今日は少し忙しい。
ザンジバル島に行くフェリーは12時半発。
だから、11時過ぎを目処に所用を終わらせないといけない。
1つは、いっぱい買ったお土産を郵便局へ行って発送。
もう1つは、警察署へ行きポリスレポート(盗難届)をもらいに行くこと。
なんと郵便局へは、時間短縮のためお二人が行ってくれるという。
うぅ、なんてやさしい人たちなんだ、、、
そして、僕は一人で警察署に。
また、相変わらず入口で理由を伝えて入る。
そして、カウンターに行き、ポリスレポートを欲しい旨を女性警官に伝えると、
女「ここでは手続きできないわ。バスターミナルの近くの警察署に行ってちょうだい」
若「いやいや、土曜日に来た時、月曜日にもう一回ここに来いって言われたから来たんやん」
女「私に言われても困るわ。私はそんなこと言ってないもの。」
若「ちょ、待てや。今日は昼にザンジバル島に行かなあかんねん。土曜日の警官が月曜日のいつ来てもいいし、手続きも10分で終わるから。って言ってたから今来てんねん。」
女「だから、私はそんなこと言ってないわ。バスターミナルの近くの警察署に行って聞いてちょうだい。」
はぁぁぁぁん!?
そんな風にイライラしながら、押し問答をしてると男性警官らしき人が、どうしたんだと女性警官に尋ねる。
女「このチーナがね、、、」
若「おい!俺はチーナちゃうわ!ジャパニーズじゃ。チーナ、言うな!」
女「何をそんなに怒ってるの?」
若「日本人はチーナ言われんのがイヤなんじゃ。」
女「でね、このチーナが何やら、、、」
若「おい!だから、チーナ言うな、言うてるやろ。
ボケ!ファッキン!!」
イライラしてたところに、チーナを連呼され、つい道端のキャッチの兄ちゃんにキレたときに使う「ファッキン」が口から出てしまった。
イライラしてたところに、チーナを連呼され、つい道端のキャッチの兄ちゃんにキレたときに使う「ファッキン」が口から出てしまった。
女「はぁ?あなた今、なんて言った??なんでファッキンなの!?謝りなさい!」
男「おい、お前!なんてこと言うんだ。なぜファッキンなんだ!謝れ!!」
頭に血が上ってる僕はまだまだおさまらない。
若「いや、謝んのは先、そっちやろ!日本人はチーナ言われんのがイヤや言うたやん!なのにチーナ、チーナ言いやがって!お前が先に謝れ!」
女「なんで私が謝らなきゃいけないの?」
男「おい、お前、謝れ。」
若「いや、そっちが謝れ。」
男「お前、謝らないなら、逮捕だ!」
カウンターから出てくる男性警官。
そして、僕の腕を掴んで「逮捕だ」と言って、カウンターの中に引きづりこまれる。
若「なんで、逮捕されなあかんねん!おかしい、やろ!」
2人の警官に両脇をかかえられ、奥に連れて行かれる。
え、、これ、ほんとに逮捕されんの??
この人らの顔、マジで怒ってるけど。。
壁まで連れてこられ、座れと命令される。
しぶしぶ壁にもたれながらゆっくり座ろうとすると、警官に足を蹴飛ばされ、無理やり座らされる。
男「おまえ、なんであんなこと言ったんだ?」
若「だから、言うたやん。日本人はチーナと言われることが大嫌いやねん。それをあの女が何回もチーナ、チーナ言うからムカついたんやん。」
男「それだからって、あんな言葉を使うの許されない」
若「それは、確かにこっちが悪かった。でも、もし相手がナニ人かわからんかったら、先に『どこの国の人ですか?』『どこ出身ですか?』て聞くのがマナーちゃうの?
道端の兄ちゃんでも、マナーのある人は『ヘイ、ミスター!』『ハイ、マイフレンド』って言ってくる。」
男「俺たちにはチーナに見えたから、チーナと呼ぶんだ。何が悪い?というか、まずお前が先に『日本人です』と名乗るのがマナーだろ」
若「いやいや、確証がないならそっちが尋ねるのが普通だろ。」
男「ダメだ。お前は逮捕されるようなことを言ったんだ。ちょっと、ここに座ってろ」
カウンターの裏の壁際で体育座りをさせられてしばらくじっとさせられる。
てか、こんなことでマジで逮捕されんの?
