツィア商人だし、新大陸到達でおなじみのコロンブスは、ジェノヴァ出身!ここを混同しないように、今のうちに覚えておこうね!じゃあ最後に、大富豪についてまとめて終わり!
・フィレンツェのメディチ家…薬局、金融業
・ミラノのヴィスコンティ家…聖職者の輩出
・アウクスブルクのフッガー家…銀の採掘・販売業、金融業
☆センターチャレンジ①
ポーランドとドイツに関連して、ダンツィヒ(グダニスク、グダンスク)の位置を示す次の地図中のaまたはbと、この都市の歴史について述べた下の文アまたはイとの組合せとして正しいものを、下の①~④のうちから一つ選べ。[11 追試]
ア バルト海に面する、ハンザ同盟の加盟都市であった。
イ 毛織物で栄えた、フランドル地方の都市である。
①a-ア ②a-イ ③b-ア ④b-イ
正解は
③
☆センターチャレンジ①
商業都市の一つであるリューベックの位置を示す次の地図中のaまたはbと、この都市の歴史について述べた下の文アまたはイとの組合せとして正しいものを、下の①~④のうちから一つ選べ。[13 本試]
ア ハンザ同盟の盟主として、バルト海交易に従事した。
イ 17世紀に、国際金融の中心となった。
①a-ア ②a-イ ③b-ア ④b-イ
正解は
③