やっぱりファッキンて、そんなに言ったらアカン言葉やねんな。。
たまにしょうもない大麻の売人とかに断ったら普通に言われるけど。。もっと怒っていいレベルなんかな。
仮に相当悪い言葉やとしても、一言で逮捕ってありえる?
うーん、どうしよ。。
こんなことで捕まったら、アホやな。。。
ダルエスサラームは日本大使館とかあるっぽいけど、、、
でも、半分オレも悪いやろしな。。こんなことで大使館のお世話になるというか、迷惑かけるのもな。。
でも、警察的にもこんなことで日本人逮捕してモメるのもややこしいと思うねんけどな、、、
とりあえず、カバンは取りあげられてないし、みんな俺のこと放置してるから、携帯はさわれるんかな。
携帯を取り出して、シュクヨさんたちにメールを。
【ちょっと揉めて、逮捕されるかも、、、でも、大丈夫かもしれないので、状況わかったらまた連絡します。】
あれ?やっぱり、メール打ってても、誰も何にも言わない、、、
こんなゆるい状況ありえる??
写真も撮れる。
それでもイライラはおさまらない。
目の前にはチーナ、チーナ言ってた女が何か書き物をしている。通常業務だろう。
あの女、まじムカつくわ。
アカン、顔に出てるな、イライラが。
こういうときは、反省してます感の「シュン」とした雰囲気を出すべきか。。。
いや、でもムカつくもんはムカつく。
なんか屈するのも腹立つ。
結局、イライラもシュンも出さずに無表情を選択。
しばらくすると、袋に荷物を入れ、靴を脱がされた男が10人ほど警察官に連れてこられる。
なんの人たち?悪いことした人たち?
免許の更新とかではなさそうやけど、、、
壁際に並ばされる彼ら。
壁際に座ってる僕。
邪魔だろうけど、僕に当たるくらい目の前に立っている彼ら。
しばらくすると彼らは去り、1人の警察官が、上半身裸、裸足の年配男性を連れて来て、僕の横に座らせる。
この人は超シュンとした感じ。
何か悪いことして捕まったのかな、、、
その年配男性と並んで座る僕。
なんだ、この絵は、、、
もし捕まったら、僕もこんな感じになるのか、、、
それはイヤだな。。
とりあえず、座らされたのが、8:20頃。
今は8:45。
多分、頭を冷やせ的、もしくは見せしめ的な感じで9時には解放されるんじゃないかと期待する。
そして、ずっと座ること30分ほど。
1人の男性警官が来て、フレンドリーに話しかけてくる。
男「どこから来たの?」
若「日本だよ」
男「ダルエスサラームにはどれくらいいるんだ」
若「4-5日かな」
男「パスポートを見せて」
パスポートを渡す。
パラパラとページをめくる男性警官。
そして、何か紙に書いている。
あれ?なんかの手続き??
ほんとに、逮捕される??
そして、もう一度座って待ってろと指示される。
10分ほど待っただろうか。
さっきの男性警官がついて来いという。
警察署の奥へ連れて行かれる。
え、、これは別室送りか??
するとある部屋に通される。
男「署長と話せ」
あれ?この署長って人、俺を「逮捕する」って言った人やん。
めちゃ偉かったんやw
てか、署長にたて突いてたんや、オレw
署「お前、なんであんなこと言ったんだ?」
若「僕の理由を話していいですか?」
署「まあ、いいだろう」
若「さっきも言ったように、日本人はチーナと呼ばれるのが、とても嫌いなんだ。そして、それを説明したのに、彼女はまだチーナと呼んでいた。それに腹が立ったんだ。」
さらに、元々土曜日に一度警察署に来て、月曜日に来いと言われたのに、ここじゃなくて、遠くの警察署に行けと言われたこと。今日の昼にはザンジバル島行きのフェリーに乗らなければいけないこと。
これらのイライラと合わさったから、ということも伝えようとしたところ、さえぎられるように
署「お前のどんないいわけも、認めない!あんな言葉を使っていいわけがないだろう!!!」
全然、話聞いてくれる気ないやーーーん!
署「お前は日本の警察にもあんなことを言うのか?」
若「いや、言わない。確かにあんな言葉を使ったのは、僕が悪かった」
署「そうだろう。あんな言葉を警察に使うなんてありえないぞ。もっと、われわれ警察をリスペクトしなければいけない。本当なら、3-6ヶ月の刑務所行きだぞ。」
つーか、ファッキンという言葉を使ったのは確かに悪かったかもしれへんけど、こっちが怒った理由を全く理解しようともせず、リスペクトだけしろ。
警察は別に偉いわけちゃうやろ。
リスペクトは、させるもんじゃなくて、人が自然とするもんやろ。
自分から言うなや、カッコ悪い。
そもそもお前が部下をちゃんと教育してて、「管轄はここじゃないから、月曜日にバスターミナルの警察署に行け」と言ってくれてたらこうはならんかったんやろが。。。
そして、こっちの言い分を理解しようとせず、それを説明しようと思ったら、伝家の宝刀「逮捕するぞ」を出してくる。
その言葉を発せられたら、誰もなんもできへんやん。
卑怯やで、自分。。。
クッソ、このタコ署長が。。。
署「それに、お前、なんだそのシャツは!?ここは警察だぞ!いますぐ脱いで、他のを着ろ!」
ん?
あちゃ 汗
フィリピンで買った、女性のお尻が出てるプリントのTシャツを着て来てしまった。。
ここはイスラム系の人が多いところ。
おそらくこの署長はムスリムだ。
これは確かに僕が悪い。配慮を欠いてるな。汗
若「ごめんなさい」
もちろん、他のTシャツなんて持ってないから、脱いで裏返しに着る。
これで全くプリントは見えない状態。
署「なんで、もう一度着るんだ!怒」
すかさず補佐の警察官が、
警「署長。裏返したので、もうプリントは見えてません。。」
見たらわかるやろ。
まあ、もうこのカンカンに怒ってる署長は、何を言っても理解してもらえへんな。。
しかも、一応は逮捕なしで帰れそう。
時間ももったいないから、ここはあきらめるか。。
若「今回は僕が悪かったです。本当にごめんなさい」
署「わかったなら、もう行け。次あったら逮捕だぞ」
そう言われ、補佐の警察官と一緒に部屋を出る。
警「署長は許してくれた。よかったな。」
いやいや、逮捕はないでしょ。と思いながら、ありがとうと礼を言う。
警「だからバスターミナルの近くの警察署に行けよ」
と、言うので、グーグルマップで教えてもらう。
名前を打ち込むとグーグルマップにあらわれる。
念のため、「ここで、合ってる?」と聞くと「ここじゃなくて、もっとこっちだ。この駅の横にある」と。
たまにマップ系アプリはずれていることもあるから。
とりあえず、敷地の外に出て、急いでUberを立ち上げて、警察官が教えてくれた駅を目的地に設定して発信。
数秒後、「車がこっちに向かってます」という案内が表示される。
が、待てども待てども車のアイコンがこっちに来ない。
そして、キャンセルされる。
は?なんで??
このダルエスサラームでのUberはやたらキャンセルされる。
もう一度発信。
違う車がこっちに向かうというメッセージ。
が、この車も待てども待てどもこっちに向かわない。
そして、キャンセル。
はぁぁぁぁん?
なんやねん、コレ。
ちょ、なんでやねん。
間に合わんくなるやん。。
なんと、これがもう一度。。。
3台連続キャンセルて、、、
てか、ここ警察署の前やからあかんのかな、、、
Uberの電波をキャッチして、OK出したはいいけど、「あれ?警察署やん。そこは、やめとこ。」みたいな感じなのか。
そう、ここは警察署の真ん前。
だから、巡回中の警察官が集まってくる。
そして、
警「ニーハオ!何してるんだい、チーナ。」
このヤロ、、、今のオレに言うか、、、
若「ジャンボ!チーナじゃないよ。ジャパニだよ。」
警「おー、そうか。ジャッキー・チェン!ブルースリー!」
若「それは中国だよ。。」
警「ジェット・リー!」
若「ジェット・リー?知らない。。」
警「ジェット・リーを知らないのか!?中国のムービースターだよ!」
お前、わかってて中国おしてきてるやろ、、、
警「お前はここで何してるんだ?」
若「Uberを待ってるんだけど、何度もキャンセルされて困ってるんだ。ここが、警察署の前だから、みんなイヤなのかな?笑」
警「ハハハハハっ。きっと、そうだろ。」
てか、警察をイヤがるUberの運転手。
やっぱり、タクシーと併用してるやつらなのか。それとも、やっぱりやましいことがあるからなのか。
もう一度だけチャレンジするが、やっぱりキャンセルされる。
仕方がない。
少し場所を変えてやってみるか。
通りを2本ほど移動してもう一度トライ。
車がこっちに向かってますというメッセージ。
が、やっぱり途中でまたキャンセル。
あかん、もうええわ。。
バスターミナル近くの警察署までは車で30分弱。
いまは10時前。
11時に帰ってくるのは不可能だ。
2人には悪いけど、今日は断念しよう。
いろんな思いを抱えながら、一旦宿へ戻る。
荷物の発送を終えた2人が帰ってくる。
本当にありがたい。
そして、警察に捕まりかけたこと、今日はザンジバル島のフェリーには間に合わないことを伝える。
しかし、2人はイヤな顔ひとつもせず、快諾してくれた。
とりあえず、昼ごはんにカレーを食べて、ローカルバスでもう1つの警察署に向かう。
30分ほどバスで移動して、目的の駅で降りる。
グーグルマップではこのあたりに警察署があるって出てたけど、あの警察官はもっと先だと言ってたよな、、、
実際、グーグルマップもピンは立ったけど、目的の建物のアイコンはマップ上にはない。
だから、警察官が言ってることが正しいのかな。
日陰のない超炎天下の中歩く。
赤道に近いから、本当に日差しがキツい。
そして、湿気がヒドい。
だから、汗が止まらない。
そして、警察官が言ってたあたりに来るが、それらしき建物が見当たらない。
そのあたりにいる兄ちゃんに聞いてみる。
兄「ニーハオ、チーナ!どうしたんだい?」
どいつもこいつもコノヤロ、、、
でも、もう訂正する気力もないわ。。。
若「このあたりに警察署はある?」
兄「おー、チーナ。それは、ここじゃなくて、あっちだよ。」
チーナ、チーナ、うっせーな。
てか、その方向て、今来たところやんw
あんの警察官、、、やっぱりグーグル先生が正しかったんやん!
ほんとになんでアイツら地図が読まれへんかな。。。
ピンが立ってたのに、ここじゃない。こっちだ。って、あんなに言いはってたのに。くそー。
クソ暑い中、来た道を戻る。
てか、それらしき建物なんてあったっけな、、、?
とりあえずグーグルマップで示してたあたりに来たけど、このあたりはこんな昭和の団地みたいな建物しかないエリア。
そのうちの一つが生地屋のテナントだったので警察署がこのあたりにないか聞いてみる。
すると、隣だと。
え?ここ??
写真は撮っていないが、この団地と同じ建物。
確かに入口に踏み切りのようなバーがある。
バーの横に立っていた警察官のような、係の男性にポリスレポートを欲しい旨を伝えると、奥に行けと。
奥を見ると団地の一部屋の窓に係員みたいな人が見えたので歩いて向かう。
敷地に入って、数メートル。
左手が団地の建物。
その一階の窓には鉄格子がはまっていて、その鉄格子を両手で持つ黒人の若い男が2-3人、ギロリとこちらを見ている。
なんか雰囲気が異常な気がしたので、しっかりとは見ず、横目でその雰囲気を感じ取っていた。
あれ、なんやろ、、、
奥に行こうとすると、横から日本語で「コンニチハ!」と声をかけられる。
ん?何??
男「コンニチハ!コッチ、コッチ」
付き添いの男性もあちらに行けと言ってくる。
その呼ぶ男は、団地でいう階段があるくぼみ部分にいる。
三畳ほどのスペースにスタンディングのカウンターがあり、そのカウンターに男性警察官が座っていた。
警「コンニチハ!ヒロシマから来ましたか!?」
若「あ、いえ、オオサカで、、、、す、、ん??!??」
なんでそこ、ヒロシマ!?という疑問もふっとぶ。
スーパーフレンドリーに話しかけてくる警察官の後ろには、鉄格子の扉が2つ、L字に並んでいる。
そして、その鉄格子には、どっしりと30cm近い大きな南京錠が。
扉の向こうには、さっき横目で見たのと同じ、上半身裸の推定15-20歳くらいの少年が各扉に2-3人ずつ鉄格子を両手で握り、へばりついて立ってこっちを見ている。
ちょ、何コレ。。。
めちゃ怖いねんけど。。。
黒人を差別するわけではないが、暗い部屋、鉄格子、黒人だからさらに目立つ大きな白目。
まるで牢屋から出たくてもがいてるゾンビのよう。
え、、、あれって、完全にブチ込まれてるやつよな。。
でも、牢屋がこんなむき出しなわけないよな、、、
捕まりたてホヤホヤの留置場?拘置所?みたいなところ??
一気に心拍数が上がる。
そんな緊張しまくりの僕に、後ろの男たちなんて関係ないよと言わんばかりに、フレンドリーに話しかけ続ける警察官のおっちゃん。
警「どうしたんだ?何かトラブルか??」
若「荷物をバスの中で盗られたから、ポリスレポートが欲しいんだ」
警「そうか、それは大変だったな。よし、わかった。じゃあ、まず、名前とどこで何を盗られたかをここに書き出してくれ」
おお、なかなか物分かりのいい、優しいおっちゃんでよかった。
真っ白な紙に言われた項目を書き出していく。
だが、その間は書くことに集中できず、扉の男たちが気になる。
なぜなら、その距離2m。
部屋の中が狭いのか、全員上半身裸で立ってるし、隙間がないくらい、扉にへばりついてる。
部屋の中も人でいっぱいなのか。。それくらい多くの捕まった人がいるのか。
はたまた、この暑さだから、少しでも外気の近いところにいたがるだけなのか。
たまに若い警察官が、鍵を外し、扉を開けててご飯のプレートを一枚だけ差し入れる。
てか、この鍵を開けた瞬間、向こうから何人も押し寄せて来たら扉は完全に開いてしまうだろう。
そして、ここまで来るときに目に入った警察官ぽい人は4-5人程度。
これで警備、マジで大丈夫??
普通、ご飯入れる用の窓とか付いてるもんちゃうの??
しかも、こんなにいっぱいいるのに、飯のプレート一枚って、どういうこと??
書類を書きながら横目で感じる。
部屋の中にいる少年のお母さんなのか、カウンターにやってきて、アルミホイルの包みを警察官に渡し、それを中の少年に渡す。
基本的に中の人間にご飯はなく、家族や知り合いが差し入れるしかないのか。
確かに、何人か部屋の中の少年の友達なのか、若い男が来て、カウンター越しに中の少年と話す人間も。
そして、扉の中の1人の少年が「ヘイ、マイフレーンド!ヘイ、マイフレーンド!」と呼んでくる。
というか、そもそも、このきっと犯罪者であろう彼らにずっと見られて顔を覚えられるというのもすごくイヤだ。
彼らがどれくらい拘留されてるのかもわからない。
今日、明日にでも出所して、街で出会ったりするのも勘弁してほしい。
いくら呼ばれても反応しないようにしよう。
少「ヘイ、ヘイ!チーナ!コレア!ジャパニ!」
ちらりと目だけ少年に向ける。
少「ヘイ、マイフレーンド!頼むよ!2000シリング(100円)恵んでくれよ!腹が減って死にそうなんだ、、、」
彼が、窃盗や強盗なのか、傷害なのか、なんの罪かは全くわからない。
だけど、悪さをしたからあの中にいるのだろう。
本当は、「俺はカバンを盗られたから、ここに来てるんだ!なんで、ご飯を奢らなきゃいかないんだ!?俺のカバンを盗ったのはお前かぁぁぁ!!!」なんて、言いたい。
が、言えるわけがない。
まさに映画で見るような、ホンマもん。
マジで怖い。
もし、今朝の警察署での揉め事で逮捕されてたら、国籍なんて関係なく、僕もあの中にブチ込まれてたんだろうか。。。
想像するだけで恐ろしい。。
とりあえず、書類を一通り書き終わると、おっちゃんが若い警察官にこの用紙の手続きを進めてこいと指示をする。
若い警察官と外に出て、木陰にプラスチックの机とテーブルで作業する警察官に用紙を渡す。
数分後、若い警察官が数字が書かれた紙の切れ端を僕に渡し、
警「明日の、、そうだな、、8時にもう一度来てくれ。そしたらポリスレポートを渡すから。」
若「ちょ、待ってよ!今日できないの?中央警察署に聞いたら30分でできるって言われたよ!(←特にそんなことは言われてない、、)それに、明日はザンジバル島に行かなきゃいけないんだ。なんとか頼むよ!」
警「そうか、わかった。ちょっと相談してみる」
すると、さっきのおっちゃんのところに相談しに行く。
おっちゃんが近づいて来て、
お「シンヤ!お前のために用意してやるよ。ちょっと待ってな」と。
よかったぁ。なんとかなりそう。
しかし、待つところもない。
ブロック片が1つ落ちていたので、とりあえずそこに座る。
もちろん団地に背を向けて。
というのも、1番はじめに見た外側の窓から男たちが鉄格子にへばりついてずっとこっちを見ているから。
そして、何か口々に叫んでいる。
ちょ、ほんま怖いねんけど。。
てか、なんなん。このむき出し感。
周りにある柵は、小学校のグラウンドを囲むような金網のフェンスのみ。上に気持ちばかりの有刺鉄線が付いてるだけ。
そして、その鉄格子には、どっしりと30cm近い大きな南京錠が。
扉の向こうには、さっき横目で見たのと同じ、上半身裸の推定15-20歳くらいの少年が各扉に2-3人ずつ鉄格子を両手で握り、へばりついて立ってこっちを見ている。
ちょ、何コレ。。。
めちゃ怖いねんけど。。。
黒人を差別するわけではないが、暗い部屋、鉄格子、黒人だからさらに目立つ大きな白目。
まるで牢屋から出たくてもがいてるゾンビのよう。
え、、、あれって、完全にブチ込まれてるやつよな。。
でも、牢屋がこんなむき出しなわけないよな、、、
捕まりたてホヤホヤの留置場?拘置所?みたいなところ??
一気に心拍数が上がる。
そんな緊張しまくりの僕に、後ろの男たちなんて関係ないよと言わんばかりに、フレンドリーに話しかけ続ける警察官のおっちゃん。
警「どうしたんだ?何かトラブルか??」
若「荷物をバスの中で盗られたから、ポリスレポートが欲しいんだ」
警「そうか、それは大変だったな。よし、わかった。じゃあ、まず、名前とどこで何を盗られたかをここに書き出してくれ」
おお、なかなか物分かりのいい、優しいおっちゃんでよかった。
真っ白な紙に言われた項目を書き出していく。
だが、その間は書くことに集中できず、扉の男たちが気になる。
なぜなら、その距離2m。
部屋の中が狭いのか、全員上半身裸で立ってるし、隙間がないくらい、扉にへばりついてる。
部屋の中も人でいっぱいなのか。。それくらい多くの捕まった人がいるのか。
はたまた、この暑さだから、少しでも外気の近いところにいたがるだけなのか。
たまに若い警察官が、鍵を外し、扉を開けててご飯のプレートを一枚だけ差し入れる。
てか、この鍵を開けた瞬間、向こうから何人も押し寄せて来たら扉は完全に開いてしまうだろう。
そして、ここまで来るときに目に入った警察官ぽい人は4-5人程度。
これで警備、マジで大丈夫??
普通、ご飯入れる用の窓とか付いてるもんちゃうの??
しかも、こんなにいっぱいいるのに、飯のプレート一枚って、どういうこと??
書類を書きながら横目で感じる。
部屋の中にいる少年のお母さんなのか、カウンターにやってきて、アルミホイルの包みを警察官に渡し、それを中の少年に渡す。
基本的に中の人間にご飯はなく、家族や知り合いが差し入れるしかないのか。
確かに、何人か部屋の中の少年の友達なのか、若い男が来て、カウンター越しに中の少年と話す人間も。
そして、扉の中の1人の少年が「ヘイ、マイフレーンド!ヘイ、マイフレーンド!」と呼んでくる。
というか、そもそも、このきっと犯罪者であろう彼らにずっと見られて顔を覚えられるというのもすごくイヤだ。
彼らがどれくらい拘留されてるのかもわからない。
今日、明日にでも出所して、街で出会ったりするのも勘弁してほしい。
いくら呼ばれても反応しないようにしよう。
少「ヘイ、ヘイ!チーナ!コレア!ジャパニ!」
ちらりと目だけ少年に向ける。
少「ヘイ、マイフレーンド!頼むよ!2000シリング(100円)恵んでくれよ!腹が減って死にそうなんだ、、、」
彼が、窃盗や強盗なのか、傷害なのか、なんの罪かは全くわからない。
だけど、悪さをしたからあの中にいるのだろう。
本当は、「俺はカバンを盗られたから、ここに来てるんだ!なんで、ご飯を奢らなきゃいかないんだ!?俺のカバンを盗ったのはお前かぁぁぁ!!!」なんて、言いたい。
が、言えるわけがない。
まさに映画で見るような、ホンマもん。
マジで怖い。
もし、今朝の警察署での揉め事で逮捕されてたら、国籍なんて関係なく、僕もあの中にブチ込まれてたんだろうか。。。
想像するだけで恐ろしい。。
とりあえず、書類を一通り書き終わると、おっちゃんが若い警察官にこの用紙の手続きを進めてこいと指示をする。
若い警察官と外に出て、木陰にプラスチックの机とテーブルで作業する警察官に用紙を渡す。
数分後、若い警察官が数字が書かれた紙の切れ端を僕に渡し、
警「明日の、、そうだな、、8時にもう一度来てくれ。そしたらポリスレポートを渡すから。」
若「ちょ、待ってよ!今日できないの?中央警察署に聞いたら30分でできるって言われたよ!(←特にそんなことは言われてない、、)それに、明日はザンジバル島に行かなきゃいけないんだ。なんとか頼むよ!」
警「そうか、わかった。ちょっと相談してみる」
すると、さっきのおっちゃんのところに相談しに行く。
おっちゃんが近づいて来て、
お「シンヤ!お前のために用意してやるよ。ちょっと待ってな」と。
よかったぁ。なんとかなりそう。
しかし、待つところもない。
ブロック片が1つ落ちていたので、とりあえずそこに座る。
もちろん団地に背を向けて。
というのも、1番はじめに見た外側の窓から男たちが鉄格子にへばりついてずっとこっちを見ているから。
そして、何か口々に叫んでいる。
ちょ、ほんま怖いねんけど。。
てか、なんなん。このむき出し感。
周りにある柵は、小学校のグラウンドを囲むような金網のフェンスのみ。上に気持ちばかりの有刺鉄線が付いてるだけ。
柵の外はすぐ大通りとその歩道。
まわりは普通に生活する団地だ。
男たちがいる上の階に目をやるとベランダには荷物がいっぱい。
さすがに洗濯物はないが、警察官が住み込んでいるのか、ただの荷物置きなのか。
だけど、この建物は、こんな風に続きで普通に人が住む団地だ。
まわりは普通に生活する団地だ。
男たちがいる上の階に目をやるとベランダには荷物がいっぱい。
さすがに洗濯物はないが、警察官が住み込んでいるのか、ただの荷物置きなのか。
だけど、この建物は、こんな風に続きで普通に人が住む団地だ。
この左側がそのまま警察の建物
古団地を有効利用してるのか、こんな防犯性の低い建物なんてアリ!?
僕の目の前には果物売りのおばちゃんが。
「お兄ちゃん買ってよ〜」と訴えてくるが、ご飯を食べたばかりだからいらない。
バナナとマンゴーを売っている。
これらをおばさんを助けるという意味で、あの少年たちに差し入れたとしても、多分たかが知れた料金だろう。
だけど、あの部屋の中には少年が何人いるかもわからない。
足りない可能性だってある。
というよりも、やっぱり彼らを助ける義理はない。
ごめんね、おばちゃん。
そして、20分ほど待つと、
お「シンヤー」
と、呼ぶおっちゃん警察官の声。
お「できたぞ、ホラ」
とポリスレポートを渡してくれる。
よかったー、早くこの場から離れたいーーー。
そして、顔を寄せてささやくおっちゃん警察官。
お「思ったより早くできてよかっただろ?で、シンヤ、チップはどれだけくれるんだ?」
おぉーーーーーーー、でたぁーーーー!
マジでーーーー!
こ、これが噂の賄賂ってやつか。。。
アフリカの警察って、ほんとにこんなことするんやな。。
ブログであった通りだ。
中央警察署の署長は「もっと警察官をリスペクトしろ!」と偉そうに言ってたけど、あなたの部下というか、同じ組織の人間はこんなんですよ?
どこにリスペクトする要素があるんですか??説明してほしい。
まあ、このおっちゃんが早くできるようにしてくれたのは事実。
もしかしたら、こう持って行くために「明日来い」と指示したのかもしれないが。
はっきり言って「なんでやねん!お前、警察やろ?それが正義か?」なんて言いたかったが、とにかくこの場を速やかに終わらせ退散したかった。
若「え、、、いくらくらい?」
お「シンヤの気持ち次第だ。。」
若「うーん、5000シリング(250円)でいい?」
お「シンヤ、10000シリングにしてくれよ」
でた!気持ち言うたやんw
結局、自分から値付けしよった。
若「、、、わかったよ」
お「オッケー!シンヤ。」
満面の笑みのおっさん。
古団地を有効利用してるのか、こんな防犯性の低い建物なんてアリ!?
僕の目の前には果物売りのおばちゃんが。
「お兄ちゃん買ってよ〜」と訴えてくるが、ご飯を食べたばかりだからいらない。
バナナとマンゴーを売っている。
これらをおばさんを助けるという意味で、あの少年たちに差し入れたとしても、多分たかが知れた料金だろう。
だけど、あの部屋の中には少年が何人いるかもわからない。
足りない可能性だってある。
というよりも、やっぱり彼らを助ける義理はない。
ごめんね、おばちゃん。
そして、20分ほど待つと、
お「シンヤー」
と、呼ぶおっちゃん警察官の声。
お「できたぞ、ホラ」
とポリスレポートを渡してくれる。
よかったー、早くこの場から離れたいーーー。
そして、顔を寄せてささやくおっちゃん警察官。
お「思ったより早くできてよかっただろ?で、シンヤ、チップはどれだけくれるんだ?」
おぉーーーーーーー、でたぁーーーー!
マジでーーーー!
こ、これが噂の賄賂ってやつか。。。
アフリカの警察って、ほんとにこんなことするんやな。。
ブログであった通りだ。
中央警察署の署長は「もっと警察官をリスペクトしろ!」と偉そうに言ってたけど、あなたの部下というか、同じ組織の人間はこんなんですよ?
どこにリスペクトする要素があるんですか??説明してほしい。
まあ、このおっちゃんが早くできるようにしてくれたのは事実。
もしかしたら、こう持って行くために「明日来い」と指示したのかもしれないが。
はっきり言って「なんでやねん!お前、警察やろ?それが正義か?」なんて言いたかったが、とにかくこの場を速やかに終わらせ退散したかった。
若「え、、、いくらくらい?」
お「シンヤの気持ち次第だ。。」
若「うーん、5000シリング(250円)でいい?」
お「シンヤ、10000シリングにしてくれよ」
でた!気持ち言うたやんw
結局、自分から値付けしよった。
若「、、、わかったよ」
お「オッケー!シンヤ。」
満面の笑みのおっさん。
元のカウンターに戻って、書類に受け取りのサインをする。
外に出て、小さく畳んだ10000シリング札をこっそり。
外の窓にへばりついている少年たちが何か渡したのが見えたのか、騒ぎ出す。
少年たちに「何もない!」みたいなことを怒鳴り散らすおっちゃん。
こうやって、少年たちの警察に対する信頼感はまたなくなって行くんだろうな。。
医者は正義じゃなくて、ビジネスだ。
というのが正直な話だと聞く。
おそらく警察も正義ではなく、食べていくための手段。彼らにとってはビジネスなのだろう。
それに、国を良くするのは、基本的にはその国の中で頑張ってもらうしか他はないと思う。
今日1日、本当にいろいろあった。
こんな風にブログに書いて貴重な体験だ、とか笑い話になった、とか思えてるけど、本当に捕まらなくてよかったぁ。。。
もう、身も心もヘットヘトですわ。。。
ちなみに盗られたモノの中にiPadがあったから書いたのに、ポリスレポートには書かれていない。。保険おりるんかな、、、